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女神様! 御自分で御与えになられた恩寵なのですから、嘲笑するのをやめては頂けませんか?  作者: 日雇い魔法事務局
第10章 人類が滅んでも世界は終わらない
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第119節 仲間は多いにこしたことはない

少年漫画ではありませんが、味方勢力を強くするには、ライバルと戦って、分かりあい、味方にすればいいという流れがあります。

詳しくは、「銀○」で。

今回は、そんな話のオマージュというか、亜流というか。

それでは、どうぞ。

<異世界召喚後51日目朝>

場所:ヨーコー嬢王国レーベン領ソーン砦

視点:野中のなか


「野中、紹介したい人がいるんだ。」

「なんだ? ラストならやらんぞ?」

「違う。商人だ。大きな商店の商人だ。ここに来るまで助けてもらった。」

「猿渡の恩人か。よし、お礼を言っておかないとな。」


 そう言うと、猿渡に連れられて、砦の北側の平原に張られているいくつかのテントのうち、馬車的なものがあるものの中に入った。


「おや、サルワタリさんじゃないですか。そちらの方は?」

「以前言っていた、親友の野中だ。ここの責任者だ。」

「野中です。猿渡がお世話になったそうで。」

「いや、むしろ娘を救ってくれた英雄なんですよ。娘がベタ惚れでね。」

「よかったな猿渡。いい夫になれよ。」

「違うから。そう言うのじゃないから。相手は10歳だから。」

「なおのことよかったじゃないか。おめでとう。お幸せに。」


 低身長の猿渡は、自分よりも背丈の低い女子を嫁にしたいと豪語していた。

 愛と身長以外は求めないとも。

 でも、猿渡、150センチないからな。

 どうしても、ちっちゃい子しか守備範囲に入らなくなる。


 人は彼のような不憫な者を「ロリコン」と呼んで蔑むのだ。

 女子からは嫌がられ、気持ち悪がられ、嫌悪され、嘲笑され。

 だが、心理学の話では、逆なのだと言うのだ。

 ロリコンになったのは、女子からトラウマになるようないじめを受けた結果なのだと。


 だから、自分をいじめないような相手を求めてしまうと言うのだ。

 確かにそうなのかもしれない。

 でも、ちびっ子だって、結構ひどいこと言うものだぞ、猿渡。

 いや、まあ、彼の低身長は小さい頃からいじめの格好の的だったからな。


 だって、物理的に攻撃しやすいし、攻撃されにくいし。

 女子でも、簡単に叩いたりできるし。

 まあ、拗らせもする。

 よく助けたものだけどな。


 だから、ワンセットでいじめられていたけれど。

 そこはそれ、今や風紀委員の幼馴染が、正義感を振りかざして論破したり、先生に言ったり。

 だから、今日まで何とか自殺するほどまでエスカレートすることもなく生き延びることができた。

 まあ、伊藤さんには、結局のところ頭が上がらない。


 漫画原稿のモデルになるのだけは勘弁してほしいところだが。


 目の前で、シンシアと呼ばれるロリっ子と、楽しそうにいちゃついている猿渡。

 満更でもないんじゃないだろうか。

 まあ、いいカップルになってくれよ?


「ん。マスターの親友。呪われている。」

「なんだと?」

「『愛の束縛』の呪いをかけられている。早晩シンシアに落とされる。」


 ロッコが、猿渡にかけられていると言う呪いを看破した。

 なんかまあ、そんな感じがした。

 いくら猿渡でも、10歳児相手にあそこまでいちゃつかない。

 まあ、シンシアが率先して、猿渡をものにしようとしているのだから、どうしようもない。


「生暖かい目で見守っていこう。」

「ん。了解。」

「でも、あんな小さい子でも、そんな強力な呪いを使えるのか? すごい魔術師なのか?」

「ん。違う。あれは、使用MP0のお手軽な呪い。ただし、一生で1回しか使えない。シンシアは、勝負に出ている。」

「そういうものか。早熟なんだな、この世界は。」

「いい男をしっかり落とすのも、生きていく上で大切なこと。マスターも早く、ロッコの魅力に気がつくといい。」

「いや、それはさすがに気がついているつもりなんだが。有能だぞ?」

「そうじゃない。ロッコも、同じ呪いをマスターにかけてもいい。」

「いや、呪いとかはやめてくれよ。どのみち、レインにすぐ破棄されるだろうし。」

「ん。レイン様、まだ起きない。HPは全回復したのに。」


 レインは、まだ気絶したままのようだ。

 どんだけすんごい魔法なんだよ。

 まあ、悪魔を一体、消し去るくらいの魔法だからな。

 相当なものなんだろう。


 チートもここに極まれりと言うことか。


「野中、ちょっと話を聞いてほしい。」

「惚気話なら、やめてくれ。」

「そっちじゃない。キャラバンのことだ。」

「キャラバン?」

「そうだ。シンシアの父親、彼が商隊キャラバンの隊長をしている。そして今回、魔王軍の侵攻を考えて、こちら側に商隊ごと避難して来た。店は、マッカース公爵領の領都モベート市にあったんだが。」

「商売人は、情報が命。モベートは陥落するという情報があったので、こちらまで避難させていただきました。商人の情報網では、近傍ではヨーコー嬢王国が唯一、魔王軍から生き残るだろうと。他で何とかできる国は、そうですね、ガガも持ち堪えるだろうと。」


 そういう名前の国があるらしい。

 初耳だった。

 まあ、遠くなのなら、関係のないこと。

 しかし、商人の情報網に、国の情報が載っているのか。


 ヨーコー嬢王国も、有名になったものだな。


「嬢王国の中に、魔術師や、呪術師で、生命に関して詳しい方がいらしたら紹介していただきたいのです。私の妻が、死んでいて、生きているのです。」

「それは、言いにくいんだが、ゾンビ的な状態から、元に戻してほしいと言うことなのか?」

「いえいえ、そんな、女神様を冒涜するような禁忌を犯そうと言うのではありません。娘と同様に、大怪我をしていまして、娘は助かったのですが、妻は、助からなかったのです。」


 訳がわからない。

 助からなかったのなら、死んだと言うことだろう。

 ゾンビでもないなら、それは、宗教の方式に従って、ちゃんと葬儀を行うべきだ。


「野中、ちょっと。」


 袖を引っ張られた。


「なんだ、猿渡。」

「ここじゃ何だ。僕から説明したい。」

「何かやらかしたのか?」

「そうだよ! 悪いか?」

「尻拭いなら期待するなよ? 僕の恩寵はトレインだからな?」

「知ってるよ。あれだけ女神様に嘲笑されて連呼されればいやでも覚える。」


 そして、キャラバンのテントから離れて、林の中に入った。

 日の当たっていないところは、けっこう寒い。

 日が当たっていても、風が吹けば十分に寒いんだが。


「犯人は僕だ。許してくれ。」

「いや、それは、あの隊長に言うべきじゃ。」

「野中にだけ、話しておきたいことがある。親友なんだ、秘密は守ってほしい。」

「守るほどの秘密なのか?」

「おそらく、この世界の根幹に関わる。」

「どれ、話してみれ。」


 生唾を飲み込んだ猿渡が、小さな声で言い出した。


「職業安定署の話は以前したよな?」

「まあ、僕は職業、もらえないらしいけどな。」

「僕は、『研究者』という微妙な職業になったんだ。」

「ほほう。して、どうなりました?」

「大喜利じゃないから。研究者は、魔法使い系の職業なんだ。初級魔法をレベルアップのたびにランダムで一つだけ覚えていく。」

「すごいんじゃないか? クラスアップする頃には、20個も覚えているってことになるよな? 他の職業じゃ、せいぜい、5〜8くらいだろ?」

「そうなんだ。だが、一般的な研究者の使える魔法の数は、1〜2個と言われている。」

「20個も覚えるのに?」

「使いこなせないんだよ。覚えるのは、『光』とか『火』とかいう、抽象的な魔法で、魔法そのものをよく研究しないと、効果的な魔法が発動しないんだ。逆に言えば、研究してその魔法の構造をきちんと理解して使えば、何だってできるようになる。」

「なるほど。それで、研究者か。」


 難儀な職業だな。


「僕はレベル2で、『生物』の魔法をおぼえたんだ。で、それを隊長の奥さんと、娘のシンシアに使った。シンシアの方を先にな。」

「『生物』魔法で、命を救った? ということは、回復魔法なのか?」

「いや。『生物』魔法は、それ以上でもそれ以下でもなく『生物』魔法なんだ。生物について、理解して、魔法を理論構築さえできれば、何でもできる。」

「じゃあ、じゃあな? 親友として、助言なんだが。お前さんのあれだ、コンプレックス、その魔法で一発解決、するんじゃないのか?」


 睨まれた。

 まあ、そうだよな。

 気にしてるしな。


「一番最初に試した。ダメだった。この『生物』魔法は、自分に対しては使えない縛りがあるようだ。ないのかもしれないけれども、何か、安全装置のようなものがかかっていて、解除できなかった。」

「そりゃ、術者本人を改造してしまったら、魔法を使う媒体そのものが変化するから、魔法自体が発動しなくなるってことだろ? 自己改変は、難しいらしいぞ? 本で読んだ。」

「まあ、『生物』魔法をシンシアに使ったら、なんかジグソーパズルのイメージが見えてな? 1割くらいしか、ピースが埋まっていなくて。ポロポロはずれていっていた。」

「自分の中にイメージを構築したのな? ってことは、ピースがHPか何かか。」

「おそらく。ピースの数がHPに直結していると思う。そして、ちゃんと繋がっているかどうかが、体の問題、病気とか怪我とかに直結していると考えたんだ。」

「じゃあ、魔法で見えている間に、パズル勝負したと。」


 そこで、猿渡は、黙って頷いた。


「そうしたら、シンシアの傷が回復して、死なずに済んだんだ。で、母親も助けてくれって懇願されて、同じことをした。」

「なら、なんで母親は助からなかったんだ? 同じことを繰り返したのなら、同じ結果になるだろ?」

「シンシアを回復させた段階で、MPが空になった。だから、母親は後回しになった。そもそも、その段階で母親は死んでいたっぽいんだ。」

「死者は蘇生できない魔法だったのか?」

「わからない。少なくとも、HP0の母親のイメージは、ピース1つもない、ジグソーパズルの台紙だけが見えている状態だった。だから、試行錯誤の上で、パズルのピースを無理やり作って嵌めたんだ。」

「っ!!! それは、まずいんじゃないか? 主に女神教的に。」

「そうだった。また、MPが0になって倒れた。その上、ひたすら死神に殺されまくる夢を見させ続けられた。今でも夢に死神しか出てこない。」


 そりゃそうだろう。

 完全に、それは、蘇生魔法の範疇に入っている。

 ただ、それも成功はしていない様子。

 いや、成功はしているのかもしれない。


 レインと同じで、目を覚まさないだけで。


「パズルのピースの数が多くなれば、生き返るってことだろ?」

「おそらくは。僕の心が持てばね。毎晩死神に殺されまくっているからね。精神的にズタボロだよ。」

「何とかならないのか?」

「『光』魔法をレベル4で覚えてから、ずいぶん楽になった。死神は、光魔法が苦手みたいで、照明用の魔法『ライト』でも、唱えておけば近づいてこられないんだ。」

「じゃあ、夢の中では、魔法を使っていれば大丈夫と。」

「ところが、死神が、今度は仲間を連れて来てな? サキュバス的な。」

「おいおい。なんて羨ましい。」

「誘惑してくるんだよ。夢の中だから、誘惑に乗ったら、起きた時お漏らししていることになるだろ?」

「あー、そういうお漏らしか。それは、ちょっとな。」

「だから、抵抗しているんだ。誘惑して、集中力をそいで、魔法を止めさせようとしてくるんだ。事実、何度も魔法が途切れて、死神に殺されまくっている。」


 素晴らしいコンビネーションだな。

 そして、精神的に追い込むとは。

 何とも辛い体験だな。


「相棒のレインが倒れているんだ。」

「聞いている。」

「見てほしい。」

「言われると思って先に見た。異常なしだ。膨大なとんでもない広さのジグソーパズルだったが、全てハマっていた。少なくとも死ぬことはないだろう。」

「そうか。ありがとな。」

「親友が困っているんだ。気を遣ってそう言うことくらいするさ。まあ、ラストちゃんに懇願されたんだけどな。」

「そっちが本当なんだろ? 親友後付けだよな?」

「ち、違うし。そんなことないし。」


 絶対に親友は後付けだった。

 まあ、ラストの話を黙っていても、すぐに知ることになるから意味はないのか。

 隠し通せるのなら、そちらの方が良かったのにな。


「僕にはわからないけれども、重度のMP欠乏だと思う。さっきも言った通り、『生物』魔法で何度も体験したからね。HP満タンでも、ああなるんだ。」

「じゃあ、MPを回復させればいいのか。何か対策はできたのか?」

「ない。」

「ですよね。」

「でも、MPを回復する薬を、口移しで飲ませればいいんじゃないか? どうせ寝ているんだし。」

「サイズが、普通ならな? 身長40センチだぞ? むしろ、お前向きだよ。1メートルもないからな?」

「い、いや、レイン様はちょっと。」

「レインに何か文句でも?」

「いや、『レインには好きな人がいるので。』とあっさり断られた。」

「チャレンジャーだな、おい。……いつだよ?」


 視線を逸らして誤魔化そうとする猿渡。

 まあ、彼の考え、行動は予想できるし理解できる。

 納得はできないが。


「とりあえず、じゃあ、あれだ。MP回復薬的なものは持っているから、ちょっと試してみるよ。僕じゃ、サイズ的に無理だから、ラストに頼もう。」

「じゃ、じゃあ、ラストちゃんがレイン様にキスすると……。ぜひ、立ち合わせてください!」


 びしっと、右手を額に当てて敬礼してくる猿渡。

 させるわけないだろうに。


「乙女の秘密だ。そんなの見せんよ。」

「そこをなんとか。」

「ラストがいいなら、許可するが。」

「そんなのラストちゃんに言えないだろ? 変態だと思われる。」

「それな。ダウト。自分で分かっているんじゃないか。」


 変態猿渡は、小さな女の子同士がキスするところをどうしても見たいらしい。

 見せられないよ?


「と言う話を、猿渡から聞き齧った。言われてみれば確かにそうだ。MPを大量消費したから、ああなっているんだしな。そこでだ。ここに、例のどろっとした危ない回復薬がある。」

「ら、ラストに、何をさせるつもりだ?」

「決まっているだろう? レインを助けるんだ。」

「それは、わかる。回復薬を用意したと言うことは、そう言うことだ。しかし、なぜ、ラストが必要なんだ? あれか? エロか? 何かエロいことをするのか?」

「お前のなかで僕は、エロしかないのか?」

「むしろエロがマスターだ。」

「まあいい。最初は、僕が口に入れて、レインに口移しで飲ませようと思ったんだが。」

「な、なんて羨ましい。」

「そうだろう? だから、その羨ましい役目を、ラストに譲ろうと思ってな?」

「は?」

「だから、ラストにお願いしたい。」

「いや、意味ないだろ? そ、そりゃ、ラストだって、マスターのしたいことはわかるが。しかし、今はそんなことしている場合じゃないんだぞ?」


 ラストと、微妙に話が噛み合っていない感じがしてならない。

 どう言うことだろう。


「ちなみにラストさんや? ラストさんは、勘違いしていると思うのだが、今から何をするか理解できているかい?」

「ま、マスターが、ラストに、き、き、キスしたいんだろ? ちょっと屈んでくれ。身長差ってものがあってだな。」

「ラスト。それは、ラストのしたいこと、ラストの欲望であって、現実じゃない。今、レインを助けたいと言う話をしていたよな。そして、この回復薬を飲ませたいと。」

「あ、ああ。早くしてくれ。おかしくなりそうだ。」


 ラストは、もう、キスすることだけで頭がいっぱいで、話を聞いてくれていない。

 うっかり言われた通りに屈んでいたので、両肩をガシッと掴まれた。


「す、するぞ!」

「ラスト、目を開けて。」

「恥ずかしすぎる。無理!」

「いやいや、そうじゃない。そうじゃないんだ。」

「絶対に恥ずかしい。無理!」


 上着の首の後ろを引っ張られた。


「ん? マスター。死にたい?」


 振り返ると、無表情のロッコさんが仁王立ちされていた。


「え、えーっと。」


 そして、殺気を感じたラストは、部屋から脱兎のごとく、逃げ去っていた。


「ん? 何か言い訳、ある?」

「ありません。」


 結局、ロッコがレインに例のあやしい回復薬を飲ませてくれた。

 ロッコは、なかなか機嫌が良くならない。

 そして、ラストに至っては、顔を合わせるたびに赤面して、逃げ出す始末。

 もう、どうにでもな〜れ。


「おはようなのです。マスター。よく寝たのです。頭痛がするのです。二日酔いみたいなのですよ?」


 驚くほどあっさりと、レインは復活した。

 今までの心配を返してほしい。

 まあ、使った回復薬がおかしい性能なのが原因なんだろうけれども。

 しかし、同じ症状なら、キャラバンの隊長の奥さんにも効果があるんじゃないだろうか。


 そうして、ロッコに頼んで、奥さんにも例の怪しい回復薬を飲ませてみた。

 飲ませる前に、隊長が、薬を一発で言い当てた。

 おそるべし、商人の鑑定眼。

 

 何の変化もなく、諦めていたのだが、1時間後に目を覚ましたらしい。

 解せない。

 なぜなら、飲ませた段階では、呼吸も心拍もなかったのにだ。

 試しに確認したが、ちゃんと呼吸も脈もあった。


 人妻だから、心拍といっても、胸、触ったりしていませんよ。

 念のため。

 NTRは趣味じゃないので。

 本当だよ?


「野中。ありがとう。」

「お礼を言われるようなことじゃない。それと、おかしい。死人は、MP回復しないだろ? あの薬でも、流石に死者蘇生はできないからな? 猿渡の魔法が効いたと言うのが本当のところだろ?」

「それでも、あの薬ですぐに治った。魔法をかけたら、パズルも半分以上埋まっていたし、実際HPも半分以上回復していた。ちょっと、体をうまく動かせないみたいだけど、リハビリすればなんとかなるだろ?」

「あー。死後硬直してたからな。」


 こうして、レインは復活し、隊長の奥さんも、リハビリが必要ではあるが、生き返った。

 恐るべし、ドライアド族ニースのお薬。

 隊長に言わせれば、「エリクサー」らしいけどな。


「ノナカ様。ありがとうございました。妻は、妻は。」


 男泣きしていた。

 まあそうだろう。

 人が生き返るとか普通ないからな。

 僕が生き返らせた訳じゃないし、お薬もそこまでの効果はない。


 メインで活躍したのは猿渡なのだが。

 いいところだけ、持っていってしまった感が半端ない。


「気にしなくていいですよ? あと、これから、たくさん働いていただきますから。我が国では、真面目な商人は優遇しますよ? コソナ港とかで、大口の取引もできますし。」

「な、なんですと? コソナ港まで嬢王国なのですか?」

「そうです。商人として、存分に活躍してください。」

「経済を回して、この国を必ずや、経済大国にして見せましょう! この身にかえても!」


 いや、ちょっと重い。

 自分の欲望に忠実に、しっかり稼いでくれればそれでいいのに。


 こうして、我が国は、大商人を迎え入れることに成功していた。

 この時はまだ、そのことに気がついていなかったのは言うまでもない。

PVがいつの間にか9万を超えていました。

皆様ありがとうございます。

今後も精進していきたいと思います。

さて、魔王軍の侵攻も結構スピードアップしてきており、このままだと、主人公の勢力もやられかねません。

だから、味方に強い仲間を増やす必要があるのですが。

どうしたものでしょうか。

それでは、がんばれれば、また。

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