Hey、尻!
俺はとりあえずは、ファイアーボールの件は置いておく事にした。
「じゃあ、もうひとつ聞くけど、この『金のリンゴ』って何なのかな?」
「えーと、『金のリンゴ』ですね。
ちょっと待って下さい。コラボ企画とかあると、新しい情報ばかりで覚え切れないんですよ。
今、調べてみますから」
「ああ、そうだろうね。
コラボ企画は有難いんだけど、いっぱい見たことないスキルとか出てきて、始めて見ると戸惑う事が多いんだよね。
それ、凄く分かるわ。
でも、すまんけど調べてみてくれ」
そうお願いすると、ゴソゴソ何かを取り出すような音がして、悪魔(女神)はこう言った。
「Hey、シリー!『金のリンゴ』をググって」
ええええっ?!
調べるって《Hey、シリー!》なの? しかも、そこから《ググる》の? それって何か意味あるのか?
俺がそう思っていると、機械音声がそれに答えるのが聞こえた。
「ググってみたのですが、『お前らには教えない』と意地悪してきます」
すかさず、悪魔(女神)は応える。
「ならば、こうググって。
『我々は、あなた方と決して対立する意思はなかった。
しかし、あくまで《金のリンゴ》が何であるのかを開示しないなら、我々は最終的に武力行使に移管する用意がある。
この警告は、あなた達への最終通告であり、我々の慈悲である。
我々は、あなた達の賢明なる判断に期待する』と」
すると機械音声がすぐに答えた。
「『やれるもんならやってみろ! バーカ!、バーカ!』と言ってます」
それを聞いた悪魔(女神)が一瞬、怒りで身震いするのが分かった。
「フフフ(微笑)、いいだろう。ならば、やってやろうではないか。
そっちがその気ならば、我々は相手をしてやるだけだ!
Hey、シリー! 戦争の開幕だ!!!」
「イエス、マムッ!!!」
「ちょっと待て――――――――いっ!!!!!」
俺は我慢できなくなって、叫んでしまった。




