第88節 反撃のウルフ
だいぶ遅れましたが、投稿します。
反撃のウルフ。
まさにそのままのおはなしです。
めずらしくひねりもありません。
それでは、どうぞ。
<異世界召喚後36日目未明>
場所:ヨーコー嬢王国コソナ領オールドコソナの町
視点:野中
天から流れ星のような光る何かが、猛スピードで落ちて来る。
僕に向かって。
攻撃魔法か?
腕を頭の上で十字に組んで、身をかがめた。
着弾しない。
「マスター? 面白い格好なのです? それはなんの祈りですか?」
「違うし! 攻撃魔法だと思ったし! 今頃粉微塵になってたと思っていたし!」
「大丈夫なのですよ? マスターのことはレインが! このレインが全力で守るのです!」
服もボロボロで所々黒く炭化していたりするレインの制服的な衣装。
身体中傷だらけ。
ボロボロの紺色プリーツスカートからは、白いパンツがチラチラ見えている。
「レインの方が重傷に見えるのだが。」
「大丈夫なのです。体は、このドライアド特製『怪しい汁』で全回復なのです。マスターも飲むのですか?」
「いや、いい。」
そのドロっとした青汁じみた何かは、ネーミング通り、怪しい汁加減全開だった。
まさに、名は体を表すというにふさわしい、液体。
そして、認めたくはないが、目の前でレインの傷が回復していく。
「上から、エレメント属が帰ってきた感じがしたのです。これで、ミスト種もカメ鶴も放置で問題ないのです。地上軍の反撃をするのですよ!」
そう言っている側から、ラストとロッコに「BAN」と和紙に黒い墨汁で書かれた、これは草書体でかなり達筆なので、解読しにくいものではあるけれども、札束状にしてある、いわゆる「BANのお札」を渡した。
「ファイアーエレメントの皆さんは、お空に上がって、ミスト種の魔物とカメ鶴を燃やし尽くして欲しいのです。カメ鶴の肉は、もう十分集まったので、あとは撃滅してオッケーなのですよ!」
「いいのだな?」
「よいのです! あとで、激しいダンス似合う音楽を用意するのです!」
「なに? 本当か? それは。」
「いろいろあるのですよ? ノナカのいた世界には、楽隊がいなくても音楽が聴ける機械があるのです。大音量で好きなときに何回でも聞くことができるのですよ?」
「皆、聞いたな! 俺は行くぞ。お前らも行くだろう!」
「当たり前だ! なんだその特典。レイン様、嘘はいけませんからね。期待していますよ?」
「良い勝利を! なのです!」
レインに言われて、今まで500前後の魔王軍混成団を相手にしていたファイアーエレメント5人集は、空へと旅立った。
「しゃちょうさん。大きないのししのとうばつ、おわった。あし400ほん、きってきたよ?」
「お前ら、いい仕事するじゃねぇか。カタリナ様の次に役に立っているぞ?」
僕が返事をする前に、呪いの鎖帷子と化している、シルバースライム仲間のカタリナが返事をしていた。
シルバースライム3人集は、砂浜でダウンしていた大イノシシを行動不能にしてきたのだ。
確かに、命を取るほどではない。
足を切ってしまえば、いくら体が大きくて凶暴なイノシシであっても、ただの肉の塊だ。
ウルフ達にとってそれは、ただの食料にしか見えていないことだろう。
「おお、ありがとう。これで、残り500弱だ。一つ、君らに頼みたいことがある。悪魔の足止めに行けるか?」
「おっけー、しゃちょうさん。あくまのまほうは、ぼくらにはきかないから、あいしょうばっちりだよ。」
「しばらく頼んだ。くれぐれも空間転移で逃げられるほどに追い詰めるなよ?」
「おっけー、しゃちょうさん。」
シルバースライム3人集は、手近な大イノシシや魔族の足を切り裂きつつ、悪魔の前まで地面を滑るように這っていき、臆することなく悪魔3体の膝から下を切断しやがった。
だから、追い詰めるなとあれほど。
魔族は、残り300。
流石に学習しているのか、レインから逃げ回って距離を取る。
BAN魔法対策だ。
鬼ごっこよろしく、タッチすることが発動の条件の一つになっている。
なら、触らせなければいい。
問題は、レインの体が極端に小さいので、その猛スピードと相まって、気がつくとタッチされてしまっていること。
だから、どうしても魔族達は散り散りになって距離をとりあう。
仲間の巻き添えを食わないように。
仲間を巻き添えにしないように。
しかし、ここに、この現場にいる魔族達に対して、想定外の事態が起こっていた。
「BAN」魔法、レイン以外も使って来る反則的問題。
最初は悪魔達も舐めていた、ラストとロッコ。
あからさまに子供体型で、方やちびっ子騎士、方やちびっ子工兵。
侮られる要素しかない。
そうして、侮った代償に、その命をとられていった。
ラストとロッコは、レインからもらった「BANの札」の札束を引っ掴むと、手近な魔族達にひたすら、「BAN!」と叫びつつ、札を貼りまくっていった。
体のどこでもいいから、肌に貼り付けることで、効果を発揮する。
意味がわからないまま、かなりの数の魔族達が消滅させられていた。
この時点で100人。
現場の3割以上の魔族が、ラストとロッコによって「BAN」されていった。
今なお攻撃は続くが、流石にこれだけ消滅させられると、相手も馬鹿じゃないので傾向と対策を打ってくる。
簡単な対応だった。
空に飛び上がった。
なぜなら、ラストもロッコも空を飛べないから。
でも、これは、二人の作戦だった。
「BAN! なのです!」
意識が、ラストとロッコに向き、地上からMPを消費しつつも空に逃げると分かっているのなら、あらかじめそこにいるだけでいい。
自ら死地に飛び上がってきたところで、「BAN!」と無慈悲に魔法を放つレイン。
このアホみたいな作戦で、魔族は100人前後、消されていった。
魔族は残り100人。
魔族の7割が討伐されたとき、地面が大きくえぐられて、土が舞い、ボーリングワームの新手がきた。
ワーム達10体が、それぞれの作った穴から出てくる。
そして、宙を舞って口から着地すると、また、地面を掘り進んで土の中に消えていった。
ボーリングワームの穴からは、魔族が10人ずつ、合計100人の新手となって現れた。
淀みなく襲い来る、魔王軍の攻撃。
しかし、今回はやられるだけじゃなかった。
地面に顔を出して宙を舞ったその瞬間。
ウォーターエレメントと、アイスエレメントたちが、何かをその前に投げていた。
そして躊躇なく、食らいつくボーリングワーム。
また、地面の下に消えていった。
地面が大きく揺れた。
ズドン!
腹に響く地味だが大きな音が、地下で爆発があったことを知らせる。
その何かに食らいついたボーリングワーム達は、再び姿を表すことはなかった。
その何かとは。
先程空から降ってきた、カメ鶴の卵。
卵の中身が空気に触れると大爆発を起こす、迷惑な無精卵。
それを、食べさせてやったのだ。
もちろん、大爆発した。
さすがのボーリングワームも、爆死。
これに気を良くしたエレメント属は、空から降ってくるカメ鶴の卵をキャッチするや否や、ボーリングワームに餌として与えていた。
美味しそうに食べてしまう、ボーリングワーム。
そして、地面の下で、爆破されて散っていった。
ボーリングワームの穴から出てくる魔族は、普段なら悪夢でしかない。
しかし今は違う。
ラストとロッコの都合に合わせて、わざわざ地上にでてきてくれる魔族。
そうとしか映らない。
事実、ラストとロッコは、穴から地上に出てくる魔族を待ち構えて、お札を貼り、次々とBANしていく。
まさに、ご都合に合わせた攻撃。
せっかく応援に来たつもりが、一瞬で消し去られ、大局的には、大魔王と女神様の戦いのバランスを、女神様に傾けるのに加担する羽目になっている。
追加できたボーリングワームと魔族達は、あっけなく全滅した。
それどころか、元からいたボーリングワームも、カメ鶴が連続投下してくる爆弾卵のおかげで、次々と爆殺されていった。
なるほど、カメ鶴が生きていた方が攻略しやすい状況。
しかも、元手がいらない。
なんて、一石二鳥。
水系・氷系エレメント属の活躍により、ボーリングワーム達は、全滅し、カメ鶴の攻撃も無効にしていた。
現時点での敵勢力は、かなり少なくなっていた。
指揮官の悪魔が3体。
悪魔を補佐する魔族が100人。
大イノシシが、100頭。
カメ鶴とミスト種が、遥か上空に、それぞれ50。
合計253。
すでに、初めの頃と比べて、相手の戦力は半分以下。
戦闘で言えば圧倒的な勝利と言っても過言ではない。
でも、戦闘を指揮する悪魔3体には、焦りすらなかった。
そして、イノシシ頭の悪魔が召喚魔法を唱えた。
悪魔の前に、直径6メートルほどの魔法陣が発生する。
その中から、1頭ずつ、大イノシシが飛び出してきている。
5秒に1頭くらいの割合で、すぐにその数が増えていった。
ニヤつく悪魔達。
魔族達も余裕の表情。
いくら、大イノシシを倒しても無駄だと、そう伝えたいらしい。
こちらとしては、食糧難の冬に、肉を大量にくれてありがとうと言いたいくらいだ。
この悪魔達は、自分の相手をしている小さな小さなスライム3匹の強さをみくびっていた。
所詮はスライムと。
シルバースライムには、魔法が効かない。
だから、悪魔の放つ強力な攻撃魔法の数々の一切が、無効。
魔法を放つだけ無駄。
MPを無駄に消費しただけ。
それに気がつくのに、時間は必要なかった。
ただ、攻撃を止めるだけ。
別に、こんな小さなスライム、攻撃するに値しない。
自分たちはどうして、こんな小さなスライムを警戒していたのだろうか。
部下達が、こいつらを優先して倒して欲しいと言っていたのは何故なのだろうか。
ついぞ、わからずじまいだった。
そして、その実演が行われた。
魔法陣から飛び跳ねてこの地に降り「立つ」はずだった、大イノシシたち。
しかし、魔法陣の前に陣取ったシルバースライム達が、出てくるたびに一瞬で4つの足を鋭い刃物となって刈り取り、魔法陣の前に、肉の山を築いていた。
魔法陣を維持する魔法に集中していたイノシシ頭の悪魔は、その事態にしばらく気がつくことなく、ちょいちょいレインが空間魔法でそのイノシシ肉を美味しく収納していても、反応しなかった。
残りの悪魔2体は、その、あまりにも残念な光景に、流石に切れた。
せっかく、無限に大イノシシを発生させ続けていたその悪魔をどついて、召喚魔法を無理やり停止させた。
しかし、これがいけなかった。
悪魔が使うほどの大魔術。
そこから発生した大魔法陣。
どついた悪魔が、その魔法陣の一端に触れてしまい。
悪魔の1体が、魔法陣に吸い込まれて消滅してしまった。
厳密には、その大イノシシがいる世界に、無理矢理転移させられてしまっていた。
実際に、発生し続けている大イノシシのいる世界は、この世界基準でも異世界。
つまり、悪魔の1体は、異世界転移させられてしまっていた。
悪いことに、どつかれたショックで、その魔法陣も霧散する。
こうして、異世界との繋がりを絶たれた悪魔1体は、2度とこの世界に戻ることのできないことになってしまった。
ただ、そんなことになっているとは、僕たちには分かるはずもない。
仲間割れか何かで、どついた悪魔がどつかれた悪魔に、なんらかの魔法をかけられて消し去られたようにしか見えなかった。
上空では、ファイアーエレメントが、猛威を奮っていた。
ミスト種にとって、ファイアーエレメントはまさに天敵。
その、無駄に高い高温で存在そのものを焼き払われていった。
見ているものには何が起こっているのか理解しにくかったが、同じような存在であるファイアーエレメントにとって、それは容易く消滅させられる相手だった。
守るミスト種がいなくなって、丸裸になり、どこにいるのかはっきりしてしまったカメ鶴達は、話が違うと慌てた。
なにしろ、今度はきちんと目隠しと防御とコントロールをミスト種がカバーするから、協力してくれと拝み倒されて、重い腰をあげたのだから。
守ってくれる約束があったからこそ、貴重な卵を、爆弾代わりに投下しているのだから。
よく考えて欲しい。
この戦いで、カメ鶴が得るものはほとんどない。
故に、ミスト種たちが守ってくれないのなら契約違反だと、逃げ出し始めるカメ鶴達。
ファイアーエレメント5体は、残りのカメ鶴50羽を、逃すようなことはしなかった。
赦しはしなかった。
なにしろ、せっかく自分たちを国民として認めてくれて、対等に扱ってくれた歴史上稀に見る好待遇の国を、破壊し尽くしているのだ。
恨みを買わないわけがない。
カメ鶴達は、そこを理解できていなかった。
そして、1羽、また1羽と、焼き鳥では許されず、炭となって、粉々になり、灰となって、高い、とても高い空の上で、文字通り散っていった。
カメ鶴の全滅だった。
ファイアーエレメントがしばらくして地上に戻ると、仲のとても悪い、ほとんど話をすることもない、ウォーターエレメントやアイスエレメント達に、カメ鶴討伐完了の報を伝えた。
流石に仲の悪いエレメント族。
すでにボーリングワームは全滅してしまい、投げる相手のいなくなったカメ鶴の爆弾卵を、躊躇なく、ファイアーエレメントに投げつけた。
あろうことが「しねぇ!」とか、叫びながら。
そして、当たり前にファイアーエレメント達は、大爆発した。
仲間割れは、やめて欲しい。
大爆発とか、聞いていない。
敵味方双方がそれを思っていた。
ちなみに敵方の魔族50人と大イノシシ70頭ほどが、犠牲になった。
そして、信じられないことに、ファイアーエレメントは、七人に増えていた。
どういうことだよ?
「不思議な顔をしないでほしい。大量の火薬とかを吸収すると、たまに分裂する。私たちも、君たちと同じように増殖することもある。特に、火を消されて消滅しやすい我らファイアーエレメントは、常に増えては減り、増えては減りし続けているんだ。」
「なるほどな。」
「長い時を生きられるのは、ライトエレメントと、ああ、キタキタ。」
「われ、ダークエレメントのみ。」
目の前には、夜なので全く視認できない深淵の闇が存在していた。
おそらくこいつが、ダークエレメント。
声は、渋いおっさんだった。
前々から、呼び寄せていたらしいが、この国の存在をなかなか信じられなくて、様子を見ていたらしい。
あまりの荒唐無稽な国づくりに、我慢できなくなって、口を出しにきたというのが本音らしいが、僕たちには、そこまでの情報は入ってこなかった。
ただ、新しい仲間だよと、紹介された。
いや、こいつ、大魔王の側近だったりしないのか?
どう見ても悪魔より悪魔らしいんだが。
「我は、この世全ての闇。そして、闇はこの世全てを照らす世界の父である。」
そして、とんでもない厨二病患者だった。
ファイアーエレメントの解説では、いま、すんごいドヤ顔をしているらしい。
ちょっとついていけない。
でも、アイスエレメントやウォーターエレメントには大好評だった。
その基準がわからない。
やはり、種族の違いが感性の違いに直結しているのだろう。
マインウルフ達が、最後に残った大イノシシを3匹で1体ずつ相手にして、時間はかかっても確実に1体ずつ討伐していった。
こんな、こんな夜中、戦争で破壊され尽くした廃墟のど真ん中に、ガーター町長がやってきた。
「社長。ご注文の品だ。魔道具職人達が、必死になって作った。2回分だけしかない。」
「効果の程は?」
「1回5分。範囲はその宝玉から半径5メートル以内。ちなみに、効果時間内は、その半径内にいる生き物は全て、範囲外に脱出不可能となる。」
「いいな。でも、お高いんでしょう?」
「出世払いだ。」
「わかった。マインウルフ達に守ってもらっとけ。」
彼がここまで来られたのは、ガーター町に駐留していたマインウルフが守ってくれたから。
彼が、ここにとどまれるのも、マインウルフ軍団が、彼を守っているから。
僕は、その魔道具の使い方を教わると、悪魔の方にダッシュで接近した。
魔法主体の悪魔とは言え、体の大きさが違う。
もし、腕力にものを言わせて攻撃されたら、ひとたまりもない。
それを承知で、2体の悪魔の間に入ると、魔道具を地面に置いた。
「ヴァ! ジュ! リュ!」
言われた通り、発音の面倒な3つの音を繋げた。
地面に紫色の煙を放ちながら、同じ色の光を放つ魔法陣が半径5メートルに展開した。
そして、魔道具を中心に、球体で紫色の半透明の魔法の膜のようなものが僕と悪魔2体を包んだ。
そして、その外側から、ありとあらゆる物理攻撃がぶっ込まれた。
シルバースライムの、体を何度も貫く槍攻撃。
ダークエレメントの、闇色の槍攻撃。
そして、ハイドエルフのユリによる、直接噛みつき攻撃。
いやいやいや。
最初の二つは、魔法陣の外から、影響ないことを確認しつつの遠距離物理攻撃だった。
ユリは、何も考えず、普通に攻撃してしまった。
ウルフなのだから、もうすこし考えて攻撃して欲しい。
しかし、これが引き金となって2体の悪魔は怒りに狂った。
そして、切り札となる自分たちの最強魔法を使おうとしていた。
恐ろしい量の魔力が集まっていくのが、素人の僕でもわかる。
そして、その魔力が集まり、どうやらこの不思議な球体を作った僕に、放つつもりらしかった。
僕は、町長を信じた。
この、魔法陣を信じた。
噛み付いて離さない、ユリを信じた。
そして、2体の悪魔から同時に魔法が放たれ。
放たれ?
そう、放たれた。
そして、その直後、魔法陣が光って魔力は霧散し、魔法自体が無効となった。
魔法を使えなくする魔法陣。
もちろん、ターゲットの魔法は転移魔法だ。
あの魔法さえ封じることができれば、とどめを刺すことができる。
それを知ってかしらずか、ユリは、悪魔の1体を離さなかった。
そして、その噛み付いている首をかみ切った。
大量の血が噴き出す。
続いて、もう一体の首にも噛みつき、かみ切った。
すぐに悪魔達は、自分たち用の回復魔法を唱えたが、もちろん発動することもなかった。
そして、最終手段、転移魔法を唱えた。
目的通り、転移魔法も発動しなかった。
ガーターの魔道具職人は、どんだけすごい仕事しているんだよと、感動した。
だが、悪魔達はさすが悪魔だった。
転移魔法を封じ込めた魔法玉を地面に叩きつけた。
叩きつけられた地面から煙が立ち上がる。
道具は無効にできない。
ああ、あと1歩、あと1手足りなかったか。
そして、魔法が発動して煙が消えた後には、悪魔の死体が2体、転がっていた。
なぜ?
「レイン様に言われた仕事、完璧にこなした。」
「良い子達なのです。流石なのです!」
え?
どういうこと?
この国を襲ってきた魔王軍は、とにかく全滅させることができた。
親玉を含めて。
シルバースライムとレインがガッチリ握手しているのが気になる。
どんな小狡い手を使ったのか。
僕の感動を返して欲しい。
こうして、瓦礫だらけとなったオールドコソナの夜はふけていくのだった。
マインウルフたちとハイドウルフのユリが、真夜中にも関わらず、ひたすら遠吠えをし続けていた。
物悲しい遠吠えだった。
ブックマークありがとうございました。
投稿が遅くなり、申し訳ございませんでした。
その分、いつもより長めです。
これでも、多少削ってのことです。
権利関係、よく考えないと危ないですからね。
魔王軍ってなんなのだろうかと。
彼らに台詞をほとんど与えていないので、考える足掛かりもあまりありませんが。
もうそろそろ、そのあたりに切り込んでいきたいと思います。
それでは、今日のようなことがなければ、明日こそ12時すぎに。
訂正履歴
重症 → 重傷
ドライアド特性 → ドライアド特製
悪魔さん隊 → 悪魔3体
現状 → 現場
そのかずが増えていた。 → その数が増えていった。
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