依存性
三人の様子です!
奏に改めてこうなったか経緯を説明する。
「はぁ~、まぁ、理由はわかったけど今度から私も誘いなさいよ。一応、聖夜も男なんだから!」
「一応って……。」
「あはは、奏は心配しすぎたよ。家でも血を吸っていたんだから大丈夫だよ。」
「たく……。世良の方に最初に来て良かったわよ。聖夜のところに最初行っていたら、どうなってたか……。」
奏の話を聞いてどっち世良のところと自分のところとどっち行くか迷っていたのかと聖夜が思っていると、その言葉にピクッと世良が反応する。
「奏、私のところと聖夜のところとどっち行くか迷っていたの?」
「?まぁ、そうね。」
「もし、私が寝ていて聖夜が起きていたら、聖夜ところ行って話してたの?」
「まぁ、そうなるでしょうね。」
「その格好で?」
「えっ………!?」
奏の格好を見ると世良と同じネグリジェで色が水色のものだ。奏の頬を真っ赤になっていく。
「これは、違うのよ!って、何見ているのよ!聖夜は!」
「いたた!頬をつねるなよ!」
「何が違うのかな?別に遥のところでもいいじゃないかな?」
「確かにそうだけど……。やっぱり長い付き合いだしさ……。こういう時は落ちつくのよ……。」
「奏……。」
聖夜に目線を合わせないように言葉を放つ。なんとなく嬉しくなる。
「それでもだよ。その格好でいくかな?」
「寝付けなかったからそのまま来たのよ……。だけど、それいうなら世良はどうなのよ?私とほぼ一緒じゃない!」
「確かにそうだけど、他の人ならともかく聖夜なら別に私は問題ないよ!」
「そう言われとかなわないわよ……。」
諦めたように奏が頭を抱える。世良はこっちを頬を赤くして見ている。なんだろうな……うん!いつも通りですね。そう思いこもうとする聖夜。その後は、いつも話するような他愛のない話をする。そして夜も遅くなって来たので聖夜と奏は戻ることにする。帰る前に聖夜は試験管に入った血を渡す。自分の部屋で血を取り、それを入れてある。理由は単純に聖夜が朝が弱いのと他の生徒等に鉢合わせになる可能性が高いからだ。それで世良が血を取り込めなければ大変だからだ。
「じゃあ、私と聖夜はそろそろ部屋に戻るね。」
「うん!ありがとうね。聖夜、奏!」
「明日も早いからしっかり休めよ!」
「あはは。もう結構遅いけどね。そうだ!聖夜、奏を部屋送っていきなよ!」
「そうだね。一応なんかあったらいけないし。」
「いいわよ。私の部屋と聖夜の部屋反対だし!」
「いいから!奏、ちょっとまだ話したいし!」
「そう?じゃあ、お願いするわよ。」
「じゃあ、決定だね!あっ、でも奏の部屋行くのはいいけど何もしないようね!」
「何もするわけないじゃん……。」
挨拶して、世良の部屋をあとにする。奏と二人きりになる。
「聖夜は、やっぱり世良のこと大事?」
「当たり前のこと聞くね。そりゃあ、大事だよ。奏は嫌いか?」
「そんなことない。私も世良のことは大好きだよ。友達してね。私のことはどうなの?」
「大事かどうかってこと?」
「うん、中学までは一緒だったけど高校は違うところ私だけ選んだじゃない?それで嫌いになったするじゃないかなってね……。」
奏はいつもと違い弱い口調で話す。顔もうつむいている。
「そんなことで僕は嫌いにならないよ。」
「うん。聖夜ならそう言うとは思っていた。世良って聖夜に依存してるじゃない?」
「まぁ、そうだね。別に僕としては問題ないけどね。」
「聖夜ならきっとそうよね。私が別の学校に行った理由がそれよ。」
「意味がわからないだけど?」
「依存しているのは、世良だけじゃないってことよ。私もたぶん聖夜に依存していると思う。」
「そうには見えないけどな……。」
奏の発言に聖夜は少し驚く。長い間ずっと一緒に行動しているがそうには思えない。
「気づかれないようにしてただけよ。だけど、大事なところではいつも頼ってばかりだわ。こういう態度もそれを隠したいのがあるのよ……。」
「別の高校行ったのもそれを隠す為なの?」
「それは違うかな……。これ以上依存すると聖夜に負担かけると思ったのよ。世良にあんだけ依存されていて私までこれ以上依存すると聖夜にかなりの負担をかけると思ったのよ……。」
どんどん出てくる奏の発言に聖夜の驚くしかない。おそらくは依存性の高い世良が近くにいたから気づかなかっただけかもしれない。
「別にいいじゃないかな?」
「やめてよ。そんな優しい言葉かけられたら本当に聖夜なしじゃあ生きれなくなるから……。それはきっと聖夜に迷惑かけることになる……。」
「僕は別にかまわないよ。依存と言うなら僕も世良や奏に依存していると思うし。それに人って誰か信頼できる人がいないと生きられない生き物だからさ。」
「本当にいいの……?」
「うん、かまわないよ。僕にとってそれは嬉しいことかな。」
「……やっぱり聖夜ってM?」
「なんでそうなる?」
「自分が苦労するのに嬉しいとか完璧Mでしょう?」
先ほどとは違い笑みを見せる。どうやら少し元気が出たみたいだ。
「奏の部屋では、聞けなかったけど私の今の格好どうかな?」
聖夜はどう答えるか迷う。確かに魅力的な格好だが、正直に答えるか迷う。
「さっきは変態とか言ってなかったけ?」
「それはそれよ!正直に答えて!」
「まぁ、なんだ似合っていると思うよ!」
「そ、そぅ……ありがとうね。」
奏は嬉しいそうにしながらもうつむく。やや頬も赤くなっている。やがて奏の部屋につく。
「聖夜、ありがとうね。きっとこっち来て不安だっただと思うの。だから、今日のことは忘れなさいよ!」
「どうだろうね。奏の普段聞けない気持ち聞けたから嬉しかった。だから、忘れないかも」
「そこは忘れないさいよ!……ねぇ、部屋に上がっていかない?」
「えっ!」
その言葉にドキッとする。しかしすぐに奏が言葉を繋げる。
「冗談よ!変態を入れるはずないじゃない!」
「お前な……。」
「あはは。本当にありがとう!明日朝から訓練だから早く寝なさいよ!」
そう、言うと奏は部屋に入る。それを見た聖夜も部屋に戻る。
「ここで本当に部屋に入れたら私ずるいよね……。世良にはあんなこと言ったのに……。」
奏は部屋の中で小さい声で独り言を言ってからベッドに潜り込む。胸をドキドキさせながら、やがて深い眠りについたのだった。