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新世界に月は歌う ※現在改稿中です。  作者: 猫都299
【1】新世界に月は歌う
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待ち人


 世界各国に散らばるアークの兄弟たちはやはりアークとネットワークがあるらしく無害化させる事ができ、各地で起きていた地震や異常気象はピタリと影を潜めた。

 これで『組織』も大人しくなってくれればいいのだが……。



 今日は私(+ルミフィスティア)と一高(=ジーラ)、アークの三人(?)で、ウチに来た。

 アークが待機していた場所(組織の支部)が地震で壊滅したらしい。彼も元より戻る気はなかった。

 その為『地震で家に住めなくなったので何とかここに住まわせてもらえないか』って交渉に席を設けた。

 そして何故か『じゃあ自分も』と名乗りを挙げた一高ことジーラ。立派な実家があるのに何で? って聞いたら『こっちの方が会社に近いから』だって。何か含みがあるみたいだけど教えてくれない。


「お父さんたち待ってると思うから入って!」


 玄関に入るとトイレから出てきた弟と鉢合わせした。


「なっ!?」


 弟はこのメンツを見て驚愕した様子で狼狽えながら悔しさを滲ませ言い放った。


「家が地震で住めなくなった友達って男かよ! しかも美形とオッサン! 美少女を期待してたのに! ちくしょう! 眠れなかった昨日を返しやがれ! ……父さーん!」


 居間へと走っていく弟。

 知らないよ。

 美少女もいるにはいるんだけどな(私の中に)。


「な、何ぃ〜? 男だと!? とっ、父さんは許さんぞ!!!」


 話を聞いて出て来たお父さんが玄関に並んで立つ私たちを見て絶句する。ちなみに父さんから見て左からアーク、私、一高の順番だ。


「ふっ……二人も……だと……!? 結芽、どちらか一人に絞りなさい!! 父さんはお前をそんな子に育てた覚えはないぞ!!」


 父の後ろで母さんが「あら〜?」と楽しそうだ。



 とりあえずそんなこんなで二人は二階の私の部屋の、隣の部屋に相部屋で身を寄せる事となった。

 夜、トイレに起きたら父さんが焼酎のグラスを片手にテーブルに突っ伏して泣いているのを見た。その肩に母さんがそっと薄手の毛布を掛けていた。


 こんな事になって何で高校行きたくないとか言ってたんだろうって思えた悩みは、あの頃の私を大きく支配していた。逃げてばっかいたけど逃げたのも選択した道の一つだって今なら分かる。もう少し将来の自分について考えるのもいいかもしれない。


 たまに十万年後の未来へ帰る。あっちで待ってるアークを何となく独りにしたくない……のと、ちょっと……何かすごく……気になっているからだ。



読んで頂きありがとうございます。

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