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僕の世界の吸血姫と異世界の吸血姫との出逢い  作者: pmしょう
異世界召喚編<1章 エクソシストと吸血姫>
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世良の不安

久しぶりの更新です?

夜も深くなり聖夜が気配を消しさらに相手に認識されないようにする。世良に吸血をさせる為に世良の部屋に移動するからだ。夜に部屋から出て兵士に見つかると面倒なことになると考えたのだ。念には念を入れ、部屋に誰か来たときの為に寝ていると思わせるようにする。明かりを消してさらに外から鍵をする。ちなみに鍵は配布されない。これもエクソシストの技能の一つとして聖夜が身につけた物なのだ。周りを気にしつつ移動する。兵士は通るが聖夜がいることには気づかない。術が効いているようだ。そして世良の部屋の前にたどり着きノックをする。


「は~い?」

「世良来たよ。」

「やっぱり聖夜か!」

「うん。きた………!!」


出てきた世良の姿に息を飲む。普段の寝るときは可愛らしい猫の柄のパジャマだがここにはもちろんない。大きな衣装部屋が男女共にあり、そこから服を選ぶのだが世良が選んだのが、ピンク色のネグリジェだ。もちろん普段より露出度は高い。目のやり場に聖夜はかなり困る。


「どうしたの?あっ!ひょっとしたら私の姿に見とれているの?」

「そ、そんなことないよ!普段一緒に入るのにそんなことないよ!」

「本当に?」

「本当に!それより血を吸わせに来たんだから!」

「あっ、そうだったね。じゃあ、立ったまま吸うの辛いからベッドの方に来て!」


妖艶な笑みを浮かべばながらベッドに案内される。聖夜は何かされないか不安になりつつ世良の後についていく。


「ここだよ~。」

「あ、あぁ……。」


少し戸惑いながらも聖夜はベッドに座る。聖夜は裾をめくり世良に腕を差し出す。


「んっ………。」


聖夜の腕にゆっくりかむ。いつもと違い肌の露出度が高いから世良の肌が触れて柔らかい感覚が聖夜に伝わる。歓迎の食事会の後にお風呂に入る時間があり世良もお風呂に入っている。世良の髪の毛が聖夜の顔の前にある為に石鹸のいい香りが鼻を刺激する。頭の中で円周率を必死に数え冷静を保とうする。これからこれが毎日続くと思うと理性を保てるか不安になる。少し恥ずかしいのか世良の頬は少し赤い。


「んっ、ありがとうね。痛かった?」

「まぁ、いつものことだからじゃあ、また明日ね!」


そそくさと戦力的撤退しようと試みるがそれを許さないのが世良である。


「もう戻るの?せっかくだからもう少し話そうよ~。それとも私の姿にやっぱり興奮してしまったとか!?」

「いやいや、そんなことないよ!明日も早いし!!」


顔を真っ赤にしながらも後ろを見ないように答える。すると世良が……。


「お願い。もう少しだけでいいから……。」


寂しいトーンでそう言われて後ろからゆっくりと世良から抱きつかれたら断るはずもない。頭をかきながら聖夜が答える。


「はぁ、わかったよ。もう少しだけね。」

「うん!ありがとう!」


先ほどとは違い明るいトーンで世良が返事する。聖夜がベッドに戻り世良の隣に座る。聖夜は目のやり場に注意しながら話をする。話の内容としては学校の話や子供の頃の話がメインになる。二人は話に花を咲かせる。やがて異世界に召喚された今日の話となる。


「聖夜はやっぱりこの知らない場所に呼ばれて不安?」

「そりゃあ、不安にはなるよ。クラス全員そうじゃないかな?世良もやっぱり不安か?」

「そりゃね。不安になるよ。あっ、でも違うかな?」

「不安じゃあないのか?」

「そうじゃなくてさ……。私はずっと不安なんだよ。」

「なんで?」

「そりゃあ、不安にもなるよ。あの日逢ってからずっとね。だって聖夜や奏はずっと私の為に行動してくれたじゃあない。人間じゃない私の為に……。」


その言葉に聖夜は世良の方に目を向ける。先ほどまで聖夜の顔を見ていた世良は今度は反対方向の斜め下を見ている。


「聖夜はさぁ……。本当に優しいだもん……。エクソシストになったのも私の為だったし、学校に通い出して、友達の出来ない私のそばにずっと行ってくれたのも私の為だし……。聖夜はずっと私の為に犠牲にして来たんだと思う。」

「それは違うよ。」

「違わなくない!!私ね、時々思うだよね……。もしも聖夜や奏が私と出逢ってなければきっとも幸せに暮らせてたのかなって……。そんな幸せを奪ったじゃないかって……。」


世良はこっちを向かうとしない。世良はずっと不安だったのだ。聖夜や奏に頼りきりで迷惑をかけているじゃないかと……。いつからそう思うようになったのか覚えてはない。世良はその気持ちを隠してきた。たが、異世界召喚が起きてしまった。ここはクラス全員が知らない世界になる。ここに来てしまったら、きっと世良はもっと迷惑をかけてしまうじゃないかと……。そう思ってしまったら、いままで隠して気持ちを吐き出さずにはいられなくなった。言ってはいけないとわかっていたのに……。すると聖夜は世良の肩を握りこっちに無理やり顔を向けさせる。世良の目には光る涙が溢れている。


「ごめん……。」

「なんで聖夜が悪くないのに謝るの?」

「本当にごめん……。」

「聖夜は悪くない……。悪いのは弱い私なの……。」

「世良は悪いない!世良がこんなに不安になっていたなんて気づかなかった。本当に情けないね。」

「そんなことは……!」

「世良聞いて?別に不幸じゃないかって思ってないよ。むしろ今は幸せだよ。世良がいて奏がいて他にも友達はたくさんいる。」

「……うん。」

「僕は世良達と一緒にいることが幸せなんだ。」

「…………うん。」

「その為なら、僕のできることなら、何だってする。キズの一つや二つくらい喜んで付けてやる。」

「…………………………………………………聖夜ってやっぱりM?」

「…………………………………………………なんでそんな話になる?」

「だって私の為なら喜んで痛い目にあうってことでしょう?」

「発言のニュアンスおかしくないか?そう言う意味で言ったじゃないよ。」

「あはは。冗談だよ。おかげ不安が少し取れたよ。ありがとうね。」

「それはどうも……。だけどさっき言ったことは本当だからね?」

「うん……。わかっているよ。」

「不安にさせることもこれから先もあるかもしれないが最後は絶対に幸せにする!」

「うん!本当にありがとうね。元気でたよ!!」


世良はどうやら元気が出たみたいだ。かわいい笑顔を見せる。その笑顔を見て気づいたが思っていたより近い。肩に先ほどの手を置いたままだ。世良はそれに気づき目を見つめる。顔と顔の距離は30センチ程しかない。その距離が更に縮まっていく。その距離が20センチくらいになったその時だった。


「世良~。寝付けないから遊びにきた……!!」

「「か、奏!?」」


二人の声が重なり、聖夜があわてて立とうするが世良が聖夜の服を握っていた為にうまく立てずに足がよろけてベッドの方に倒れてしまう。そのせいで更に顔と顔が近づき、世良と聖夜は顔を真っ赤にして見つめあってしまった。


「寝付けないから世良の部屋に来てみれば、本当に聖夜が夜這いに来てたなんて………。」

「か、奏落ちつけ!これは違うだ!」

「本当にそうだよ!奏!まぁ、私は別にこのままでも良かったけど……。」

「顔を赤くして、そんなにこと言わないでよ!世良さん!!!」


聖夜があたふたしていると奏が……


「聖夜の変態、バカ、最低!!!!!!」

「だから、誤解だ!!!!!!」


世良の部屋に大声が響き渡る。ちなみに音が漏れないように聖夜が結界を張っているから、外にはその声は聞こえないのだった。


もう一つの<異世界召喚ある日森の中で熊さんに出逢った?いいえ聖霊石の少女と出逢った>は修正を進めて行っています。

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