19話「花火大会と…」
「 アンタなんて 居なきゃ良かった」
「……そう」
何時からだろう。何も感じなくなったのは。
平気でいられるようになったのは。
「そうってあんたっ…!!」
バンッ
何時からだろう。部屋に閉じ籠るようになったのは。
「(16時……か…)」
何時からだろう。16時を過ぎると必ず電話が来るようになったのは。
♪もう少しだけこの瞼にのってて〜♪
何時からだろう。これが日常になったのは―――――
――――――――…
「もしもし?」
『おー!!あんさー今日泊まりで花火大会行かね!?』
「……は?」
『だーかーら!!今日花火見て明日海入って帰んの!!』
……こいつ、殴っていいですかね?
男(濱野)1.私か男2〜9、私1かは知らないけど、いずれにせよ、可笑しいだろ。
バカですか。貴方バカですか。
――――――…
「お待たせ川崎ー」
…まぁ、許可する私も頭可笑しいんですけどね。
「よく親許可してくれたな」
えぇ。さっき取っ組み合いになりましたよ馬鹿かって怒られましたよ。
まぁ反対意見を押し退けて来たわけです。
しかし―――…
「こんにちは閖花ちゃん(ニコッ。英の母、由美です」
「英の父、昂醒だ」
…………流石にこんなメンツだとは思わなかったぞ。
――――――…
花火大会の場所は三重県と和歌山県を繋ぐ橋の下の河川敷。
愛知からなのでそう遠くはなかった。
チョコバナナ、焼きそば(ソース)、ホットドッグ。出店はそう多くない。
「母さーん!!たこせん買ってー!!」
「たこ焼きも買わなきゃな。」
はしゃぎすぎだ濱野。
流石親子。似ています。親子揃って食べ物に夢中ですな。
……はぁ。何でこんなガキみたいなの、好きになったんだろ。
「川崎もポテト食えよ(ニコッ」……まぁ、この優しさに惚れたんだろうなぁ
「英ーどっちから告白したの?付き合って何ヶ月経つの?(ニヤニヤ」
「ブーッ!!」
ゲッ!!食べ物吹きやがった汚っ!!←
いや、吹くのは分かる。否定はしない。
「付き合ってないッッ!!」
汚れた口周りをゴシゴシ手で拭きながら否定する。
怪し〜い♪と少々楽しんでるでしょ由美さん。
「じゃ、お邪魔虫は退散しますね〜(ニヤニヤ」
「おいッッ!!/////」
2000円渡して、何処かに消えやがりましたよ。由美さんと昂醒さん。
「あっえっと…ごめんな?かき氷食おうか」
はぐらかす様に食べ物に向かう濱野。
「はい。」
苺に練乳がかかったかき氷をくれた。
濱野のはレモンに練乳。(美味しいですよマジで)
美味しそうに頬張って、可愛かった。
――――――――…
ドンッ
「うおっ!?」
爆音にビビった様だ。
「花火。始まるよ(ニコッ」
「え?あ…おぉう…そう言えばそうか…」
花火見に来た筈なのに食べる事に夢中になって花火の存在忘れるとか…(苦笑)
でも、こういう所好き。
パンパンバーン
「お、花火始まったな」
「綺麗ー」
ホントに、綺麗。
今までは花火にいい思いでなんて、なかった。
一緒に見る人が違うだけで、こうも違うのか。
「あ!!あの花火可愛いッッ!!」
猫の形をした花火が上がる。
めっさ可愛い。やべぇお持ち帰りしたい…
「お前も…負けないくらい可愛い…」
「え?」
「ん?どうした?(ニコッ」
聞き…間違い………?
空耳………?
「いや、何でもない」
「そっか」
だから、気のせいか。
濱野の頬が、何時もよりほんのり赤いのは―――――
―――――…
花火ももう殆ど打ち上がり、終盤に差し掛かった。
「次、ラストでーす」
……そっか。もう今日の花火大会終わるのか。
今、9時か……
――――ねぇ。
もしかしたら、もう仲良く出来ないんじゃないの?
濱野だって、人間だから、いつか恋して、人を好きになって、その子と付き合ったり、デートしたり。
じゃあ、私は誰と遊べばいい?
私を快く受け入れてくれる人、いる?
誰が私をこんな風に連れ出してくれる?
誰も居ないじゃん。
濱野に彼女ができて、忘れられて……
そんなの、嫌だッッ!!
―――――…
ヒュルルルル
最後の花火が打ち上がる音がする。
「ねぇ、濱野。」
「どうした?」
バーン
最後の花火が開いたと同時に……
「私、濱野の事が好きなのっ……!!////」
私は濱野に告白した。
フラれたら、今までみたいに仲良く出来るのか、喋れるのかは分からない。
でも、言いたかった。
「あのさ、川崎……」
あぁ、このパターンはフラれるな。何となく分かる。
ってか笑顔がひきつってるからなぁ…ダメ…か…
「ごめん花火で何言ったか分かんなかった(テヘッ」「死ね!!!!!」「えぇ!?」
私の悲しみを返せ!!
聞こえてなかったって、聞こえてなかったっておまっ…
「もっかい言ってくれる?」
「はぁ!?誰が言うかバーカ!!」
「えぇ!?気になるじゃんか」
「好きだって言ったんだよ二度も言わせんなバーカ!!」
あっ…ついポロっと言ってしまったっ…!!
「え!?は!?嘘だろ!?」
「嘘ついてどうする馬鹿か!!」
「マジかよ」「マジだよ」
何回言わせれば気ぃ済むんだよ!!言ってるこっちは恥ずかしいんだよ!!
「ははっなーんだ。そうか、そうだったのか…」
一人で勝手に理解している。意味不明。
「俺もな、川崎の事好きだったんだよ(ニコッ」
「はあ!?////」
――――――――…
「じゃんじゃん食べてね閖花ちゃん」
「あ、はい。ありがとうございます(ニコニコ」
……はい。濱野と付き合うことになりました。
ぶっちゃけ付き合うって何するんでしょうか。
文化部!!の同人誌の様にR18指定の入る事をするのっ!?///
……はい、妄想が過ぎました。
普通に過ごせばいいのかな。
取りあえずよく分からないけど、濱野の彼女になりまして。
濱野のお母さんにもちゃんと付き合った事を言いまして。
めでたしめでたし。
で今日が終わりました。