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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

人間は自ら作った社会の諸問題を解決できない

作者: 哀岬 ふうか

はじめて短編小説を書いて見ました。

長編小説の連載を続けているので、ちょっとした気分転換です。

というか、ダイレクト投稿というものをしてみたかったので、本当に短いですが、お試しということでご勘弁ください。

ジャンルをどう設定したらいいのかわかりませんので、まったく見当違いなキーワードとかでやってこられたみなさんごめんなさい。


SFでもなければ、転生ものでも、異世界でも、といって現実世界でも外しそうです。

日常のような気はしますが、伝記でも、戦記でも、恋愛ものでもありません。

史実に基づいているかと言われると、さすがにこの時代のことですから、わかっているようで、実は正確なことはよくわかっていないと思います。

もしわかっていたとしても、数か所で発掘されているところだけの者から見た想像ですから。

怪獣も、魔法使いも、ヒーローも、亜人も(あ、ネアンデルタール人っぽいのは出てます)出ませんし、ホラーでも推理でも、ゲームでもありません。


原始時代、洞穴生活をする多感な思春期の女の子の気持ちになって書いてみました。

ということで該当ジャンルなしで、よろしくお願いします。

ジザは洞穴に住んでいる。

何世代も前から、ジザの一族はだいたい60人規模で、洞窟の中で生きてきた。


洞窟の外には危険がいっぱいだ。

ジザのような子供(ガキ)は、子供だけで外へは出てはいけない。

特に日が暮れたら、大人と一緒でも出てはならない。どこに獣がいて、爪も牙もなく、脚も遅くか弱い自分たちを狙っているかわからないのだ。

大人であっても、獣に狙われたら、ただひたすら逃げるほかはない。

そのとき子供がいたら逃げられなくなり、結局子供を見捨てて逃げるか、子供を守ろうとしていっしょに食われるかなのだ。


ジザはメスなので、日の明るいうちに親のゴスや姉のザン、他にも何人もの大人のメスたちと木の実や草を採りに行く。

8つ、飾り玉をもらったときから、大人といっしょに仕事をすることが決められている。

この洞窟の者は、オスもメスも、ジザの部族でないが一緒に暮らしている、センシと呼ばれるゴリラのようなメスの子供も、みな湖に氷がはり、温かくなってそれが解けると飾り玉を一つもらう。

本当は、ハスパというまじない師の婆様が、氷が融けたという日、『ハルヒ』にもらえるのだが、それを首からかけておくのだ。


そして、その飾り玉が14個までは子供(ガキ)とよばれる。オスは14個玉をもらったら、玉を返して腕に入れ墨をする。それも『ハルヒ』に行われる。

そして、7つまでは洞窟の外の決まった場所以外には出れないといった、いくつかのきびしい決まりごとをのぞけば、とても自由だ。


特にオスの子供は、なにもしない。ごろごろしたり、喧嘩をしたり、はしりまわったり。それでも大人はなにもいわない。

オスの子供はすぐに泣く。いらないことばかりするのでケガも多い。病気もする。乱暴なくせに弱い。同じ玉を持つオスはみんなジザより身体が小さい。


メスの子供は遊ぶのは嫌いじゃないが、すぐにつまらなくなる。ジザも玉4つくらいのときから、姉のすることを見て、ゴスたちの手伝いをした。

草をたたいたり、皮をこすったりするくらいだが、早くからジザはすじがいいといわれたからよく手伝いをしたが、そこに強制はなかった。


期待されるのは嬉しい。自分が人の役に立っていることはとてもいい気持ちだ。

だが、玉が8つになると当然のように仕事が回ってくる。

水を汲みに行くための、大きな葉っぱを組み合わせた入れ物をつくったり、たまには水を川まで汲みに行くことも増えてきた。


オスも同じような仕事をさせられるが、またいらないことをして怒られる。ジザと同じ時に8つめの玉をもらったオス、コゾは入ってはいけない池に入ったため、血をすうスイツキにたくさん取り付かれて、足から血が止まらないで困ったりした。


オスなんか部族にいなければいいのにと思うが、オスもいなければメスは子供は産めないのだとザンが教えてくれた。ザンはゴスに、前の族長ビラ・ドンがたねつけして産まれた。

ジザは今の族長ババ・ドンのたねつけだというが、その話は人前でするなとゴスは言う。

別に、ババ・ドンと仲良くしたいわけではないので、そんな話をする気はないけれど。


この数日、ほとんどのオスはいない。センシもいない。いるのは、残ったオスの子供たちを使うオスが2人だけだ。

いなくなったオスたちは、この近くで取れなくなった獲物を探しに遠くへ行っている。


ハスパは、大昔はオスは獲物を獲りに行ったりもしなかったと教えてくれる。それは外がずっと寒くて、一族の数がすごく減ったときだという。

いつまでたっても湖の氷が解けず、食べ物がほとんど手に入らなくなって、オスはどんどん死んでいったらしい。

そのときのことをジザたちはサムイサムイと呼び、ハスパも見たわけではないらしい。もしもまたそんな時が来た時のために、語り継いでいるのだ。


洞窟の壁には、そういった語り継がなければならないことを、移り住んだ時に必ず絵で描いておく。

子供たちはその絵を見て、地面に同じ絵を描く。一番うまく描けたもの何人かが、次の洞窟に行ったときに壁にまた同じ絵をかいてきた。

そして、一つずつまた子供たちに語り継いでいく。そうやって、普段起こらないが、いつ起こるかわからないことを洞窟のみんながわかっているようにするのだ。


ハスパは言う。


「オスに狩りをさせていたら、最後にオスが子供3人だけになってしまった。ほとんどは外での他の部族との争いに負けたのじゃ。」


それで、オスは外へ出さなくなった。オスがいなければ、たねつけができず、新しい子供が生まれないためだ。

それに、オスは生まれても育ちにくい。オスが少なくなってしまうと、自分がたねつけしてできた子供にもたねつけしなければならなくなる。


「自分がたねつけして産まれた子供でも、14個玉がもらえたメスなら、たねつけしていいのだろう?」


ハスパは教えてくれる。


「それはあまりよいことではないと言い伝えられている。」


なぜかはハスパも知っていないらしい。


「じゃあ、ずっとオスは外へ出さなければいい。センシだけにさせておけばいい。」

「しかし、センシは道具を使えない。力はヒトより強いが頭もよくないので、相手が他の部族のヒトであれば、殺されてしまう。」

「センシはあんな強いのに。」


道具はそれほどの力があるのか。


「それに──、オスがまた増えてきたとき、やはり外へ出さなければならなくなったのは、狩りのためではない。サムイサムイの間は、メスが狩りに出ていたのだから。じゃが、数が増えたオスは、洞穴の中においておくと喧嘩をしたり、邪魔で仕方がなかった。」

「今でもそうだ。オスの子供はギャーギャーうるさい。なにもできないくせに。」

「そうじゃろ。それでメスたちは言った。『やはりオスのとるような大きな肉が食べたい』と。オスは、それまで狩りをしたことのない子供が育ったものばかりだったが、次第に教育して自分たちで行かせるようになった。」

「死ななかった?」

「死んだ者もいたらしい。しかし、生きて帰ってきたものの子は、また強い子を産むたねつけができる。弱いものや生き残れないもののたねつけでは、また弱い子が産まれてしまう。」

「生き残れないもの?」

「生き残るには、力だけではなく知恵というものが必要じゃ。ジザのように、このハスパのような知恵のある者の話をキキリカイする力、そしてそれを生かす力じゃ。」

「ジザにそんな力があるの?」

「それにジザにはカンガエルという力があるとみておる。もしかすると、将来このハスパよりも、えらいまじない師になれるかもしれんぞ。」

「えー。」


まじない師はえらい。でも、たいへんな仕事だ。危険もたくさんあるし、今のように族長がいないときは族長の代わりもすることがある。

それに、くさい草や、いろんなイキモノや死骸を集めたりして、とにかく気持ちの悪い仕事だと思っているジザは顔をしかめた。

たしかハスパは、コゾがたいへんなことになったスイツキを使って、病気を治したりもする。そんなことはジザにはとてもできない。


「まだ何十年も先の話じゃよ。ハスパの次のまじない師はきまっておるしの。」


それは知っている。ジザの生まれる前から、一族の人数よりもたくさん飾り玉を持っているハスパの次は、もうブカがすることになっていた。

ゴスと玉の数がほとんど同じのブカは子供を産まない。

そうだ、まじない師になるものは、たねつけもしてもらえないのだ。

でも、ジザは自分の産む子供も抱いてみたいたし、乳もやってみたかった。


もう何度も、産まれたばかりの子供の世話はしたことがあるけれど、乳は子供を産まないと出ないのでやったことがない。


「やっぱりいやだ。ジザは子供が産みたい。」


「そうか──。ではしかたがない。」


ハスパは残念そうだ。病気になったときに直してもらったり、ハスパにはとても感謝しているが、いやなものはいやなのだ。


「でも、ハスパの話は聞く。おもしろいから。そして、小さい子供たちに話してやる。」

「それはうれしいの。じゃあさっきの続きじゃが、知恵のあるオスは、道具を作ったり、もっとよくしたり、あるいはキケンを見つけたり、キケンから早く逃げる力を持つ。それで、大きな獲物を獲ったり、生き延びて帰ってくることができる。ババ・ドンはそうして族長になった。」


「ババ・ドンはえらいの?」

「ババ・ドンはカシコイのじゃ。ジザもその血を引いているからな。」


ジザは、えらいと強いはわかっていたが、カシコイの意味がよく分からなかった。


「それは言うなとゴスが言ってた。」

「ん──?そうか、ゴスは前の族長のメスじゃったからの。しかし、ジザが産まれたのはビラ・ドンが死んで二度もハルヒが来ている。それでもオキテはオキテなのじゃな。」


ハスパは困ったオキテもあったものじゃ、と言いながら自分の仕事場に戻っていくのだった。


読んでいただいてありがとうございました。

こんな物でも見てくださる方が多いようであれば、続編など(今のところノーアイデアですが)書いてみたいと思います。

一方で毎日ほとんど、一本これ以上の長さの連載を継続中で、いよいよ山場になってきているタイミングで、なかなか筆が進まないための逃避行動です。


そんなことをしている暇があったら、早く続きを書けと叱られそうです。

そっちのほうは中世っぽい魔法ありの世界へ転生もののありきたりな(?)お話です。

この文章なら読んでやってもよいと思えて、興味があれば、「哀岬ふうか ハルン戦記」でご覧ください。^^;

断っておきますがタイトル詐欺です。戦記物ではありません。


ということで、時間がないので時代背景とか、現在の考古学でどの程度まで判明しているかなどの下調べなしで書いております。

そのあたりの設定については、調査が足りない!とかのお叱りはご勘弁ください。


まあ、これほどの国際社会とか、複雑な視界構造になっていなくても、人間というのは社会というものを作ったルールから発生する問題というのを抱えていて、しかしそれを克服できないことが多いよね、というようなことがにおわせられたらいいかなぁ、程度のお話でした。

ちゃんちゃん。

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