オセロにあんちょび
しばらく、真っ黒になったスマホの画面。
すると突然、画面がパっと明るく輝いた。
そこには、先ほど映っていた女の子の綺麗な片目がこちらを覗いていた。
その目をふたつ、みっつ瞬かせると、今度は思いきりスマホ画面の奥へと引き下がる。
そして、持っていた大きなハンマーを後ろに大きく振りかぶってから、いきなりこちらに向けて「せーのっ!」と振り下ろしてきた。
ガッシャーン!
大きな音がして、まるで液晶画面が砕け散るような演出に俺は少し驚いた。
代わりに画面に映し出されたものは、歯車がいくつもあるメカメカしい機械とベルトコンベヤー。
右側の方には、レバーのようなものがあり、引いて下げろとばかりに矢印が点滅する。
「むむむむ。どこかで見たような画像だが、これなら何をするべきかは分かり易い」
俺は一呼吸おいてから、そのレバーに人差し指をかけた。
そして、叫んだ。
「来い! スーパースペシャルレア(SSR)!
そしてさらば! 俺が血と汗と涙で貯めた『三百万円』!!!」
泣きそうになりながらも、気合と執念を込めて一気にレバーを下に引き降ろした。
と、突然、ボボボボボボボボ……、とスマホが有り得ないくらいに振動する。




