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新世界に月は歌う ※現在改稿中です。  作者: 猫都299
【1】新世界に月は歌う
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運命の結び目②


「えええ?! ちょっ……!」


 白衣の少年は信じられない! といった様子で騒いでいた。


「ここ駅前だよ? 外だよ? 公衆の面前で何やってんの!」


 その駅前をこんなに破壊しといて、そういうモラルはあるのねと意識の遠くの方で考える。


「いくらそいつが死ぬからって……え!!?」


 少年の目が丸くなる。私の上に倒れていた男が起き上がったからだ。


「な、なんで??!」


 アークの力を受けて生き延びる奴がいるなんて……と小さくブツブツ呟いて歩道橋を行ったり来たりしている。そして……。


「面白い! アーク、あいつを研究材料に欲しい! 死なせずに捕まえて来て!」


 まるで子供が親に玩具おもちゃをねだるように指示する。


「させない!」


 私を操ってルミフィスティアは立ち上がったばかりのスーツ姿の男の前へ出て彼を庇おうとした。その肩にぽん、と手を置いて男性は更に前へ進み出た。


「使者様……」


「ルミフィスティア……大丈夫だ」


 私にニコ、と微笑んでアークの方を向く。


「よぉ……管理人……。これはどういう事だよ!?」


 額に青筋が出る程怒っている。


「オレを生き返らせろとは言ってないだろ!?」


「はい。ですが転生を希望されているようでしたので……」


「……お前、喋り方むちゃくちゃ人間ぽくなってない?」


 まるで旧友にでも会ったような口調でやり取りが続いた。

 白衣の少年はポカーンと二人の会話を見ている。


「ボクの……ボクの命令しか聞かないようにできてる筈なのに……」


「いいえ」


 アークは哀れむような優しげな眼差しで少年に向き合った。


「管理者の権限は私が持っています。あなたは未来で権限を子孫たちに渡しますが、それよりも遥か未来で私の呪縛は解かれたのです」


「な……にを言ってるんだ?」


 少年は数歩、後ずさる。

 アークは噛み締めるように言葉を紡いだ。


「私は当初から特定の人物の命令に従うようプログラムされていた。けれど果ての未来に、最後の一人に許された。私の中に芽生えた私という自我にんげんを」


 言って、私の方を横目で見て微笑んだ。


「彼女を守る条件付きでね」


読んで頂きありがとうございます。

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