辺りを調べる
〜主人公Side〜
全ての項目を確認し終わった。ステータスも死なない事を前提とした割り振り、防御力やHPMP等のパッと見でバレないステータスを伸ばした。力や速さはかなり低くした。
どういう世界か知らないが、超人扱いだけは嫌だ。この世界をゆっくりと見て回りたい。
しかし、長かった。
多分30時間以上スタート画面から動いてなかっただろう。
全部あったんだ。
俺の人生がここに全部。
アイテムの項目にゲームで自分が組み立てたはずの宇宙船とか入ってるし、まだ確認できてないことも多い。それを取り出したらどうなるか、どんな大きさか、機能するのか、操作性とか色々確認しなくては。召喚術に街やキャラクターの項目があったりもするのだ。あれらも召喚したらどうなるか確認したい。
まだまだやることは多い。
スタート画面の右上に☓ボタンがあるので、コレを押せばスタート画面から抜け出せるはずだ。
時間が止まっているからか、眠くはならなかったが少し目がつかれた気がする。
「うおっと」
足が地面を捉えた感覚。
それらを噛みしめる前にしなくてはならない事がある。
“スタート!”
スタート画面が開いた。
用事はないのですぐに閉じる。
「よし、問題なく画面を呼び出せるようだ」
これでもし呼び出せなかったら、しばらくスタート画面を探す羽目になるところだった。
手足はいつも通りに動く、体術スキルレベルをMAX(10レベル)にしているからか、フルプレートメイルを装備していても体は軽い気がする。
“マップ”
半透明のウインドウに地図が現れる。
マッピングしてないので、ほぼ全部真っ黒だ。
ちゃんとマップ機能はあるようだな。
「サーチ」
魔法やスキルは詠唱しないといけないらしい。
面倒だが、そういうルールらしい。ヘルプの項目に書いてあったのだからきっとそうなのだろう。
サーチの魔法は周囲の探査に使われる魔法だ。
説明文をスタート画面で確認したが、周囲半径 1cm ✕ 1MPという曖昧でよく分からない事が書いてあった。
元のゲームとは明らかに違う魔法になっているところを見ると、この世界に合うように全ての魔法やスキルが最適化されていると思った方がいいだろう。
“データログ”
データログを念じると自分の身に発生した情報を確認できるとヘルプにあった。
先程のサーチによるMP消費量は5435らしい。
感覚での扱いなので丁度1000消費するとかの微調整は難しそうだ。
もう一度マップを呼び出すと、サーチによってマッピングされて確認できる場所が広がっている。
そして、近くの確認できる物もサーチでチェックされたようで、何も見えないぐらい白い丸で地図が埋め尽くされている。
説明ではこの白い丸は獲得できる所有者のいないアイテム、ということらしいが、ありすぎだろ。
試しに一つマップ上で確認してみたら【素材 花崗岩35g】と表示された。
いや、ただの石かよ。確かに獲得できる所有者のいないアイテムなのかもしれないけど、こんなのまで表示されたら面倒だな。
アイテムの白い丸をOFFにすることもできるのでOFFにする。アイテムの白い丸だけで何も見えなくなってしまうから仕方がない。
白い丸を消すと、今度は赤い丸がいくつもある。
赤は魔物だ。
試しにマップ上で一つの赤い丸を確認すると【魔物 プチプチ レベル2】と表示された。
プチプチなるものがどんな魔物か知らないが、すごく興味が湧いてきた。
やっぱり冒険ってのは未知を探るから楽しいんだよな!
そして緑の三角表示されているものが3つある。
赤い丸と戦っているかのように近づいたり離れたりを繰り返している。というか、戦ってるんだろう。
説明では緑の三角は人らしいが、どんな奴が戦っているんだろうか。
プチプチの動きも見れて一石二鳥だし、マナー違反かもしれないが戦っているところを覗かせてもらおうか。