プロローグ
はい、予約投稿出来てませんでしたごめんなさい
10年後
俺、ミトスは数えて18になった
ヒトという種に対する嫌悪感は残ったままだがそれは俺の幼少の頃という限定的な視点から生まれた感情である
もっとヒトの多くを見るべきだと考えた俺は森を出て外の世界を回ることにした、
したのだが...
「お゛に゛い゛さ゛ま゛ぁ、、、、」
出発する時になって俺は森を出る決心が揺らぎそうになりながら泣きじゃくる妹を宥めていた
「い゛か゛な゛い゛て゛く゛た゛さ゛い゛ぃ」
整った顔をくしゃくしゃにしながら外套の裾を掴んで話さない妹、ミラクの頭を撫でながらもう何度目かわからない出立の理由を説明する
「ミラ、何度も言うように兄さんは世界を見て回りたいんだ。ミラもみんなも大きくなった、もう兄さんがいなくても大丈夫だろ?ミラも納得してくれじゃないか」
「でも......それでも嫌です!兄さまがいないと私は!私は!」
「はいはいミラ、そこまで」
と、流石に見かねたのか助け船を出してくれたのがミラの親友でもあるキリクだ
ミラが銀髪に対しキリは金髪、額には角がある。2人とも、と言うよりこの森に住むもので俺以外に人間はいない。4種の亜人達と生態系の頂点に位置する竜族がおり、ミラもキリも竜族だ
「兄さんも困ってるわよ。寂しいのはみんな一緒なんだから、わがまま言わないの」
「キリ...でも...」
「兄さんならすぐに帰ってきてくれるわよ。ヒトを見限るのにそこまで時間はいらないわ」
「うぅ」
「だから今は笑って送ってあげましょ...ね?」
「...うん」
「ということで兄さん、ミラや私達のためにもなるべく早く帰ってきてね」
そう言って笑うキリの目元も赤い
「ああ、分かったよ」
泣きはらした目で頑張って笑顔を作るミラと泣くのを抑えて笑顔を保つキリ、そして後ろで涙を浮かべる大勢の仲間達に感謝し、
「じゃあ母さん、俺、行くよ」
「...」
早く行けと言わんばかりに睨む母さんに手を振りながら俺は森を出た
目指すは最果ての街、ホライゾンである
「兄さん、行っちゃったね」
「...もう我慢しなくていい...?」
「うん...もう兄さんには見えないよ」
「そっか...ふぐっ...うぇ...ぇぇえ」
「くぅっ...うっうっう」
2人の涙につられてあちこちで同じような声が上がる
母と呼ばれた竜はそんな彼らを一瞥して、そんな姿に感化されている自分に気がつく
「...」
そしてゆっくりと彼らに背を向け、竜界へと戻るのだった
お読み下さりありがとうございます
解説回のようなものを次は投稿致しますのでぜひご覧ください