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これは数年前、Yさんがある地方都市の駅で体験した話だ。


出張帰りの夕方、乗り換えまで時間があったので、改札内の売店に立ち寄った。

よくあるタイプの小さな売店で、雑誌と飲み物、それに菓子パンが並んでる。

Yさんは缶コーヒーとチョコパンを買った。店員は無言で、淡々とレジを打った。


レシートを受け取って、ホームのベンチでそれを見たとき、違和感に気づいた。

日付が「平成13年3月24日」になっていた。

「え?打ち間違い?」

何度確認しても、確かに「平成13年3月24日」。

よくみると印字は古びた感じで、紙も少し黄ばんでる。気味が悪くなって、売店に戻ってみた。

けれど、そこに売店はなかった。


Yさんは駅員に聞いた。「さっき、ここでパン買ったんですけど…」

駅員は怪訝そうな顔で、「そこはもう20年以上前に閉店してますよ」と言った。

手元には確かに店のレシートがある。パンの包装には、賞味期限が「01.03.23」と印字されていた。


Yさんはそのパンを食べなかった。今でも、冷蔵庫に入れてある。




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