街、メルートでは
ハンターチーム、緑のクチバシ。
彼らはグレストルから近いメルートの街を拠点とし、等級は2級と高く、通常は2人以上で行動する5人のメンバーからなる失敗のないハンターチームだ。
彼らの手の中にはグレストルのギルド発行、緊急依頼書が握られていた。
「このあたりの2級は私達しかいないわね」
魔法使いのようなツバの広い帽子をかぶる金髪の女が口を開いた。
2級ともなると強い魔物やダンジョンが少ないグレストル周辺にはすくなくなるのだ。
「だが見ろ。詳細を。なんだ? このいい加減な詳細。皮膚が伸びて攻撃している可能性が高い、とは。可能性ってなんだよ。冒険者に確認できるやつはいなかったのか? ランクが低くとも確認ぐらいはできるだろうが!」
忍者のような出で立ちで目元以外を布で覆った男が依頼書を苛立たしげに指で何度か叩く。
「新種ねぇ……。物理と考えて間違いない、魔法による攻撃不明。さてさて、魔法を使ってくるのかしら。使ってこないならあたしだけでも盾役できると思うのだけれど」
ヒゲの濃い剃り跡を残したゴツい男がシナを作りながら依頼書を読み上げる。隣には彼が使うだろうタワーシールドが磨かれて光を反射している。
「受けるなら全員でだ! 受けないなら全員この依頼には手を出さない! 依頼内容を見るに楽に達成できる可能性もあるが、問題が発生する可能性のほうが高いと見てる。でもこれはチャンスだと思うんだ! しばらく1級に上がるチャンスを逃してる。緊急依頼のクリアは昇級に使える! この街で1級が出るんだ! どうだろうか、みんな、力を貸してくれないか?」
金髪の若い男が鼓舞するように力強い声を出す。
銀色に光る鎧を身にまとい、ほのかに光る剣を腰に装備して剣士然としている。
「……いいんじゃない?」
頬に傷のある弓兵の女が壁に背中を預けたまま、小さくつぶやく。少し口を開いたが、直ぐに首に巻かれた布に口を埋めてしゃべらなくなった。
全員の肯定した態度を確認すると金髪の男が依頼書を持ってギルドの受付へと歩いていった。




