暗黒時代・設定資料集
エルフ・インフレーション 設定集第一章。
エルフ。
虐げられる者、奴隷。数え方一人、地方によっては一匹。濃い緑色の皮膚と漆黒の髪、漆黒の虹彩、長細い耳が特徴。一週間飲まず食わずでも日光を浴びていれば働き続けられる。死骸処理、死者埋葬、糞尿処理、鉱山採掘、危険で過酷な労働を低賃金で強制的に押し付けられている。
地域によっては、さながらインドの不可触民のような扱いを受けている。人間よりも長寿な種族で、レベルや栄養状態にもよるが数百年を生きる。個体によっては千年近くを生きる場合もある。
世界の成り立ち『神話』
エルトシル帝国、ナラクト公国、トートス王国の教典に記されている歴史。創世記第一章より抜粋。
今から二千年前、神は巨大なテーブルを拵え、そこに大地を創造した。次に神は植物や動物を生み出し、人間を生み出した。
人間は始めこそ、動物や植物と謳い、喜びを分かち合い、神の教えに従って楽しく暮らしていたが。欲深く残酷な人間は、友人である筈の動物や植物達を食べてみたくなった。動物と植物を殺し、その血肉を食べた人間は言葉を忘れ、動植物に嫌われた。しかし、動物と植物を殺して作られた肉とパンは余りにも美味しく、神に咎められても人間は食事を止めようとはしなかった。
地上は、動物と植物の死骸で溢れ、人間の排泄物で汚されてしまう。
遂に激怒した神は、人間に生への苦しみと老いと死を与え、そして最も罪深い何人かの人間をエルフに変えた。
神は言う。深い業を背負った人間は、死ぬとエルフとなって生まれ変わる。エルフに成った者の業は、地上の汚れを生涯にわたって洗い清めていくことで贖われるだろう、と。
トリキュロス大平地の三国。
エルトシル帝国・大国。帝都ペンドラゴン。総人口五十万人、エルフ五万人。十五世紀程度の科学技術を有し、銃器を大量に保有している。トートス王国の北東に位置している。
ナラクト公国・中堅国。総人口三十万人、エルフ三万人。科学技術はトートスより上、エルトシルより下。トートス王国の南東に位置している。
トートス王国・弱小国。王都トートス。総人口二十万人、エルフ二万人。十二世紀程度の科学技術を有し、剣槍弓魔法で戦う。エルフに対して、三国で一番寛容な国。
解放歴。
解放歴である、以上。第一章終了時点で、解放歴二〇五五年。
魔結晶。
高レベルの魔物の体内から稀に発見される。紫や青など色の綺麗な物が有り、小さな物は宝飾品として加工され、大きな物は宝石貨に加工される。それ以外の用途は殆ど無い。
――と、されていたが。続々とその有用性が明らかになって行く。
褒章金。
小型の魔物は死体を、大型の魔物は頭を持ってくることによって報奨金が支払われる。また、ワイルドピッグの肉、ブラックベアーの毛皮や肉、ビックアントの甲殻、ドラゴンの鱗や翼や肉は、良い状態で持ち帰れば換金してもらえる。
ドラゴンを斃し、かつ骸全てを持ち帰ることが出来れば、素材買い取りを含め、一億ソル以上の報酬が約束される。
ソル。
通貨の単位。第一章の時点では、日本円で一ソル十円前後。
一ソル、銅貨一枚。百ソル、銀貨一枚。一万ソル、金貨一枚。百万ソル、宝石貨一枚。
冒険者ランク昇格条件と討伐モンスター褒賞金一覧。
Gランク Fへの昇格条件エルフ・金貨五枚と三カ月間の労働。人間・金貨一枚と百時間の基礎練習。
下水掃除時給六十ソル。街の清掃時給二十ソル。森林伐採時給四十ソル。死体処理時給二百ソル。
義務銀貨十枚。
Fランク Eへの昇格条件ゴブリン百匹討伐。トートスの森。
四、ゴブリン三百ソル。一、グミ十ソル。二、ウィスプ二十ソル。七、ワイルドピッグ百ソル。
義務銀貨五十枚。
Eランク Dへの昇格条件ブラックベアー一頭討伐。トートスの森深部
十三、ゴブリンソルジャー千五百ソル。十四、オーク三千ソル。五、スカルバード三百ソル。十、ワイト六百ソル。二十八、ブラックベアー五万ソル。
義務金貨一枚。
Dランク Cへの昇格条件オークキング一頭討伐。オークの城。
十四、オーク三千ソル。二十、オークソルジャー五千ソル。四十、オークキング五十万ソル。
義務金貨三枚。
Cランク Bへの昇格条件デーモン一頭討伐。悪魔の塔。
二、ウィスプ二十ソル。六十、デーモン百万ソル。
義務金貨八枚。
Bランク Aへの昇格条件ビックアントクイーン一匹討伐。ビックアントの洞窟。
十五、ビックアント五千ソル。三十、ビックアントソルジャー二万ソル。三、吸血コウモリ百ソル。四十、ビックアントエリート十万ソル。九十九、ビックアントクイーン五百万ソル。
義務金貨二十枚。
Aランク Sへの昇格条件ワイバーン一頭討伐。帝国北部の山。
義務金貨八十枚。
Sランク SSへの昇格条件ドラゴン一頭討伐。帝国北部の一番標高の高い山。
義務宝石貨三枚。
SSランク SSSへの昇格条件未踏破エリアで一週間以上野宿。トリキュロス大平地の極東。
義務宝石貨十枚。
登場人物――一章。
主人公・エルフ・ウルクナル・武器格闘。
バカだが、非常に優しく、優しすぎて悪意にすら鈍感。ただ、殺しにくる場合は容赦なくその命を奪う。大食漢、食い意地が張っている。食べ物の事になると容赦がない。
世界最強になると公言して憚らない。よくネタにされバカにされるが、彼は本気で諦めていない。バカ。
タンク・エルフ・バルク・武器ハンマー。
心優しきエルフの巨人。エルフ離れした大きな身体を生かし、盾で守りハンマーで潰す。
ウルクナルを相手にしてきた所為か、教職としての才能を開花させつつある。
発明家・エルフ・マシュー・武器銃。
手先が器用な頭脳派。支援や罠解除、作戦の構築も行う。ウルクナルとバルクに社会の常識を教える先生役。史上最年少八歳で高等学術院に入学。後、卒業間近で、中退。
マッドサイエンティスト。
魔法使い・エルフ・サラ・武器魔法。
紅一点。努力家だが、エルフ故の魔力不足で成長が見込めないことを誰よりも自覚している。だが、諦めきれない負けず嫌い。火の魔法が得意。魔法学術院卒、卒業筆記試験主席。
第一王女・人間・シルフィール=ファル=トートス。
トートス王国の第一王女。超が付くお転婆、になる予定。好奇心旺盛。
労働者派遣連合商会一級コンシェルジュ・エルフ・ナタリア。
王都トートスの商館でコンシェルジュをしている。村から出て来たばかりのウルクナルが王都で初めて会話したエルフ。
Bランク冒険者・エルフ・カルロ・武器剣。
ウルクナルの恩師。自分の名を歴史に刻むことを生涯の目的にしている。ウルクナルの類稀なる才能に感化され、奮起。単独でビックアントの大洞窟に潜り、有史以来初となるエルフ単独での、ビックアントクイーン討伐に成功するが。
Fランク冒険者・人間・グラップとジール。
ウルクナルの初めてのモンスター討伐で同行したメンバー。人間至上主義者。格下には高圧的であり、格上には媚びへつらう。同ランクの人間冒険者からも嫌われている。
Cランク冒険者・人間・ポールとラッセル。
初めて森に潜ったウルクナルが、ゴブリン八匹もの集団と遭遇した元凶。GFランクの冒険者にブラックベアーを遭遇させ、偶然を装って殺し、楽しんでいる。
鍛冶師・人間・ゴード。
確かな腕を持つ鍛冶師、ドワーフの鉄の店主。エルフへの偏見無し。頑固ジジイ、でも好奇心旺盛。
商会の創設者・人間・バルバード伯爵。
五百年前に商会を設立した人物、現在は、その末裔が超大富豪。
軍事大臣・人間・スベルバー卿。
トートス王国の軍事大臣。マシューの開発したライフル銃を非採用とし、資金援助を断る。魔法至上主義の人。
マシュー・サラ開発物一覧
――一章。
前装式ライフル銃。起死回生の策、マシューの全財産をつぎ込み開発されたが、スベルバーに一蹴される。
改良型前装式ライフル銃。前作のライフル銃に大幅な改良を加えたもの、開発費金貨三百枚。
ミニエー弾『粉砕弾』。当たると粉砕される。コワイ。
布、高効率魔力運用魔法陣。他人の魔力で魔法を行使する際の魔力消費量増加を二割にまで抑える効果がある。一枚につき使用回数一回切りで金貨五百枚。
サラ開発魔法一覧
――一章。
魔導師級火系統魔法、ファイアーインパクト。魔力消費三千五百。超巨大な火の玉を上空から地表に高速で激突させ、大爆発を引き起こす。
沢山の温かいお言葉、熱いご指導、全て拝見させていただいております。この場を借り、心からの感謝を申し上げさせてください。ありがとうございます。
私の作品をここまで読んでくださった皆様にも感謝を。本作はまだまだ始まったばかり、少々長い旅になるかと思いますが、これからもどうか、ウルクナル達の冒険にお付き合いください。




