異世界に召喚されて
異世界に召喚されて直後の話です。
聖夜はゆっくりと目を開ける。そこには教室とは違う別の風景が広がる。室内ではあるがそこはとても広くて、床は大理石になっていてピカピカに磨かれている。天井の方には大きなシャンデリアが何個もありキラキラと輝いている。さらに金や銀の飾り付けが至るところにしてある。すると後ろの方から声が聞こえる。
「ようこそ!異世界から来られし者達よ。我が名は第5代目のクロノス国の王カルス・ネス・ハイネストだ。そして隣にいるの2人は我が意思を継ぐ者だ。」
「皆様よく来られました。僕は第一王子のロイド・ネス・ハイネストと申します。」
「ようこそ来られました。私はネイア・ネス・ハイネストと申します。よろしくお願いいたします。」
その声に周りのクラスメイト達は騒ぎだす。いきなり知らない場所でいきなり自己紹介されればパニックになる。聖夜が周りをよくよく見ると別の制服の人も見られる。聖夜はあの制服はもしかしてと思い周りを見渡していると……。
「いた!聖夜!世良!」
「やっぱり奏いたのか!奏達の学校の制服に似ていたからまさかとは思ったけど……。」
「ねぇ!聖夜も私も本当にびっくりだね!遥達は?」
「聖夜達の制服に似ていたからひょっとしたらいるじゃないかと思って別々に別れて探していたのよ!あっ、遥達が来た!お~い!」
「奏~!やっぱり聖夜達もいたんだね!」
「そうだね。聖夜を探している間に周りを見たけど、うちの学校は僕のクラスだけいるみたいだ。」
「拓也はよく見ているな。僕の学校の方も僕達のクラスだけみたいだね。」
「本当に不思議ですね。私達と聖夜聖夜達はなんでこんなところに来たのでしょうか?」
「ちょっと待って!拓也に質問いいか?」
「なんだ?」
「拓也のクラスメイトだけ召喚されたのに、なぜバ彼女がいるのかな?」
「聖夜先輩?バ彼女って誰のことですかね?ひょっとして私のことじゃないですよね?」
「あはは。昼休み休憩時間を忘れて話まくってチャイムがなって慌てて戻ろうとした瞬間に先生と鉢合わせして軽く説教されている時にこの世界に来たみたい。」
「ちょっと!拓也!バ彼女否定してくださいよ!あなたの彼女ですよ!か・の・じょ!」
聖夜は、やっぱりこのメンバーといる時が一番楽しいと改めて感じる。その時だった鋭く嫌な視線を感じる。榊がこっちを睨み付けていた。かわいい女子達と話しているのが気に入らないみたいだ。すると今度はカルス国王が再び話をはじめる。
「皆が驚くのもわかる。いきなりいた場所から知らない場所に来たのだからな。そのことはお詫びしよ。」
その言葉に黒川先生が質問をする。
「その言い方だと、ここにどう呼んだのはカルス国王ってことになるのか?」
「貴様女の分際でカルス国王にその口調はなんだ!」
「よい。我が国……いや世界の為に呼んだのだから仕方ない。」
「この世界の為と言ったな。この世界には何か悪いことでも起きているのか?」
「その通りなのだ。あなたは頭の回転が早くて感心する。」
「そんなことありません。話の続きをお願いしていいかな?」
聖夜は改めて黒川先生のすごさを目にする。普通こんな状況なら誰だって少しは冷静でいられない。まして相手は国王と名乗る人物にいきなりあんな口調では話せない。
「そうだな。この世界は今は魔族による争いが起きている。その魔族を統率する魔王を打倒してもらいたい。」
「なんで、俺達がそんなことしなきゃいけないだ!」
「そうよ!なんで危険なことしなきゃいけないの!」
「返してよ!早く元の世界に返して!」
生徒達の罵声が国王にたくさんの飛んでいく。わからなくはない。いきなり呼ばれて魔王を倒してほしいって言われたらそんな反応もする。するとその罵声を黙らす声が響く。
「お前ら、静かにしろ!」
その叫び声で周りは静寂が訪れる。その声に王子や王女、国王でさえ言葉がでなくなる。ただ、その声の方を睨む視線が2つ世良と奏だ。聖夜も含めてだが、あのような態度が嫌いな原因の一つであるが今はこれでいいと聖夜は思う。
「カルス国王続きいいかな?」
「えっ、あぁ、オホン!その魔王によりたくさんの犠牲が出ていて、王国の力を持ってもまずいと判断したのだ。」
「私達のクラスと見たところ別の学校のクラスも来ているようだがそれでも合わせて100人もいないはずだ。それだけで魔族と争いに勝てると思っているのか?」
「それに関しては問題ない。召喚された者達には女神の加護つくと言わている。それにより強力な力を入れると言わている。」
「なるほど。理解は出来たが私達の世界に戻る方法はあるのかね?」
「女神の加護受けた者がこの世界に平和を取り戻したら、元の世界に戻れると聞いている。その際には女神が一つだけ願いを叶えてくれるといううわさがある。」
「……とりあえず信じるしよう。ただ一つ約束してほしいことがある。生徒達の安全を保証してほしい。」
「それくらいは約束しよう。兵士の安全を守るのも国王の務めだ。」
黒川先生とカルス国王の話がまとまったみたいだ。生徒多くは納得いってないようだ。文句を言う人がたくさんいるようだ。すると榊達が言う。
「魔王なんか敵じゃない。俺にかかれば余裕だ。」
「そうだな。俺達が入れば大丈夫だよ。」
聖夜はそんなに甘くないと思っている。現状把握が出来てないから不安になる。それにエクソシストとしての実力は十分ではあるがこの技術がこの異世界でも通じるかは別の話になる。
「聖夜、世良ちょっといい?」
「奏どうしたの?」
「ちょっとね。遥達は待てて!」
奏に呼ばれてクラスの人達から聖夜、世良は離れる。
今日もう1話載せるかも(^_^;)