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ササササ……?

とりもちで捕獲ほかくに成功した。


紫色の肌、ヒトデのような星型で薄く毛は一切生えていない。


とりもちからのがれようと多分四肢をバタバタさせている。


まさか本当に捕獲ほかくできるとは思っていなかったので、どうするか迷った。


とりあえず何かの入れ物にいれて村人に見せるか。原因を見たら安心するだろう。


虫かごか鳥かごだな。他の入れ物はデカすぎて村に備付そなえつけてしまう。


虫かごは小さいので鳥かごに入れるか。


魔物を手で掴むと、鳥かごに押し込んだ。


最初は無抵抗だったが、徐々に暴れ始める。


持っている鳥かごがぐわんぐわんと揺れる。


これは、ダメだ。逃げはしないがカゴにぶつかってうるさいし、音で住民たちが起きかねない。


手で掴んでとりもちに押し付ける。


……大人しくなった。


なら鳥かごの中にとりもちを入れればいい。


鳥かごとりもちの中へふたたび魔物を入れると動けないのか、また四肢をバタバタさせるだけになった。


よし、俺の勝ち。


鳥かごに魔物を入れた俺は一先ず見回りを再開した。一匹とは限らない。



――――――――

――――――

――――



まだ朝ではないが、住民のコロンが家から出てきた。一番だな。


俺の姿を確認するとこちらへタッタッと駆け寄ってきた。この子はいつも走ってるな。



「おはようございます! 今日も見回りありがとうございます」



元気よくあいさつするいい子だ。こんな朝早くというかまだ日も出てない時間から動き始めるのか?


そして今度はペコペコし始めた。こちらもクセでペコペコしそうになるのを我慢する。



「いや、仕事だから構わないが魔物を捕まえたので確認してほしい」


「魔物を!?」



捕まえたらマズかっただろうか。


焚き火の近くに置いていた鳥かごを持って差し出す。



「ええ? これは……似てますがササササではない、ですね」



魔物を見て戸惑ったような声を出した。


勝手に俺もササササだと思っていた。見たことはないし、みんながササササの可能性があると言われた先入観でアナライズもしてない。



「アナライズ」



よくわからないものにはアナライズ。クセにしとかないと重大なミスを犯してからでは遅いな。


名前 ザザンザ

 レベル 22

 EXP 909

 HP 105

 MP 0

 力 80

 防 8

 魔 0

 速 1067

 スキル 毒の皮膚(パッシブ/毒ダメージ1毎秒) 麻痺の皮膚(パッシブ/30秒) 低腐食の皮膚(パッシブ/皮と布を腐食して破壊) 出血の皮膚(パッシブ/出血ダメージ2毎秒) 魔法ダメージ10%減少パッシブ 物理ダメージ10%減少パッシブ



……俺、掴んだぞ。


手を見るとが小手の布や皮の部分が完全に腐食して地肌が見えている。手のひらは握りが悪くならないように皮が使われていたんだが。


あーあ、また変えなきゃいけない。


体への状態異常は無効だが、鎧までは守られない。


最初に召喚獣を確認したいとかでブラックキメラに振り落とされてバラバラになったのを含めてこれで2着目だな。


そういえばあのブラックキメラはどこかで元気にしているだろうか。今もまだ走り回っているか、召喚獣というのが時間経過で消えてくれるのならもういなくなっているだろう。



「なんでしょう、あだしはこんな魔物は見たことがないです」


「ザザンザという魔物だ」


「ザザンザ!! ササササの進化後の魔物ですよ!?」



さも知ってましたと話す。ササササすら知らないやつが何を言ってるんだと自分に言ってやりたい。


だが、もうこのキャラは突き通すのだ。


この村は動くのが早い。他の村人も集まり始めた。もしかしたらコロンの大きな声で起きたのかもしれないが。


このあたり一帯は基本的にプチプチしかいないと聞いていたが、何が起きているんだろうか。

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