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【童話風】魔女の悟り

作者: ありま氷炎
掲載日:2026/06/01

 あるところにとても醜い魔女がいました。

 魔女はみんなに嫌われていて、自分の容姿が醜いせいだと思ってました。


 そんなある日、魔女は自分の理想の顔を持つ女性と出会います。

 女性は美しい容姿だけでなく、美しい心を持っていました。

 魔女は女性を騙し、特別な魔法を使って、魂を入れ替えることに成功しました。


 美しい姿を手に入れた魔女でしたが、彼女は徐々に嫌われていきます。

 女性には高慢に振る舞い、男性に媚びを売る。

 最初は男性も魔女の醜い振る舞いに気が付かず、その美しい姿に惑われて、騙されます。

 彼女のため婚約者や恋人を裏切った男性たちがたくさんいました。

 しかし、ある時男性は魔女の裏の顔を知り、それを友人に伝えます。初めは信じなかった男性たちもよく観察するようになり、気が付きました。そうなれば、目を覚ます男性も多く、魔女の元から次々と男性は去り、彼女は孤立しました。

 皆に嫌われていることに気が付き、魔女は驚きます。

 美しくなった自分をなぜ嫌うのかと。

 居場所を失った魔女は森に戻ります。

 もちろん、そこには醜い姿になった彼女がいます。

 彼女は、楽しそうに暮らしていました。

 いつの間にか、友人もできてようで、楽しそうにお茶をしていました。


 魔女はわかりませんでした。

 なぜ、彼女は醜い姿なのに、あんなに楽しそうで、友達もできるかと。

 悲しみに囚われた魔女を見つけた彼女は、魔女をお茶に誘います。

 自分が騙してことに気が付いているのに、お茶に誘う彼女を魔女は理解できませんでした。


「どうして、あなたはそんなに楽しそうなの?」

「楽しいからよ。あなたの家には面白い本がたくさんあって、レシピもあったわ。あなたは料理がとてもうまいのね」


 彼女は魔女に微笑みます。


「あなたは私は怒っていないの?」

「いないわ。びっくりしたけど。だって、魔女になれたのだもの。あなたみたいにすごい魔法は使えないけど、ほら、火をつけることができるようになったのよ」


 彼女は魔女にそう言って、蠟燭に火を付けます。

 魔女は魔法に憧れる彼女に魔女になれる薬として、魂を入れ替える薬を飲ませました。

 彼女自身は魔法を使えないけど、魔女の体には魔力が籠ってました。

 本を読んで試行錯誤した結果、蝋燭に魔法を付ける小さな火の魔法を習得したようです。


「すごいわね」


 なぜか、魔女は泣いてました。

 そしてやっと理解しました。

 彼女が好かれていたのは、その美しい姿ではなく、美しい心であることを。

 そして自分が嫌われていたのは、自身の醜い心のせいであることを。


「ごめんなさい。私はあなたになんてことを」


 魔女は初めて自分がしたことを後悔しました。


「気にしないで。私は魔女になれたことがとっても嬉しいの。気になるなら、私に魔法を教えてくれない?」

「もちろん!」


 そうして、魔女は、彼女に魔法を教えました。

 のちに彼女は大魔女と呼ばれる存在になりました。

 彼女の隣にはいつも美しい女性が側に控えていました。

 二人はいかなる時も一緒に過ごして、末永く幸せに暮らしたそうです。




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