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一話 終わってしまった日常

「…またか。」

石田 影色(いしだ かげいろ)は今日も目覚めが悪かった。理由は寝ているときに見た夢だ。昔っから事あるごとく死ぬ夢を見てしまう。しかも内容がさっき見た夢のように火だるまになったり、または薬でジワジワ殺されたり、はたまた死なない程度の拷問をひたすら受けた後で殺されたりと、非常にタチが悪い。挙句の果てに今まで見てきた夢を忘れる事が出来ないのだ。まるで()()のように。

その結果ストレスが溜まっていき、彼の髪は白くなったのだ。

高校に入ってからは周りのほとんどは知らない人ばかりで自分に距離を置いている者が多数だ。今日から二学期なのに、(休むか…。)などと考えてしまっている。しかし、金を払っている両親のことを考えるとそうもいかない。

コンコン。

急にドアがなる。

「影色〜、朝ごはんよ〜。」

「いまいく。」

母さんが呼びに来たようだ。

影色は一階に降り、食事につく。

「おはよう影色!」

「…おはよう」

声を掛けてきたのは父さんだ。

「おいおい、お前はいつも朝は暗いな。」

「…父さんが明るいだけだろ。」

父さんこと大輔(だいすけ)が言ってるこも正しいだろう。影色はいつもあんな夢を見ているのだから。しかし大輔が無駄に明るいのも事実だ。

「そういえば今日から二学期か。早く彼女でもつくって高校生活を楽しめよ!」

大輔はニタニタしながら言う。それに対して影色は…

「…別に彼女がいないと楽しめないわけでもないし、そもそもオレにはそう言うのは無縁だから、期待しても無駄だよ。」

…実に冷めていた。

「…」

大輔は呆れてものも言えなかった。年頃の男ならそういうのに憧れるものだが、影色のこの反応を見て将来が不安になってくる。

「はいはい。早く食べないと遅刻しますよ〜。」

そう言ったのは、母さんこと恭子(きょうこ)だ。大輔と恭子、それぞれを一言で表すなら、大輔は元気、恭子はふわふわと言ったところだ。二人は恭子に言われた通りに急いで食べた。

「そんじゃ行ってきます。」

「いってらっしゃ〜い。」

影色は家を飛び出した。今日から二学期ということもあり、準備に時間が掛かってしまったのだ。

(…?)

影色はふと気がついた。

(この辺、こんなに人気が無かったか?)

そう、さっきから走っているが誰一人として合わない。

そのことを疑問に思いながらも学校に向かう。

すぐそこにある十字路を右折する。するとそこには…

ザシュッ

()()を刀で切り裂いた少女がいた。

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