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スライム、冒険者に出会う

結局脱出路みたいのはなかった。

しかたがないので引き返している。

岩に押したスタンプの目印が非常に役に立った。

これがなかったら絶対帰れなかったと思う。


かなり戻ってきたと思うが、時間感覚がないからわかんないんだよね。

眠気も空腹もないからどうやって時間を知ればいいのか。


あ、明かりだ。

真っ暗なダンジョンに明かりとか目立ちまくりだな。

っ!?第一冒険者発見っ!!

男一人女二人の三人組のようだ。

女は小さいほうと大きいほうで分かりやすい。

何がって…まぁアレだアレ、言わせんな、恥ずかしい。


ここにきてようやっと人に会うことができた。

嬉しくてぽよんぽよんと近づいていった。


「なんか来るよ!警戒して!」


ありゃ、警戒されてしまった。

どうしよう?

えっと…オレしゃべれないじゃん…。

諦めるなっ、為せば成るっ!


「キュッ」


声を出せたっ!

声ってか鳴き声だけど。


「キュッ、キュッ」

敵意はないよー、武器は収めてー。


「…スライム?なんか鳴いてるよ」

「あんなスライム見たことない。新種かな?」

「捕まえて報告したら報奨金でるんじゃないか?」


なんかヤバい方向に話が進んでいるようだ。

折角会えた人間なのに…しゃーない逃げるか。


「あっ、逃がすな!捕まえろ!」


ヤダよ、誰が捕まるもんか。

ぽよんぽよんと弾んで逃げる。

さすがにこの速度には追いつけまい。

うひゃ、なんか飛んできた。

って魔法っ!魔法があるのかっ!

あぶねっ、うわ、通路が凍りで塞がれたっ!?

気合で押し通る!体当たりっ!!

ぐへっ

無理でした…。


「へっへっへ、追い詰めたぜ。手間かけさせやがって」

「はぁ、はぁ、はぁ…私は全魔力使ったからしばらく無理。うまくやって」

「どうやって捕まえる?」

「この革袋使えば?」


やべ、絶体絶命ってヤツか?

くっそー、やるしかないか…。


「キュッ、キュッ」

やってやるぜ。かかってこいよ。


「ほら、おとなしくしとけよ」


そう言って革袋を持って近づいてくる男。

…スライムの恐ろしさを味合わせてやんぜ。

とりゃー。


床、壁、天井を使った立体機動で跳びかかる。

そして3つに分裂してそれぞれに踊りかかった。


「うお、なんだコイツっ」

「キャッ、あぶなっ」

「もがっ」


魔法を使って疲れてた女(小)の顔に命中した。

もちろん目も口も鼻も塞ぐ。これでパニックになるだろう。

必殺、鼻から侵入…とかせ〜、とかせ〜。

必死に取ろうともがいているが、こっちは粘体、そう簡単に剥がされはしない。

男も剥がすのを手伝おうとしているが上手くいかない。

十数秒だろうか。そうこうしているうちに女(小)がびくんびんくして動かなくなった。

外れた2つは合流し、立体機動でもう一人の女(大)を翻弄している。

そして隙を見て男に後ろから襲いかかる。

翻弄されていた女(大)が声を挙げるが、遅いっ!

目と鼻と口を塞いでから侵入…とかせ〜、とかせ〜。

女(大)はソレを見て顔を青ざめさせている。

そこへ、忍び寄るスライム…一人目の女(小)を溶かしていたヤツだ。

頭部へ跳びかかり、同じように溶かす。


意外とあっけなかったな。

折角人間に会えたのに、残念だ。

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