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一枚の切り札
「お金がないと、スキルも魔法もくれないって、あんたそれでも本当に神様なのか?
そんな現金主義者が、俺たちの崇めていた神だったなんて本当にがっかりだよ」
「一応、わたくしのような新参者の神でも、その発言は失礼極まりないんじゃないですか?
神が現金主義者なんて、そんなはずないです。
ちゃんとクレジットカード決済にも対応しています」
「カード決済って……。
えええええっ!!! それを先に言え――――!!!」
「あら、もしかして持ってました? クレジットカード。
人は見かけによらない者ですね。
『ならば問おう、あなたのカードはマスターか?』」
「ああ、そうだよマスターカードだよ。
これで、現金が無くてもスキルは買えるのだな?」
「ええ、まあ。別にVIS〇でも大丈夫でしたけど」
「セ〇バーの真似したかっただけなんか――――――い!!!」
俺は心の底からつっ込んだ。