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新世界に月は歌う ※現在改稿中です。  作者: 猫都299
【1】新世界に月は歌う
19/151

源(みなもと)


「ゔーん、ゔーんっ」


 私は夢を見ていた。次の日学校で、起きたくないと布団にかじりついている夢。


「ゔーん」


 ガタガタガタガタガタ。


「わっ! 何? 地震っ?」


 飛び起きた。揺れてる。私の部屋のタンスの上、小さめのクマのぬいぐるみがぽてりと畳に落ちた。


「……っ!?」


 私は目を疑った。


 ここは……!?


 バッ! と上を向くと私の部屋にいつも存在する天井の模様、木目お化けがすごい形相でこっちを見ている。それはまるで見る者を呪い、丸呑みにしてやんぞ的な気迫が漂う引っ越して来る前から在る古参の住人。



 間違いない。



 私の……部屋……っ!??



 コンコン。



 ノックの音に、ビクッと震える。



「結芽ちゃん、今日は学校行けるわよね?」



 嘘でしょ。お母さんの声!



 私は布団から出て、部屋の戸を開けた。

 くせ毛の、モコモコした髪を後ろで結んだ四十代女性……紛れもなく私のお母さんが心配そうな顔でこちらを見ていた。



「お母さん!」



 私は母を抱きしめて泣いた。こんなに思い切り泣いたのは久しぶりだ。


「そんなに学校に行きたくなかったの? 無理に行かせてごめんね」


 母も泣き出してしまった。

 私はちょっと笑って、


「ううん。私、学校行くよ」


 伝えると、急いで支度を始めた。



 十万年以上先の未来へ行ってしまう夢を見たけど、はっきり憶えてるけど夢だったんだ!



 トイレの前に立って思った。

 

 そしてトイレから出て来て、幸福を噛み締めた。



 紙! 紙紙紙……! プライベートの守られた個室! 流れる水の音も有り難く心に刻む。



 トイレの前で打ち震えていると、トイレに行こうとしていた弟に変な目で見られた。


「大丈夫か? 姉貴。いつもにも増しておかしいぞ」


 弟の軽口も、実に懐かしい。

 私が何も言わないでニマ、と笑ったので弟はゾッとした顔をしながらトイレへ入って行った。


読んで頂きありがとうございます。

もしよければ下の「☆☆☆☆☆」から評価・応援して頂けると励みになります。ブックマークもとても嬉しいのでどうかよろしくお願いします……!

――――――――――――――――――――

19.みなもと

こんにちは、樹みのりです。読んで頂き、ブックマーク、評価もありがとうございます! ブックマーク登録して下さった方が一人増えていて、またさらに気力をもらった気がします。

そしておかげさまでこの程、最終話まで書ききれました。

至らないところも多々あるとは思いますが、あらすじで考えていたものより面白くなったような気がします。ぼちぼちアップしていきますので、もしよければお付き合い下さい。


――――――――――

上記、前書きを書いていた時点では現在の一章で終わる予定でしたが、二章目以降も続きを書いているので完結していません。特に、現在五章の途中なのですが四章までと作り方を変えてしまったので完結できるかも未定です。悪しからずご了承の程、お願い申し上げます。


2022.1.27追記


(前書きを再掲載しました。2022.2.12)

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