スライム、迷子になる
迷った。
洞窟広すぎっ。
時間の感覚もよくわからないが、全然疲れないので動きつづけている。
もう数日はたってるんじゃなかろうか。
幸いあのドラゴンみたいな大型のモンスターには遭遇していない。
たまに同族や小型のモンスターを見かけるので、コンタクトを試みていた。
色違いのスライム、巨大芋虫、大コウモリ、大トカゲっぽいやつだ。
でも成果ゼロ、みんな襲いかかってくる。
こっちをエサとでも思ってるのかね。
しょうがないからオレの食料になってもらってる。
おかげで飢える心配がないからいいんだが。
ちなみに自分の体の色だが、白っぽくて透明だ。
今まで見たスライムは赤、青、緑と居たが、全部半透明だった。
オレってやっぱり特殊なんだろうか、なんて思ったり。
オレみたいな動きしてる奴もいないし、特別なんだろうなぁ〜。
相変わらず洞窟からは出られない。
洞窟っていうかダンジョンだよね、ここ。
広いし、迷うし、モンスターいるし。
そのうちボスでも出てくるんじゃね。
ちょっと学習した。
闇雲に動きまわっても迷うだけなので、印を付けることにした。
岩に焼きごての如く体の一部を押し付けて溶かす。
するとあら不思議、矢印のスタンプが押されます。
頑張れば彫像でも作れるんじゃないだろうか。