タナハタ共通①
「お兄ちゃんお兄ちゃん!!今日は七月七日だねー七夕だね!!」
産まれてくるときに、星になった双子の兄の写真に話しかける。
私は七川八多子今日は17才の誕生日。
七夕と誕生日が同時に来るなんてホント最高。
「素敵な出会いがありますように」
「おはよー!」
クラスメイトで同じ部の竜彦くん、織くん、蝶太郎くんに手を降る。
「はよーそれよりおれたち今日誕生日なんだ!」
チョウタロウくんがニコニコしている。
「え!?私もだよ」
なんと、まさかのみんな同じ、七夕が誕生日。
「すごい運命的、だよね、僕達結婚しよ?」
タツヒコくんが私の手をとって、見つめてくる。
「ごめん。いや。」
付き合う気もないのに、期待を持たせたらいけない。
こういうのははっきり断らないと。
「えーなんでー?」
軽くがっかり、といった感じだ。
「ほら、みんな廊下からタツヒコくんを見てるからさあ…」
“なにあのこ”“タツヒコくんに近づくな”という雰囲気がこちらへただよう。
うらめしそうな視線がバリバリで痛い、めちゃくちゃ睨まれてる。
「シキくんおはよう」
「…うん。もう放課後?」
眠そうに目をこする。
ちなみにこの部活、裁縫、編み物、刺繍など、家庭科を自由にやれる。
シキくんが手縫いパッチワーク、タツヒコくんが刺繍で綺麗なハンカチを、チョウタロウくんが編み物で兄弟にセーターや縫いぐるみを作る。
私はヒマそうだからこの部にしただけなので、もっぱらミシン縫いだ。
部活の時間もおわり学校をでる。
校門の前に不思議な人がいた。
話しかけちゃいけない雰囲気をしている。
私は前を素通りして、そのまま帰路へついた。