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運命を握る者④


 このネコの言っている事が理解できないのは私だけだろうか? 他の二人の様子を窺う。

 隣の黒衣の青年はつるぎつかに手を添えたまま眉間に皺を寄せてネコを睨んでいる。

 清志朗君はもうネコの説明に飽きてしまったのか欠伸をしている。


「それで……私にその特殊能力を授けて、あなたは何を叶えたいの?」


 聞いてみる。

 このネコが本当に神様の化身だとして。神様にも叶えたい望みってあるんだろうか?



「運に任せる事にしましたニャン」


「はい?」


「この世界が何かもっと面白くなればいいなって、運に任せてみる事にしましたニャン! 今までは存在した、あらすじという安心感をあえて捨てることによってどう転んでいくか分からないスリルと自分には思い付けない展開を期待していますニャン!」


 それって、神頼みって言うんじゃ……?

 このネコ……やはり本物の神様ではないようだ。


「あっ、それから基本コマンドの他にもコマンドがあって……とりあえず練習してみますニャン! まずは我の名前を決めますニャン」


 この子の名前、決めていいの? すかさず思い付く名前を提案する。


「モコたん! ……モコモコ? 鉛筆を転がすから…………コロロン!」


「ちっちっち……ですニャン」


 私が候補にした名前を聞いた後、ネコは慌てるなと言わんばかりに私を制した。


「決めるのは……運ですニャン!」


 目の前にコマンド画面が出現した。そこには……。


1モコたん

2モコモコ

3コロロン

4フォルティナ

5候補36

6候補36


 と書かれていた。


 そうか。名前も運で決めようと言うのね。

 ゴクリ。神(?)の覚悟の重さを感じ、唾を飲み込む。


「? ……このフォルティナっていうのは?」


「我が小学生の頃より友人と交換イラストノートをしておりますニャン。初期の頃作ったキャラの名前ですニャン。因みに結芽もそこのキャラの名を使いましたニャン」


「!?」


「そのノートの結芽という名のキャラはくノ一という設定でしたニャン」


「!?!?!?」


 何だか神(仮)の痛い過去を聞いた気がする。


「この候補36っていうのは?」


「それはルミフィスティアの名前を考える時に派生した選ばなかった別の名前たちですニャン。あらかじめ候補の三十六個の名前に番号を振っていますニャン。目の5か6が出た時は、もう二回鉛筆を転がす必要がありますニャン。『基本コマンド』じゃない他のコマンド画面は、一話中に重複して出てくる事もありますニャン。結芽が呼び出せるのは『基本コマンド』画面だけですニャン」



 そして私と『神の化身』を名乗るネコの……ガチな共同作業が始まった。



読んで頂きありがとうございます。

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