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黒炎の魔神とパンティー

「旨かったー! やっぱり空腹は最高の調味料だな!」


 俺も女神もオリビアも、四日ぶりの食事を満喫して体を横にした。

 その顔は皆、至福の表情をしている。


「でもダーリン、用意したのはこれだけではないのですよ」


「ああ、そうだったな。オリビア、まずはこれを」


 俺は、昼間に買ってきたものの中から一枚の布切れをオリビアに渡した。


「こっ、これは、まさかっ?!」


「そう、パンティーだ(クマさんのアップリケ)」


 オリビアは、それを握り締め、体の近くに持ってくると目から一筋の雫が。

 次第に勢いを増して目から溢れる涙。


「よ、ようやく……、ようやく、わ、私は……、うっ、うううう(涙)、ヒック……」


 それ以上は感極まって、言葉が出て来なかった。(たかがパンツ一枚です)


「まあ、いいから穿()いてみろよ」


 優しさを込めた言葉に、嗚咽しつつも何とか頷くオリビア。

 手拭い一枚で器用に前を隠しながら何とか穿くことに成功し、とうとう裸を克服した。


「ありがとう。私は今、感無量だ!」(たかがパンツ一枚です)


 オリビアがそう言った時、突然パンティーが黒い炎に包まれた。

 見る間に、形が崩れ燃えカスさえも残さず焼失する。


「なっ、何で?!!!」


 オリビアの悲痛な言葉とは裏腹に、その後も、皮のズボン、ビキニアーマー、黒のマントと試着したもののそれら全ての装備が黒い炎で無に帰した。


「一体、どうなってやがるんだ!!! たかが布切れ一枚、私は羽織ることさえ許されないのか?!!!」


 この問いに女神が、適当に考えて答えた。


「肌が弱くて、重ね着すると汗疹(あせも)ができちゃうタイプなんじゃないですか?」


「伝説の鎧なのに、そんなバカな事あるか――いっ!!! 赤ちゃんの柔肌じゃあねえんだぞっ!!!」


 しかし俺が突っ込む直前、オリビアの手前に黒い炎が、次のように空中で並んでいた。


『YES』












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