表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

118/120

鑑定!

「鑑定!」



男の体から大量の魔力を使う時に起きる青い魔力光が発生するほどの力の込められた鑑定魔法が発動された。



ブラックキメラの素材

レア度 ★★★★★▲○◆不明

名称 ブラックキメラの血液

効果 魔力のない魔物から取れる特殊な素材。毒はない。体へ取り込む事で▲○◆不明



空になったMPによる虚脱感に襲われて鑑定士の男は膝を付いてその場に崩れる。MP容量の大きいものほど空になった時の虚脱感は大きいと言われているため、彼のMP容量は大きい事が伺えた。


体を支えようと机に手を出したために机上の束になった紙や筆が床に散らばって激しい音がなる。


レア度すら確認不可。効果も一部のみ。


こんなことは彼が鑑定士になって初めての出来事だった。



「ど、どうしまし……!」



外で控えている鑑定士の補助が部屋の大きな音に慌てて入ってくるが、散乱した部屋と這いつくばった男を見て息を飲んだ。


直ぐに落ち着きを取り戻すと鑑定士に駆け寄り抱え起こす。



「大丈夫ですか!」


「いや、大丈夫ではない。私の負けだ。私は……負けたのだ」


「はい? ……まさか侵入者ですか!?」



補助の男は鑑定士を支えたまま辺りを見渡すが、散乱した部屋というだけでなにもない。


そもそも鑑定士は戦闘力を持たないために侵入者に襲われれば勝ち負けどうこうより生きてはいられない。



「わかったのはこれだけだ。私は疲れた。部屋で休む。どうするかの判断は国へ投げてくれ」



呆けている補助へ確認できた詳細の書かれた紙と現物を手渡すと部屋を片付けもせずに出ていった。



「…………あ、はい」



誰もいない部屋に返事をして補助の男は渡された素材と鑑定用紙を置くと部屋を片付け始めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ