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初めての異世界
「では、そろそろ異世界へ行ってもらってもよろしいでしょうか?」
「ああ。
もう、こうなったら『ファイアボール』だけで何とかするしかない。
まあ、異世界の知識があるだけましと言うもの。
何とかしてみせるさ」
それに、これ以上ここにいると地獄に落とされそうだ。
「それでは、あなたに幸運がありますように」
悪魔(女神)がそう言うと、また俺を中心に半径1m位の青白い光の円柱が出現した。
中にいる俺はどんどん体重が軽くなって、ついには宙に上昇していった。
どんどん上へ昇っていく。どんどん、どんどん。
そして、まだまだ、どんどん。
ってちょっと上昇し過ぎじゃないの?
と思った時、目に映る場面がパッと急に変わった。
目に見えたのは、青い空と白い曇。
「わあああああああああああ……」
急に取り戻した重力に思わず声を張りあげた。
それと同時に急落下。
ヒュ―――――――――、ぐしゃっ!
地面に叩き付けられ、俺は、またまた死んじゃった。
チーン。




