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22.お弁当の有難み、思い知れッ!/???(???)

みんなに話したことで自分じゃ整理できなかった感情を落ち着けることが出来た。

不平不満を口にしたことですっきりもした。


揶揄われたのは予想外だったけど。


「とりあえず、皆さん聞いてくれてありがとうございました。お陰で気持ちが楽になりました」

「いいのよ、そんなことは気にしないで!」

「どういたしましてぇ」

「…で、どうする…?」


本当に良い人達だ。みんなの優しさに心が温かくなる。


「今の生活を続けようと思います。理由は三つで、一つはテオに相談して事態がややこしいくしないため。二つ目は噂の鎮静。三つ目が髪を切った状態で過ごして令嬢達の留飲が下がるのを待ちます。」


今、私はテオに会うことを避けている。

この事実が騎士団員から広まってくれれば噂は落ち着くと思う。


それにこの世界では短髪は受け入れられないので、私の姿を目撃した令嬢達が嬉々として広めてくれることだろう。



セナという平民はテオドール騎士団長様に嫁げるような人間ではない、と。


信憑性を高める材料が増えたのだから実行に移している作戦を変更せず、初志貫徹でいこうと思う。


「そんな簡単にいくかなぁ」

「いいんですよ、現状が良くならなかったとしても。失う物もないですし」

「開き直るって強いねぇ」

「ええ!喧嘩を売ってきた令嬢達にいつかぎゃふんと言わせてやるんですから!」


現状維持をするって言ってもこのまま泣き寝入りなんてしてやらないんだから、首洗って待ってなさいよ!あの性悪令嬢ども!!


「でも今は私達と一緒に行動した方がいいわ」

「それに堂々と髪型を晒して歩くのも良くないと思うから隠しておいた方がいいよぉ」

「なるほど!じゃあ、私のストール貸してあげる!これを巻いて隠せば…いいんじゃない?」

「うんうん!ほとんど隠れてるよぉ。後はセナ君の態度だねぇ」

「私の態度、ですか?」

「うん、髪切られたら普通落ち込むものでしょ?それなのに笑顔で会話とかしてたら効いてないってバレちゃうよ」

「それはそうですね。盲点でした」

「よし、練習しよ!まずは落ち込んでみて!」

「え!えーっと…」


いきなりやれって言われても、急には難しい…!



落ち込んだ表情、落ち込んだ表情…。


髪を切られた時が一番…いや、これから彼にこの状態を知られた時のことを想像する方がよっぽど…。


「おお!良い感じ良い感じ!」

「セナ君は舞台女優の才能があるねぇ」

「あ、ありがとうございます」

「その表情のまま俯いて過ごしてたら完璧ね!」

「あとは人と会うのを避けることだねぇ。行き帰りは他の省員がいない時間にするといいよ~」

「分かりました、そうします」

「…騎士団長はどうするの…」

「一切会いません」


皆はこの発言に目を見開いて驚いている。


しかしテオとの今後の付き合いについてはもう決めていたことだ。

彼は貴族社会で生きてきたのだから私よりもずっと知っていたはずだ。彼女達の醜さを。


それなのに何の考えもなしに行動したのだ。この機会だから少しは反省してもらおう。


「いいの…?」

「はい。だって、少し考えたら予想できたじゃないですか、この状況って。だから少しは懲らしめておかないと。」

「…そうよね!やるなら徹底的にやりましょう!協力するわ!」

「はい!是非お願いします!!」


やるなら徹底的に、彼女の言う通りだ。


だからこれからは毎朝ゆっくりしてやるわ!

精々お弁当の有難みを噛み締めなさい!


「わぁ~…」

「…悪い顔してる…」

「ねぇ…」


セナ達に彼らの嘆きが届くことはなかった。






あれから一週間が過ぎた。


その間一度もテオとは会っていない。


殆ど第八魔法省執務室に籠っているし、忙しくなるため昼食を共に出来ない旨の手紙を届けてもらったので仕方ないかもしれないけど、それでも一度も会いに来ないのはどうかと思う。


ユリアさんも「恋人なら一回くらい会いに来なさいよ!」と憤慨していた。



でも、良いこともあった。


誰かに遭う可能性が低い時間に移動しているからか、一切令嬢達に絡まれていない。


第八魔法省の皆が集めてきてくれた噂話も恋人疑惑から私個人の醜聞へ、そして更に違う人物の話題へと徐々に変化しているようだ。


これで少しは安心できるだろうか?








やっと終わりましたわー!!!


平時には暇を持て余すというのに、どうして今になって次から次へと厄介事が舞い込んでくるのでしょう?


さりとて、本日でそれも終わり。


今すぐにわたくしが会いに行きますから、ほんの少しだけ待っていてください、セナ様。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!


2025.7.6

誤字脱字報告ありがとうございます。


「面白いなぁ!」

「続きが気になる!」

「早く投稿を!」


と思ったら!



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正直なお気持ちで良いので是非!!


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