表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ひつじさんのおとしもの

 このはちゃんは、みつけてしまいました。

 みちにおちている、きんいろのけいとを。

 きんいろにかがやくおとしものを。


 「おまわりさんにとどけよう!」

 このはちゃんは、きめました。しかし、このはちゃんはしょうがっこうのいちねんせい。そして、このまちにひっこししてきたばかりで、おまわりさんがいるところはまだわかりません。

 「わからなかったら、きけばいい。きっとだれかがおしえてくれる!」

 わからはいみちを、みぎへ、ひだりへ、あるいていきます。

 ひがくれてきました。それでもまだあるきます。おとしたひとはきっと、こまってます。みぎ、ひだり、みぎ、ひだり、、、

 そうして、そらにおほしさまがでてきたころ、このはちゃんはみちにまよってしまいました。

 「ここはどこ?おまわりさんは、どこにいるの?」

 ここまでのみちに、ひとはあるいていませんでした。そして、くるまもいませんでした。さらに、どこのおうちにもあかりがついていません。

 むこうのほうに、あかりがみえました。

 このはちゃんは、そのあかりにむかって、はしっていきました。だれかいるとおもったからです。

 あかりは、だれかのおうちからでした。

 おうちのインターホンをおします。ぴんぽーんというおとがしたあと、だれかがでてきました。

 しろくてもこもこしたふくをきた、おばあさんでした。

 「こんばんわ。」

 このはちゃんはあいさつをしました。

 「こんばんわ。どうしたんだい、こんなよるに。」

 おばあさんは、やさしそうなこえでいいました。

 このはちゃんは、おばあさんにききました。

 「どっちにいったら、おまわりさんがいますか。」

 おばあさんは、こたえてくれました。

 「いまはいないね。もう、よるおそいから。さぁ、おあがり。つかれたでしょう。」

 「でも、おとしもの、とどけないといけないの。きっと、おとしたひとは、とってもこまっているから。」

 このはちゃんのひとことで、おばあさんは、とってもあかるいおかおになりました。

 「それは、わたしがおとしたけいと!ありがとう。これで、あみもののつづきができるわ。」

 このはちゃんも、うれしくなりました。

 「ココアがあったまっているから、さめないうちにどうぞ。」

 ココアをのんで、こころもからだもぽっかぽか。

 でも、なにかをわすれているきがします。

 「おうちにかえらなくちゃ!もうまっくらだし、かえるみちがわからないよ。どうしよう、、、」

 おうちにいる、おとうさん、おかあさん、おとうとのことをおもいだして、なみだがでてきました。いまごろどうしているだろう、きっとこまっているよね。それに、こんなにおそいじかんにおそとをあるいていたから、おこられちゃうよ。どうしよう。

 そんなことをかんがえていると、パトカーのサイレンがきこえてきました。

 「おまわりさんだ!」

 このはちゃんはうれしくなりました。でも、おばあさんはおちこんでいます。

 パトカーのサイレンがちかくでとまると、おばあさんのおうちのドアをたたくおとと、おまわりさんのこえがきこえました。

 「メリーさん、このはちゃんのおむかえにきました。」

 「はい、、、」

 おばあさんがおちこんだかおをしていたわけがわかりました。このはちゃんにあえて、とてもうれしかったのに、すぐにいなくなっちゃうからです。

「おまわりさん、こことわたしのおうちって、ちかい?」

 このはちゃんのしつもんに、おまわりさんは、ちずをひろげていいました。

「うーん、、、くるまでならちかいけど、あるいていくにはちょっととおいかな。」

「じゃあ、またあえるね。」

 みんな、えがおになりました。

 そのあと、このはちゃんは、パトカーにのってかえりました。

 「おばあさん、メリーさんっていうんだなぁ、、、ひつじみたい!」なんてことをかんがえながら、かえりました。

 そのよるから、このはちゃんとおばあさんはなかよしになったそうです。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ