我は求道者(読み専)である。
我は求道者である。
今日もランキングと検索機能を用いて私と波長の合う作品を探す。
探し当てた時の喜びと、これからの展開に期待し心を踊らせる。
我は求道者である。
気に入った作品には指が滑るように動き、ブックマークとポイントを入れる。即座に感想欄に飛び、応援とどうか完結まで書いて欲しいと頼んでしまう。
ほんの些細な1人の言葉が作者様の胸を滾らせ執筆の一助となることを祈りながら。
我は求道者である。
なろう系とは何時から言われるようになったのだろうか。何故だと叫ぶ。何故、こんなにも素晴らしい作品が溢れているのに、そんな作品に限ってアニメや書籍にはならないのだと、日々、世間様のなろう系に対する目は冷ややかなものとなり、何時しかなろう系は蔑称の様なニュアンスも持つようになった。
我は求道者である。
蔑む者らには分からないであろう。
最高の作品に出会えた時の喜びを。
完結まで読み終えた後の充足感と少しばかりの寂しさ。
こんなにも素晴らしい作品を無料で読んで大丈夫なのかという感謝と困惑。
そうして我は瞬きの間だけ足を止め、また、歩き出すのである。
我は求道者である。
新着順に並べて検索をかければ、何百という作品が常に入れ替わり、何百という作品のひとつひとつに魂を込めて執筆している作者様達がいるのが分かってしまう。
総合ポイント順に並べれば、古き伝説の魔王たちが現れ、なろうの歴史を見せつけられる。
日間ランキングは魔境だ。新進気鋭の英傑たちが鎬を削り、突如として現れたダークホースが1位を掻っ攫って行くこともある。
だが、我々は忘れてはならないのだ。
石ころのように小さく埋もれていても、宝石のような輝きを放つのだ。新緑の森に頼りなく佇む若木でも、強い生命に溢れているということを。
我は求道者である。
もし、何十年後か先で記憶を消せる機械が発明されたとしたら、私は、私に向けてこれまでに読んだ最高の作品たちの題目を書き残して速攻で使う。いや、ほんとこれまじで。
記憶を消してもう一度読みたい。あの時の感動をまた、味わいたいのだ。だから私は追い求めるのだ。
我は求道者である
追い求め、焦がれ発掘して感激する。例え、後にその作品がエターナルと化してしまっても、我々の頭の中で常に次の展開を期待し待っている。
我々は追い求める者である。
元来、書き物は根気のいる行動である。そして、こういう強さにめっぽう慣れていない私はこの辺で終いにしようと思う。
最後に一つ伝えたい。小説家になろうの作者様方、私の心を震わせる物語を創ってくれてありがとう。