プロローグ わからない・・・
幼いころの記憶
『気にすることなんて何もないさ』
いつもいじめられて帰って来る俺に、義父さんはそう言った
『お前は弱くなんてない、もっと気持ちを強く持ちなさい!』
泣きじゃくる俺の髪の毛を、その大きな手でかきむしりながら、力強く、やさしく微笑んで俺にいつもそう言ってくれた
幼いころの記憶
『テメー!なめた態度とってんじゃねぇぞ!?』
私の臆病な態度にしびれを切らしたパパは、理不尽に私に蹴りを入れた
『やめてください!』
蹴られた私を抱きかかえ、あざができた場所をママはいつもやさしくさすってくれた
幼いころの記憶
『こっちだよミーナ』
父上はいつも俺を見ていなかった、妹のミーナにばかり愛を注ぎ込む
『にぃにぃも、一緒に遊びましょ!』
ただミーナは違った、父上が俺に向けてくれなかった分も、愛情を注いでくれた
不機嫌な父上に気づかずに
幼いころの記憶
『いい!今日から私のことをお姉ちゃんって呼びなさい!』
3つ上の幼馴染は、無い胸を張って僕に言った
『ほら、いい子いい子してあげるから』
なれない手つきで、乱暴に僕の頭を撫でまわした
幼いころの・・・・
幼いころの・・・・
幼いこ・・・・
幼い・・・・
おさ・・・・
・・・・・・・・・・・・・・。
『僕は?俺は?私は?一体・・・・・』
『誰?』