日常の朝
学校に行く前の日常を描きした。
聖夜はゆっくりとベッドから降りる。
「おはよう。世良相変わらず朝早いな。」
「当たり前だよ。叔母さんと一緒に朝ごはんと弁当作りの手伝いをしているからね。」
すると世良は聖夜の元に近く。聖夜もいつものことなので首筋あたりを世良に差し出す。そしてゆっくり世良は口を開く。口からは鋭く尖った牙を見せる。その牙を聖夜の首筋に突き立てる。聖夜は一瞬苦痛の表情を見せる。毎日のことだが、やっぱりこの痛みにはなれない。これを朝と夜の1日2回行う。
「っん、ありがとうね。聖夜痛くなかった?」
「まぁ、痛いは痛いかな?中々慣れないよ。」
「ごめんなさい。私の為に毎日血を吸わせてくれて。」
「気にするなよ。僕は世良のことは大切なんだ。あの雨の日から。」
「私もあの雨の日から聖夜は大切な人だよ。」
2人はまだ、恋人の関係まではいたってない。友達以上恋人未満よりは上の関係には、いるはずなのに……。その原因になっているのは世良が吸血鬼で聖夜が吸血鬼等の問題を片付ける、エクソシストだからだ。ちなみにエクソシストの存在は一般的には知られていない。アニメなんかである空想の産物と思われているのだ。
ちなみに世良はカタカナ表記であったが、偽名をつくる為に漢字読みで当てはめたのだ。聖夜の叔父、叔母も世良のことは吸血鬼だと知っている。元々エクソシストの関係の仕事をしていたからだ。
「世良はところで、カラーコンタクトとはまだしてないのか?」
「聖夜から血をもらってからつけようと思ってね。」
「忘れずにつけてよ。大変なことになるから。」
「わかっているよ。ご飯は出来ているはずだから、食べれるように準備していてね。」
「わかったよ。」
世羅は一回自分の部屋に戻り聖夜は制服に着替えてから2階から階段を降りて食事の用意に向かう。
「おはよう。聖夜よ。」
「おはよう。聖ちゃん。」
「おはよう。叔父さん、叔母さん!ご飯つぐよ。」
聖夜がご飯をつぐ。両親を亡くしてから、ずっと叔父さん、叔母さんと世良と一緒に暮らしている。世良と一緒に暮らしていることや吸血鬼ということは一部の人しかしらない。ご飯をつぎ終わりテーブルに運んでいると世良が2階から降りてくる。世良も制服に着替えてカラーコンタクトをして降りてきた。カラーコンタクトをしている理由は単純で赤い目を隠す為だ。
「ご飯の準備出来ているね。叔母さん食べていい?」
「いいですよ。聖ちゃんも食べなさい。」
「わかったよ。いただきます。」
「じゃあ、私もいただきます。」
ご飯を食べた時は何かない限りは全員一緒に食べる。世良は中学生になってからは叔母さんの手伝いで一緒にご飯を作るようになった。今となってはかなりの腕前になっている。
「聖夜、美味しいかな?」
「とても美味しいよ。とくに味噌汁、玉子焼きがとくに美味しいかな。」
「ふふふ。一番の自信作を美味しいって言ってもらうのは嬉しいな。」
「世良ちゃんが一生懸命作ってたから愛情も入っているのよ。」
「叔母さんからかわないでよ。」
頬を赤くして叔母さんに言う。聖夜はその可愛らし表情を見ながらご飯を食べる。ふとご飯食べていて疑問が出来たので世良に質問しようとする。
「世良、ちょっと質問いいか?」
「何かな?」
「朝、僕の血を吸って、ご飯食べているのになぜ太らな、って痛たたた!!」
いきなり、世良が頬っぺたを手でつまみひねってきた。結構な力を入れて。
「聖夜は時々デリカシーが無さすぎ!!女性にそんなこと聞くの失礼だよ……。」
「痛い!わかった!悪かったから放してくれ。」
聖夜が謝ると世良はまったくって言って頬っぺたから手を離す。そんないつものやりとりをしながらご飯を食べ終わる。時間を見ると家を出る時間が近づいていた。
「世良、奏達と集まる時間に間に合わなくなる。支度して出るぞ!」
「うん。わかったよ。」
2人は2階の自分の部屋に戻り学校のカバン等を取り、再び1階に降りてくる。
「叔父さん、叔母さん学校に行ってくるね。」
「私も行ってきます。」
「頑張って学校いけよ。」
「気をつけて行ってくださいね。」
叔父さん、叔母さんに見送られて聖夜は玄関のドアを開ける。