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第46話 深刻ないじめ問題と魔王軍

王都に残ったクラスメイトたちと魔王軍の戦いのお話です。

先生は、どうしたんだと思いますが、出てきません。

ご期待された方は、ごめんなさい。

それでは、どうぞ。

<異世界召喚後62日目朝>

場所:サッシー王国王都

視点:吐田はんだ


 異世界に召喚されて2ヶ月。

 慣れない世界に慣れない生活、そして馴れ合いたくない仲間。


 あるものは召喚した女神様の不興を買い、死地へとおいやられ。

 あるものは他国の招聘により、旅立ち。

 あるものはイジメに遭い、脱走した。


 そして僕たちだけが残った。


 元々は30人いたクラスメイトも今や7人だけ。

 それをまとめるのは先生じゃない。

 僕らだった。


 先生が僕たちをまとめることを諦めたのは、結構最近だった。



 城に残されたクラスメイトは7人。

 その内訳は、男子4人に女子3人。

 その女子3人は、我がクラスでも一番尖っているいじめっ子リーダーとその子分2人。

 この時点で、男子4人の立場は推定されるかもしれない。


 残り少ない男子相手に、重箱の隅をつつくように何らかの理由をつけて、いじめに勤しむ。

 分かっている限りでは、雲梯うなてと私が今のターゲットだ。


 雲梯うなては、おとなしく、何でも言うことを聞いてくれそうな感じがする男だ。

 女子3人が、いろいろと自分のするべきことを雲梯うなてにやらせようとした。

 ところが、彼女たちの予想に反して、その雲梯うなてに拒否されたのだ。

 至って普通の反応であり、当たり前のことなのだ。


 しかし女子3人は、わかりやすく激昂した。

 そして、手がつけられなくなった。

 その場にはちびっ子の先生もいた。

 体格で大きく勝るいじめっ子リーダーこと町田まちだを、先生は、精神的にも物理的にも止めることができなかった。


 その場面を見て、僕は先生に見切りをつけた。

 自分たちで何とかしないといけないと悟った。

 だから男子の立場がこれ以上底辺に落ちないようにするため、雲梯うなてを庇ったのだ。

 そこから、陰湿ないじめを、彼女たちにとって都合の悪い私も受けるようになった。


 僕たちの立場からすれば、先生は全く役に立たなかったのだ。

 正義感の強いいい先生なのだ。

 如何せん、体が小さ過ぎて、物理的に排除されてしまう。

 つまり、残念なことに、生徒を守る能力のある先生ではないということだ。


 女子は、そのことを十分理解して、かつ利用した。

 汚いやり口だ。


 その繰り返しによって、先生は挫折し、諦めたように見える。

 その心の移り変わりは、神ならぬ我が身には、図りようもない。

 できればそんな女子たちと関わり合いになりたくないし、関わる意味もない。

 私はそれゆえに、無視を決め込んでいたのだが。


 いじめはストーカーのように執拗で。

 女子3人とも、私に惚れているのではないだろうかと勘違いするほど、粘着質で。

 正直な感想を言えば、嫌だと言うよりも気持ちが悪かった。


「ちょ、そんなストーカーまがいに付き纏わないでください。正直、気持ち悪いです。」


 その気持ちを、素直に伝えたところ、リーダー町田は、いきなり大声で泣き出してしまった。

 まさか、自分たちの方が気持ち悪いと言われるとは思っていなかったらしい。

 彼女たちの方は、1日に10回以上は、「キモい」と言ってくるのにだ。


「女子に、気持ち悪いとか、傷つくようなこと、平気でよく言えるね? 頭おかしいよね。ちゃんと謝りなさいよ! ほら、服を脱いで、正座して、頭を地面に擦り付けて!!!」


 そして、言い渡される不思議な強要。

 もちろんもう、従うつもりもないので、さっさとその場を後にした。

 後ろからは、たくさんの罵詈雑言が追いかけてくるが、無視だ! 無視!



 その後、部屋に戻ると、あまりに頭にきたので、同部屋の雲梯うなてさんに、協力を求めてしまった。

 この流れをどうにか変化させたいと願って。


雲梯うなてさん。彼女たちを何とかする方法を考えましょう。このままでは、早晩、私たちは殺されてしまいかねません。彼女たちは、それなりに強い技能スキルを持っているのですから。」

「うん。そうだね。でも、こわいよ。逆らったらまた、ひどい目に遭うよ?」

「そのひどい目が、もしかすると殺人になるかもしれません。そうなる前になんとかしましょう。あちらは3人しかいないんですよ? こっちだって2人。そう分の悪い勝負じゃないはずです。」

「でも、3人とも、ガタイがいいし。」

「それなんですよね。問題は。」


 その流れのまま、二人で作戦会議を始めた。

 この部屋は、私たちが寝室として使用している4人部屋だ。

 今は、メンバーが減っているので、2人で使用している。

 ちなみに男子は、あと2人いる。


 残念なことに、その二人とは、あまり親しくない。

 性格が合わないとか、そういうことではなく、そもそもあまり話をしたことがない。

 勇気を出して、ちょっと話をしてみようと思う。

 もしかすると、味方になってくれるかもしれないから。


 そして、残りの男子部屋へと2人で勇気を出して乗り込んだ。

 いや、勇気がなかったので、乗り込めなかった。

 正確には、乗り込もうとしたら、扉が少し開いていたので、中を覗いてしまったのだ…。

 見なければよかった。


 この部屋の住人は、日向ひむかい三碓みつがらすの男子2人。

 日向が、床に仰向けにされて、楢原ならはらにマウントを取られていた。

 腰の上に座られて、サンドバッグ状態にされている。

 もう、頬が腫れてしまっていて、ずいぶん長いこと叩かれていることが見て取れた。


 三碓みつがらすにしても、町田に頭をぐりぐりされている。

 そう、惨劇は、ここでも行われていたのだ。

 いじめられていたのは結局、男子4人全員。


 おう、しっと。

 なんてことだ。

 どうすりゃいいんだよもう。

 なんとかしなきゃだよ。


 みんなで力を合わせれば、あいつらを何とかできないだろうか。

 そう、考えを巡らせて、自分たちの部屋に戻り、入念に扉の鍵をかけた。

 あと、心配だったので、ベッドと床の間に入り込んでそこで寝た。

 そのおかげもあってか、この日は何事もなく、無事に朝を迎えることができた。



<異世界召喚後63日目朝>

場所:サッシー王国王都

視点:吐田はんだ


 早朝4時。

 私と雲梯うなては、残りの男子2人を起こしに行った。

 二人とも、身体中にあざができていた。

 手早く簡易的に手当てをする。


 もう、我慢できない。


 この世界に正義はないのかと問いたい。

 そして、私たちが彼女たちにいじめられていることと、私たちが日向ひむかい三碓みつがらすの男子2人も同じようにいじめられていることを知っていることを伝えた。

 驚く日向ひむかい三碓みつがらす

 そして、今後は、男子4人で団体行動をして、付け入る隙を与えないことを誓った。


 反撃開始だ。


 まず、雲梯うなて技能スキルを使うことを伝えた。

 今まで完全に秘密にしており、誰も知らない魔法だ。

 彼の恩寵は「パティエンス」。

 防御特化の魔法と技能を使うことができる。


 まず、私たち男子4人をパーティーに設定した。

 魔法を使うにあたって、味方全員を指定することができるからだ。

 女子からのイジメに対抗するためにチョイスした魔法は2つ。

 それは、物理抵抗アップの魔法と、物理攻撃反射の魔法。


 朝からその効果は覿面だった。


 4人でつるんでいるところに、いつも通り物理攻撃を仕掛けてくる町田。

 しかし、今日は、もう吹っ切れた雲梯うなてが、防御魔法を使っている。

 4人で活動しているので、誰の発動した魔法だか、相手からは判別できない。


 4人ともに物理抵抗がかなり上がっている。

 彼女たちのグーパンチも効かないし、グーパンチのダメージ自体も、殴った拳に反射された。

 痛そうな顔をする町田は、何が起こったのか理解できずに、不思議そうにしている。

 抵抗されたわけでも、反撃されたわけでもないのに、反撃されたような感じがしたからだ。


 ちょっと殴る場所が悪くて、殴った方が痛かっただけかなと、町田達は誤認していたようだ。

 少なくとも、いじめる立場上、男子に舐められるようなことはできない。

 とりあえず、場所を変えてもう一発来た。

 その前に、効果の切れた雲梯うなての反射スキルのかけ直しが間に合った。


 そして、再び拳にダメージが反射される。

 2連続だと、流石に痛かったらしい。

 そういう表情になっていた。

 作戦大成功だ。


 私たちは、女子を無視すると、食堂で朝食を4人で食べ、その足で修練場へと進んだ。

 稽古をすることで、少しでも経験値を稼ぎ、恩寵の新たなスキルを得ることが目標だ。


 これまでも、こうして経験値を稼いでいた。

 そこで、気がつかなければいいことに気がついてしまった。

 なぜ、女子に追いついていなかったのかについてだ。

 真面目に修練場に通っていた男子よりもいじめっ子女子の方が経験値を稼げていた点だ。


 気がつかなかっただけだが、分かってしまえばなんてことはない。

 僕らはいじめられると同時に、彼女たちの経験値稼ぎの相手までさせられていたのだ。

 いじめで、経験値が入るのは納得がいかないが、修練よりも実践的なことは間違いない。


 これは、気がついてしまうととても悔しい。

 なるほど、積極的にイジメに来るのは、そういう意図もあったのかと。

 ならば、極力経験値を与えないようにしようと、私たちは話し合って決めた。

 経験値を与えなければ、いずれはこちらの方が強くなる。


 ちなみに私の恩寵は、「ズー」。

 動物使役系の技能スキルが使える、テイマー系恩寵だ。

 なお、城に軟禁されている状態の僕には、かなり不利な恩寵だった。

 だって、城の中には、使役できる知能の高い動物、ほぼいないので。


 日向ひむかいは「レイ」という恩寵を授かっている。

 すごく強い攻撃系恩寵で、レーザーで魔法攻撃できる。

 ただし、有効射程がとても短く、クールタイムも長く、効果時間も短い。

 使い所の難しい恩寵だ。


 三碓は、「ダークナイト」という恩寵だ。

 夜だけ、超強力なバフ系魔法が使える。

 後、その名の通り、闇騎士系のスキルも使える。

 闇騎士系スキルっていうのが、さっぱりわからないが、本人はそう言っている。


 厨二病の匂いしかしない。

 説明してくれないのは、きっと、恥ずかしいからだろう。

 そんなこと、気にしなくてもいいのに。

 あとで、頑張って聞き出そうと、心に誓った。


 そうして私たちは、お互いのスキルも使いつつ、修練に励み経験値を稼いでいた。

 朝から効率の良い経験値稼ぎであるいじめ行為ができなかったこともあり、いじめっ子女子3人組が、わざわざ修練場まで足を運んでくださった。

 練習嫌いの彼女たちが、ここまで来るのは、かなりレアだ。

 つまり、経験値稼ぎをしていたということの信憑性が上がってしまった。


「あんたら、なに勝手にここ使ってんだよ? あたしらの許可もなしに!」


 随分な言いようだった。

 今まで、ほとんど使ったことも、それどころか来たこともなかったくせに。

 なるほど、いじめとはこう言うふうにやるのかと、4人とも腑に落ちた。

 しかし、気をつけなければならない。


 彼女たちは、私たちをいじめることによって、大量の経験値を稼いでいるのだ。

 つまり、私たちよりもはるかに経験値を溜め込み、レベルアップを果たしているのだ。

 抵抗したら、また、まるこげにされかねない。

 楢原ならはらの操る、炎系の恩寵がにくたらしい。


「そうだ。いいことを思いついた。修練場なんだから、私らと戦って、勝てたら使ってもいいよ。それにしようか? ま、今まで勝てた試しもないしね。」


 彼女たちがいろいろと、今まで通りの言葉を吐いてくる。

 通常運転だった。

 私たちは4人になったので、これを跳ね除けた。

 と言うよりも、素直に、修練場から立ち去った。


「え? おい? まだ話は終わってないんだよ! 帰るなよ!」


 そう。

 使うなと言い、帰れば帰ったで、帰るなと言う。

 なぜなら、いじめないと経験値を稼げないから。

 ターゲットに逃げられることこそ、彼女らにとって一番のダメージ。


「男のくせに情けねーな。」

「4人も集まっているのに、何もできませんのね。」


 後ろから、いろいろと言っていた。

 しかし、今となっては、経験値稼ぎのための残念なセリフにしか聞こえない。

 いっそのこと、哀れでしかない。

 それどころか、欲望丸出しのその言葉に、気持ち悪さすら感じていた。


 こうして、2〜3日、彼女たちのいじめを避け続けることができた。

 彼女たちも流石に我慢できなくなったのか、もしくは経験値稼ぎができなくなって不安になってきたのか、直接行動に出てきた。

 いや、まあ、今までだって直接行動ではあったのだけれども。


「今から、私たちが魔法の練習をします。あなたたちを的にしてあげますから、そこにお並びなさいな。」

「ほら早く服を脱いで並べよな? お前らでもそれくらいはできるだろ?」


 きれてもいいセリフであるが、僕たちは、修練場から立ち去った。

 ところが、彼女たちは、とうとうここで実力行使に出てきた。

 修練場の外に出た私たちに向かって、場外なことを気にせず、攻撃魔法を放ってきたのだ。

 私たちが、魔法攻撃反射魔法を使っていることも知らずに。


 ちょうど、攻撃魔法を跳ね返したタイミングで、修練場の扉を閉める。

 それなりに広い空間のはずの修練場内からは、女子3人の阿鼻叫喚の悲鳴が聞こえた。

 自業自得なのだが、ちょっと悪いことをしたなとも感じてしまっている。

 いじめられっ子根性が、身に染み込んでしまっているのだろうか。


 その日の午後、昼食も終わり男子4人で城の中庭にある広い芝地を歩いていた時だった。


「先程はよくもやってくれましたわね。今度こそ!!!」


 学習能力がないのか、楢原ならはらは、再び火炎系攻撃魔法を放ってきた。

 そして、魔法により反射することで、攻撃者が炎に包まれる。

 恨みがましい目で、僕たちは罵倒されながらにらまれるのだった。

 もちろん、そんな言葉に最後まで付き合うこともなく、さっさと立ち去ったのだが。


 そんな時だった。


「ま、魔王軍の攻撃だ!!!」


 以前から、城の外で兵士が何とか食い止めていた魔王軍だが、とうとう、城下町を突破して、ここ、王城までたどりついてしまったらしい。

 兵士たちは、思った以上にレベルが高く、魔王軍に対応できていた。

 そして、逆の立場からすれば、予想もしていない反撃を受ける魔王軍。

 魔王軍は王都を、なかなか攻略できないでいた。


 後一押しで勝てるとの思いから、魔王軍の司令官は何度も援軍と兵站の要請をしている。

 ところが、このところぴたりと援軍も兵站も来なくなってしまったようだ。

 王国軍はそのことから、魔王軍には何かのトラブルがあったことを察した。

 しかし魔王軍は、もう少しで王都を攻略できるのだからと、現地調達でなんとか凌ごうとがんばってくる。


 攻め込まれたサッシー王国も、周辺の王国軍に援軍要請をする。

 自国の首都が滅亡寸前なのに、なかなか応じてくれる領はなかった。

 むしろ、王都が陥落したら、分離独立を考えているきらいすらあった。


 僕たち4人も、戦うべき時が来ることを考え、城壁の上から、戦いの様子を見に行った。

 ショックを受けた。

 戦いそのものにではない。

 圧倒的な敵の数にだ。


 一見しただけで、王国軍がなぜ、これまで王都を守りきれているのかが理解できないような人数さだった。

 ちょっと見ただけで、プロ野球で使う球場の観客席を埋め尽くすくらいの数の魔王軍であった。

 人間と、魔王軍は、同じではないにしても、そう換算するならば、人間に換算して5〜6万人はいることになる。

 王国軍側は、多く見積もっても、5000人いたらいいなと思うくらいの人数。


 明らかに部が悪い。

 その割に、一進一退を繰り返し、兵士は疲弊しているものの、戦死者は最小限に抑えられ、魔物や魔族を少しずつ討伐できていた。

 指揮官がよほど有能なのだろう。

 まさにマジックとしか言いようがない。


 しかしそれも、焼石に水だ。

 いくら地道に討伐しても、敵の兵力が、圧倒的すぎる。

 どんなマジックで押さえつけているのか、解説して欲しいくらいだ。


「これは、経験値稼ぎのいい機会なのでは?」


 僕はそう、パーティーメンバーに問いかけた。


「そうだよ。だって、町田さんたち、一番前で戦っているし。かなり経験値を稼いでいると思うよ?」


 すごい戦いぶりを見せていた。


 いじめっこのボスである町田さんは、恩寵による氷雪系魔法で魔王軍の魔物を殺傷していた。

 鋭い氷の錐が、たくさんのモンスターを貫いていた。

 魔法が唱えられるたびに、魔王軍の一角に大きな空間ができるくらいに。

 その空間を王国軍は上手に利用して、魔物を討伐しまくっていた。


 町田さんの右腕となる楢原ならはらさんは、恩寵による火炎系魔法を放っていた。

 その炎は、魔物や魔族たちを焼き払い、頑張って消そうとしている魔族たちの努力虚しく、燃えカスになるまで、炎が消えることはなかった。

 その炎を恐れて、彼女の周りには魔物が近づいてこないスポットができる。

 そのスポットを、王国軍は上手に利用して、魔物を討伐しまくっていた。


 いじめっ子三人衆で、一番立場の弱い割ヶわりがやさんの恩寵は「クレバス」。

 この魔法がえげつなかった。

 大地が裂けるのだ。

 そして、ある程度の魔物がそこに落ちると、再び大地は元に戻る。


 つまり、大地に飲み込む系の魔法が使えるのである。

 クールタイムが長いので、連発はできないし、あまり意味はないが、彼女が魔法を使いそうな気配があると、魔王軍が彼女の前から消えるので、ブラフを混ぜつつ、魔王軍をいろいろと消耗させる作戦に出ているようだ。

 いじめっ子のいじわるな部分を、遺憾無く発揮して、魔王軍は順調に疲弊していっていた。


 圧倒的戦力さだけれども、彼女たちの経験値稼ぎによって、戦いはなんとか平衡を保っているようだった。

 勇者の力は、本当にすごいんだなと、肌感覚で感じることができた。

 つぎは、私たちが、あの攻撃を受ける立場になると感じると、もう、やるせない。


 このままでは、レベルや技能が離されていくだけだ。

 相談の結果、彼女たちに見えない場所で、僕たちも戦いに参加しようという話でまとまった。


 結果的に、彼女たちに見つかることもなく、順調な経験値稼ぎができていた。


 何のことはない。

 相手が人間でも、経験値が入ることはよく知っているのだから。

 油断していたところで、彼女たちに背後から、魔法で攻撃された。


 うずくまる4人。

 それに迫る、魔物の群れ。

 魔王軍の攻撃は、やはり、現代人たる私たちには、苛烈すぎた。


 そして、彼女たちの攻撃は、その上を行っていた。

 私たち4人は、そこで意識を手放してしまっていた。

彼らは、きちんと生き残れるのでしょうか。

魔王軍を、追い返すことができるのでしょうか。

次回、その戦いが。

それでは、がんばれれば、また。


訂正履歴

 人間に観山 → 人間に換算

 言っていた → 行っていた

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