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選択の代償
「で、どうしますか? 転生 or 転移?」
前置きもなく悪魔のような女神が俺に聞いてきた。
勿論、俺にはこの意味は理解できた。
散々この手のラノベやアニメは観ていたからね。
そして今、異世界で産まれる前から始める『転生』か、今のまま異世界に飛ばされる『転移』にするのか問われているのだ。
「じ、じゃあ、転生で」
どうせなら、幼少期から特別な能力を持っていて、「天才」だの「神の子」だのちやほやされてみたいのだ。
「転生だと、三万五千円になります」
「えっ?!」
顔の表情も変えずに当たり前のように金を要求する女神。
地獄の沙汰も金次第とは、ああ、この事か……。