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次の地獄への道

 俺たちは、暗く見通しの悪いトンネルを通っていた。

 見えるものは無く、前を歩く人の背中以外は全て漆黒の闇に塗りつぶされている。


「くそっ!!

 なんで、わしが怒られねばならんのじゃいっ!!」


 そう強く呟いたのは、そのトンネルを先導して前を歩くパンナ・コッタ。

 その顔は苦虫を嚙み潰したような表情。


 そして俺は、先ほどあったひと悶着を頭の中で思い出した。



~~~~ ↓頭の中 ~~~~


「でしゅから、閻魔様。

 わたくしが賽の河原に戻った時にはでしゅね、もうすでに人と鬼の立場が逆転していたのでしゅ。

 いま、ここに連れて来た人間たちの差し金に違いありませんのでしゅ」


 焦りながらも弁明するパンナコッタだが、妖艶な閻魔大王がその巨体と同じく大きいため息をつきながらこう答えた。


「パンナコッタよ。

 そんなことは分かっているのじゃ…。

 じゃが、賽の河原の鬼たちは鬼の中でも最弱ゆえ流されやすいから注意せよとわらわは常々に言っておったじゃろう。

 鬼の管理者であるそなたは、この非常事態にどこでなにをしていたのかえ?」


「ギクリ!!」


 その瞬間、パンナコッタの顔は引きつり動きが止まった。


「人の過去を見通せるわらわにはもう、わかっておるのじゃよ。

 そなた、また熱狂しておるある意味迷惑系Vtuber ゲゲゲの桃太郎のライブ配信を見ておったな。

 しかも、反応欲しさに10万円の赤スパチャを5回も投下するなぞどうかしておるとしか思えん」


「あわわわわ(汗)」


 図星を刺されたパンナコッタの動揺した顔は、青ざめて口から泡が出始めた。

 それから、閻魔大王のパンナコッタへのダメだしが続いたのだが一時間も過ぎようという時に俺の後ろで控えていた女神が言った。


「今回もこのまま、わたしの出番はないのですか?」


 そんななんやかんやあって、俺たちは次の地獄に向かうよう指示されて、暗いトンネルを進んでいるのだった。












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