帯刀
蓮が気がつくと木々が切り倒され月明かりに照らされた山の中で倒れていた。
周りには藤二郎とうじろうの他に菊花きっかと藤一郎とういちろうも応援に駆けつけていた。
「おい蓮! しっかりしろ!」
藤一郎とういちろうが蓮の肩を掴んでやらす。
「蓮くん!」
「ここは......」
「よかったぁ!」
蓮が上半身を起こすと菊花きっかが抱きしめた。
「俺が死体を燃やしてから戻ってきたら、意識を失ってたぞ。」
藤二郎とうじろうが淡々と言う。
「そっか...」
「ん? 蓮の鬼人刀.....」
「え.....」
蓮は自分の腰に差してある刀を見ると菊一文字があり、鬼人刀が無くなっていた。
「その刀.....」
藤二郎が蓮を見つめて首を傾げていた。
「そんな事よりどこか悪いのか?」
藤一郎が心配そうに蓮の顔を覗き込みながら言う。
蓮は誤魔化す様に笑顔を見せて、
「いえ、もう大丈夫です!」
そう言っている蓮を見て、菊花きっかと藤一郎とういちろうは少し心配そうな顔をしている。
「何があったんだ? お前ついさっきとは桁外れに魔力がでかくなってるぞ?」
蓮は自分の手のひらを見つめて少し驚いた顔をした。
「確かに魔力と力が漲るのを感じる。」
「お前、今日はもう小屋で休め!」
藤一郎が蓮の頭を無造作に撫でながら言った。
「いえ、俺はまだ全然......」
「今日はもう休みなって!」
菊花きっかが蓮の言葉を遮り、心配そうな顔をして声を荒げる。
「分かりました。」
「まぁとりあえずなんとかなったと言う事で、俺はこのまま巡回するから3人は先に小屋に戻っとけ。」
「藤一郎、1人で大丈夫?」
「ああ、そう心配すんなって菊花きっか。2人を任せたぜ! 」
「分かったわ。」
蓮は立ち上がり、握っていた刀を腰に差した。
藤一郎は『鬼火』で照らしながら山の奥へ歩いて行った。
そして3人は山道に戻り、元来た道を辿っていった。




