序章
四神伝奇 ~現代封魔戦記~ 満を持してリメイク版を掲載します。
目に映るそこは炎に包まれていた。
大地は燃え盛り、天まで届かんとするほどの勢いで全てを灰に変えていく。
しかし、空は炎の灯りを吸い込んでしまいそうな程、深く、暗い黒に染まっていた。
そんな大地に立つのは四人の影。何か話してるようだが、声は全く聞こえてこない。
そしてその影が正面を見据えるが、その先が何なのかがよく見えない。
そこから先がぼやけ初め、やがて光のようなものに包まれていった。
「……っ!」
四人の影が光に呑まれていく姿を最後に、少年は夢の世界から目を覚ました。
自分の体を包む布団から上半身を起こし、しばらくぼんやりと目の前を見つめるだけだったが、時を置くごとにぼやけてた思考もしっかりしてくる。
「……またあの夢か」
ここ最近、不規則に見る不思議な夢。
自分の見てる夢なのに、内容は当然記憶にないし、まるで自分の夢でないような不思議な感覚さえ覚える。
額に腕を当てて頭を悩ますが、結局解らずじまいの堂々巡りになるのを察してか、すぐにそれもやめてしまう。
枕元の時計を見れば、針は6時半の少し前を指していたが、元々早起きなのでこれは良い。
布団を捲り、白い浴衣のような寝間着を整えて姿見を見ると、頭には寝癖がつき、顔も瞼が半開きで眠気が取れてない様子だ。
(これじゃまるで、半死半生の亡霊だなぁ……)
いつも見てる姿なのに、どことなく少年はため息をつく。
それでもこのままというわけにもいかないので、眠気を覚ますべく自分の部屋の障子を開けるが。外は晴天ではなく、どんよりとした雲に覆われていた。
「うわ……今日は良くないことが起こりそう……」
思わず呟いた言葉と共に再びため息が口から洩れるが、いつまで気にしてもしょうがない。
滅入った気を何とか持ち直しつつ、洗面台へ向かうべく廊下へと歩を進めた。その時……
「うわっ!?」
突如、彼の足元の床がぽっかり穴が開いたかと思うと、その下から何かが勢いよく飛び出し、少年をその勢いのままに押し出してしまった。
「ひぁあああああっ!?!?」
悲鳴を上げながら宙を舞う少年は為すすべなく、さっきまで自分の視界の中にあった庭の池が目前に迫ったかと思うと、頭から突っ込んでしまうのだった。
「……ぷはぁ!!」
しばらくして水面から顔を出すが、頭から足の先までびしょ濡れになっていた。
しかし、少年があれだけの悲鳴を上げて派手な水音がしたというのに、その場に来るものは誰一人いないし、塀の向こうから人の声も聞こえてこない。
その理由は簡単だ。これが、この家の『いつも』なのだから。
「…………」
盛大に水を被ったことで眠気は吹っ飛んだが、さっきまで自分のいた場所の床から、まるでバラエティ番組のセットにありそうな大きなばねが余勢で伸び縮みしている。
すぐにこんな仕掛けを施した犯人、と言うか一人しかいないその人物に対し、沸々とその胸の内に湧き上がる衝動を抑えずにはいられなかった。
「爺様ああああああああああぁ!!!!」
今日も屋敷の庭より響き渡る叫び声。これがこの少年、東郷龍清の日常の始まりなのである。
まずはプロローグ部分です。
前よりストーリーなど等を整合させたつもりですが、かなりブランクがあるので描写については言わずもかな。
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