結局なにもわからない
「実は国境周辺で戦争というのか小競り合い? のようなものが発生したとかで、詳しくは不明ですがこんな場所にまで依頼が来てまして」
茶色と白の翼の男、ユーリがそう切り出してきた。
やっばり何かがあったのは間違いないようだ。恐ろしい話だ。
ユーリの手には依頼書が握られている。
「一応他の錬金術師の方々にも連絡はしてますが、なにせアカ様含めて3人しかいないので」
少しだけ苦笑いしながら依頼書を渡してくる。
キレイな依頼書はついさっき作られたものなのが一目でわかった。
依頼名 救援物資※※緊急※※
依頼者 ゲーライド王国国境警備隊、管理部隊、街イレイム 連名
期間 緊急
報酬 ギルド職員の判断による
内容 国境付近で詳細不明の敵対勢力による魔法攻撃あり。救援物資を求む。負傷者ありのため回復薬、物流の混乱で一定数の食料と水、敵対勢力の規模不明のため武器防具、魔道具など全て。
しっかり目を通していく。
本当に何もなわからないな。
「情報が何もなくて何が必要なのかわからんな」
「ええ、このゲーライド王国も王国とは名ばかりで小さな国が集まっただけの国ですからね。その街で情報を制限している可能性はあります。とりあえず何でもいいから支援してほしいという内容だと判断しました。なりふり構わず何でも物資が必要だということは、かなりマズイのかもしれません」
連合国的なあれか。
情報を自分たちだけで持って連携もとれないのなら一つの国として機能してないと思うが。
俺が気にすることじゃないな。
「で、どういう依頼だと思う」
「見る限りは何でも必要なのだということでしょう。一応、外部から緊急で依頼のあった以上、我々職員として少しでも動かなくてはなりません。アカ様は回復薬を作るのが得意でしたね。あの液体型の回復薬を納品いただけたらよろしいと思いますが」
またアレか。それに回復薬が得意なイメージを持たれてたのか。別にいいけど。
「わかった。俺もできるかぎり何かを作れるように動いてみよう」
「ええ、お願いします」
何か大変な事が起きているようだな。
大人しく椅子に座って待っていたコロンと合流する。
「長く話してたが何かあったのか?」
「街の噂通り国境で何かがあったらしくて、救援物資が必要なんだと」
「怖いなぁ。ここまで来るのかな?」
ここは国境からはかなり離れている。
だが、そうか。普通は怖いよな。チート能力が無ければ俺だってどこかに引きこもって震えながら外にも出ないだろう。
俺は今俺にできることをしよう。




