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新世界に月は歌う ※現在改稿中です。  作者: 猫都299
【1】新世界に月は歌う
16/151

助け舟


 こいつは……何たる事!


 気づいた。

 使い方……聞き出し方さえ気をつけて扱えば、私の疑問に対する答え製造器ではないか!!?


 私には宿らなかったチート(今の私の外見はMAXチートだけども)が向こうからおいで下さり、上手く聞けばその知識を私に惜しげもなく提供してくれる……!


 異世界だろうが十万年後の未来だろうが、この人さえ傍にいれば何とかなる気がしてきた!!(逆にいなくなったらめちゃくちゃ不安になるだろうけどね)



 そこまで考えて辺りが暗くて足元も見えづらい状況にある事にハッとなる。


「えっ! 暗っ! どうしよう……。また山の上のあの場所まで戻らないといけないかな!? ……あなたはいつもどこに住んでるの?」


「秘匿事項です。管理者キーが必要です」


 むむむ……。


「ま、とにかく夜でも安全に過ごせる場所を探さないと……本当はもっと暗くなる前に見つけとけばよかったんだけどね」


 ハハ……と苦笑いする。


「こんなに暗くちゃあ足元もよく確認できな……わああっ?!!」


 早速、石か何かでバランスが不安定になり体勢が崩れた。


 転ぶ!


 手を着く為身構えたけど、それより早く青年に受け止められた。腕の中は温かく顔を埋めてしまった胸からは鼓動が聴こえた気がした。


「っ!!?」


 顔を赤くして勢いよく青年の胸から頬を離した。

 自分でもひどく動揺しているのが分かった。


 異性との接触経験値不足が、私を挙動不審にしている事は理解している。


 半信半疑だった青年のロボ説。それももう殆ど信じかけていた。なのに……。


「しんっ……心臓の音、聴こえたよ……?」


 本当は彼は人間で、私を今までからかってただけ……とかだったらもう立ち直れない。


 暗がりに目も慣れてきた。

 抱き留める為に私の背中に手を添えた格好のまま、鋭利にも見える美しい相貌で感情のない瞳に見下ろされた。私も負けじと見上げた。

 真っ直ぐ、彼の瞳を。


「あなた、人間でしょ」


 一瞬、瞳の奥底の深い色が揺らいだ。ほんの瞬きの間程の違和感はすぐに消えて、気のせいかと思い直した時……。


 彼は笑ったのだ。


読んで頂きありがとうございます。

もしよければ下の「☆☆☆☆☆」から評価・応援して頂けると励みになります。ブックマークもとても嬉しいのでどうかよろしくお願いします……!

――――――――――――――――――――

16.助け舟

こんばんは。樹みのりです。いつも読んで頂きありがとうございます。先日、初めて評価(しかも星5つ)をもらえてブックマークの時のように舞い上がりました。同時に途中で挫折できないな、と責任も感じました。

あらすじは最後まで作ってたんですが、書いてみると色々あらすじ通りにいかなかったりあらすじになかった新たな発見をしたり……。おかげさまでそれもまた楽しみながら書けています。

一緒に楽しんで頂けるモノを書けていたら幸いです。


(前書きを再掲載しました。2022.2.12)

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