夜の街にて
見てくださった方、ありがとうございます。これでは短い小説をこれからも書き続けて行こうと思いますので、出来ればブックマークや感想などをお願いします。モチベーションになりますので。
全く活気がなく、どんよりとした真夜中の一本道を運命に導かれるがまま一人の青年が歩いていた。一歩一歩進むごとに、コツ、コツ、とした足音が一本道全体を包み込む。その青年はひたすら一本道を迷いなく進んでいく。
その時、青年の頭の中に突然年が同じくらいの女性が浮かぶ。その女性は、明るく、活気に満ちた女性だった。負けず嫌いで勝負事には赤色の靴を履く、というよくゲン担ぎをしていたような女性だった。
一度、その女性と靴屋で出会うことがあった。その時女性は、いつも履いている、という黒色の靴を買っていた。そのあとなんとかデートにこぎつけたのはいい思い出だ。
それから、デートの回数を増やし、今では月一の頻度でデートができている。
そのような楽しい記憶を思い出しながら青年はコツコツと歩く。
なぜ歩いているのかは青年にもよくわからなかった。が、何か良いことが起こりそうな予感があった。
そして、一本道は終わりを告げ、T字路へと姿を変える頃、一本道からT字の左へと歩く黒い靴の女性がいた。
あの人だ。そう確信した青年はタッタッ、と足を速める。後ろ側から希望の光が差し込んできそうだった。
自分の未来は明るい。もう少しで手に届く。そう思いながら青年はT字を左に曲がる。
「待って。」
青年の後ろから放たれた声は彼の耳には届かなかった。
青年が完全に左に曲がったあと、一本道では運命に導かれた赤色の靴と地面がグシャリ、と強く擦れあった光景だけが懐中電灯の光で静かに光っていた。
おそらく、「?」となっている方がおりますので解説したいと思います。
まずは登場人物ですが、知らない女、青年、青年の好きな女となっております。
そして、青年は知らない女を好きな女だと勘違いして、アプローチしに行ってしまいます。
しかし、好きな女は青年の後ろにいて、振り向いてもらえなかった、ということです。
ちなみに蛇足かもですが、男は「まだ片思い」だと思っているから、黒い靴を履いている女を好きな人だと勘違いしてしまいました。
しかし、女の方は勝負事の時によく使う赤い靴を履いていました。これは、男に気がついて欲しかった、ということです。
この些細な入れ違いを書いてみました。
また、新しい話を更新しようと思っていますので、ブックマークや感想などお願いします。