表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/25

マンホール

高校生のユウは、写真部に所属している。

ある日、廃墟マニアの先輩に誘われて、郊外の廃工場跡を撮影に行った。

工場はすでに雑草に覆われ、建物の半分は崩れていた。

でも、ユウが気になったのは、敷地の中央にぽつんとあるマンホールだった。

蓋は錆びていて、周囲には誰かがこじ開けようとした跡がある。

先輩は「こういうの、開けたらヤバいのが出てくるって言うよな」と笑った。

ユウは冗談半分で、スマホで蓋の写真を撮った。


その夜、ユウはフォトを開いて昼間撮った写真を確認していた。

「この人物に名前を追加しますか?」

マンホールの写真を開いたとき、画面にメッセージとともに、

人物の候補として見慣れない顔が表示された。

タップすると、拡大された蓋の隙間に、

確かに“何か”が写っていた。

錆の模様ではない。

目のような、口のような、何かがこちらを見ていた。


翌日、ユウは先輩にその話をした。

でも先輩は「そんなマンホール、なかったよ」と言った。

写真を見せようとしたが、スマホの中からその画像だけが消えていた。


ユウの家の前には、同じ形のマンホールがある。

数日前まで、そんな場所に蓋はなかった、とユウには思えてならない。

でも、確かにそこにある。

そして、夜になると——

蓋を引きずるような音が、だんだんと近づいて聞こえてくるという。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ