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運命を握る者②


「神の……化身!?」


 黒衣の青年は、あからさまに怪しむような驚きの滲む声を上げた。そして腰につるぎつかに手を掛ける。


「……魔物のたぐいか」


「ちちちち違いますニャン! 善良な……多分善良な神様ですニャン!!!」


 ネコが手をばたつかせ慌てている。

 本当に神様だったら、そんなに慌てない気もするが……。

 私もジーッとネコを見る。


 ああ。それにしても。毛が……モコモコモフーン。触りたい。


「信じられないよねー。僕も最初信じられなくて色々試したんだけど、自称でも神様には敵わなかったよ。まぁ今の僕らは言わばUFOで攫われて宇宙人の駒にされていると言い替えても大差ないと思うんだ。だけど面白そうだから、この子の遊びに乗ってあげる事にしたよ」


 心底愉快そうに笑う清志朗君。


「遊び……?」


 私の呟きに、ネコが応じる。


「この世界を創造する時に、やり残した事がありますニャン! この世界の崩壊覚悟で降臨しましたニャン!」


 やり残しの為に世界を壊されても困るんだが。世界の無事よりも大事なやり残した事って一体……?!!


「実はこの世界は我がこことは別の次元で書いている小説なのですニャン!」


「!!?」


 突拍子もなさすぎて、その場が凍り付く。


「へぇーーー」


 氷のような冷めた声。


「それは僕も初耳だなぁ」


 清志朗君はネコの頭を右手で優しく撫でた。そのあまりの優しい手つきにただならぬものを感じ取ったのか、ネコはひどく怯えた様子で震えた。


「ああああ……言うのが遅くなってすみません……ですニャン」


 ネコの話によるとその小説では私が主人公で、今まで私が辿ってきた日々はこのネコの本体……次元を超えた創造主の導きだったと言う。


「流石に信じられないよ……」


「信じられない気持ちも分かるけど、そうなんですニャン」


 もしもこのネコに眉毛があったなら多分今、眉尻が下がっているだろうなと感じる声だった。


「我には今、三個くらい大きな目的があってここにいますニャン。その一つを叶える為……結芽、あなたに特殊能力を授けますニャン。これを受け取って下さいですニャン!」


 ネコの体が光り出す。

 その光がバシュッとこちらへと飛んで来て、私の体が光に包まれる……。


「これは……?」


 光が収まり気付く。私……手に何か持ってる……?


 もしかして貴重な特殊アイテムとか? と思い握った手を開くと、そこには使い尽くしたと言わんばかりのくたびれた短い鉛筆がある。


「これは……?」


 もう一度同じセリフを口にした。



読んで頂きありがとうございます。

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