第6話
「召喚者の話しは聞いたことあるけど、それって本当にもとの世界に帰してるのかしら?」
「おん?どういうことだよ?」
シュウさんの言葉に心の中で同意する。
なんだかキナ臭いはなしかもしれない。
「国や魔王と戦って勝ったようや人間がなんのリスクもなく帰してもらえるなんて思えないなってね。」
「…あー、そりゃ人類最強と言える人をみすみす帰してしまうのかって言われたら、帰さねぇな。」
うーむ。
国内最強の兵器を手放すことはないってことか。
もとの世界に帰したり、他の国に行かれてしまうよりは、って考える奴がいてもおかしくないか。
「そう…ね。召喚者さんって言うとスキルやステータスの恩恵があるらしいし、問題が解決した後すぐにお家に帰して上げるっていうのはない…か。」
「ありえないわね。」
スキルやステータスがでてきたぞ。
転移者の俺も何か持っているかもしれない…!
「…ステータスオープン……。」
………。
…………。
なにも起こらない。
ハズッ!
「どうした?何か言ったか?」
「あー、いえ、転移者の自分も何かスキルやステータスがあるのではと考えたのですが、特に何も起こらなくて。」
うぅ。説明すると尚更恥ずかしい…。
大きな声で叫ばなくてよかった。
「そういうものなのか?鍛えていれば身に付いていくもんだと思ってたわ。」
そうか。こっちの世界の人より成長しやすい類いなのかもしれない。
ステータスっていうくらいだからレベルアップ制なのかもしれんし。
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「ま!そんなもんかな。今教えてやれる事は。」
「いやいや、助かりました。少し不穏な話しもありましたが、家に帰れる可能性が0ではないってことが分かれば希望がわきます!」
「いいってことよ。そうだ!ついでだし一緒に俺たちが目指していた街まで行くか?いいよな。お前ら。」
願ってもない言葉だ!
ライラックさん1人で決めてしまいそうだが他の人は問題ないのだろうか。
「そのつもりだったわよ。」
「いいんですか!ありがとうございます!」
「ただし!時間も取られちゃったんだから夜営の準備はもちろん、夜の見張り何かもやってもらうからね。」
マヤさんは少し怖い話し方だけど、根はいい人なのだろう。
ツンデレのデレ抜きって感じか?
……初対面の人にツンデレな人だぁって感想の抱き方は思っていたよりもキモい考え方だったな。反省。
「もちろんです!でも、夜番って言うんですか?経験がないのですが。」
「1人で番させるわけないでしょ!あたしは信用してないんだから。寝込みを襲われたらたまったものじゃないわ!」
「そうだなぁ。中番に入ってもらうか。今日の担当は俺だから眠くなったら言ってくれ。叩き起こしてやるから!」
ライラックさんはカラカラと気持ち良さそうに笑った。
「まぁ、安心してくれ。馬車に乗って街まで5日のところだ大した魔物も出てこないよ。」
……。これがフラグってやつか。とても不安だ。
次回はやっとのことタイトル回収できそうです。
長かったですね。物理的に。