表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/15

第9話「祈りのような一撃」

アークの黒い魔力が森を削り取る。

大地が軋み、空気が焼け、セラの肌に刃のような痛みが走った。


それでも、彼女は一歩前へ出る。


背後で、リオが震えながらも剣を握っていた。


「……セラ……」


声がかすれている。

だが逃げる足音はしない。


アークが静かに立ち、二人を見下ろす。


「理解していないな、少年。

 その女は“生きるほどに世界を蝕む力”だ」


黒い光が彼の周囲に集まる。


「守れば守るほど、お前の手は血に染まる」


リオは歯を食いしばる。


「……それでも……!」


足が震えても、止まらない。


「それでも……俺は、セラをひとりにしない!!」


その声に、セラは息を呑んだ。


アークの指が動く。


空間が歪み、

黒い閃光が一直線に放たれた。


セラは考えるより先に、身体が動いていた。


「リオ、伏せて!!」


彼女は前に飛び出し、閃光と正面から衝突する。


空が砕けるような音。

衝撃が波となって吹き荒れ、木々が一斉に倒れる。


煙の中で、

セラの身体がゆっくりと崩れ落ちた。


「セラ!!」


リオが駆け寄り、彼女の腕を掴む。


その温もりに、意識が途切れかけていた彼女の瞳がわずかに揺れた。


「……どうして……そこまで……?」


リオは震える声で叫ぶように言った。


「だって……俺は……!」


言葉はうまく出てこない。

でも、心だけははっきりしていた。


「……セラと、生きたいんだ……!」


アークはその光景を、冷めた視線で見つめていた。


「なるほど……“選んだ”か」


黒い魔力が再び渦を巻く。


「ならば見せろ、少年。

 その覚悟で、どこまで抗えるかを」


森が静まり返り、

三人の影だけが長く地面に伸びていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ