スライム、出口を見つける
人間形態は、女(大)にすることにした。
ちなみに装備品も取り込んだのがよかったのか、再現できた。
といっても金属になれるわけではなく、硬くした体の一部だが。
ハンマーナッコォの硬さを考えれば金属にも負けていないと思う。
色や質感も再現できていると思う。
「なんて便利な体なんだ」
ちょっと冷静になって体積について考えてみた。
元の大きさを考えると、とても人一人では収まらないくらいだった。
圧縮して固くなって詰め込まれているのだろうか。
あと目に関係なく周囲を把握できてるのは変わらず。
体の一部のみスライムに戻すことも可能だ。
「…ふむ、試してみるか」
足の裏を弾力に富んだスライムに変化させる。
「ふんっ」
床を蹴り、壁に向けて飛び上がる。
「やっ」
空中でくるりと一回転し、壁を蹴る。
「とっ」
天井を蹴り、反対側の壁に急降下する。
「えいっ」
壁を蹴り、元居た位置に飛び込む。
そして両手をハンマーナッコォに変化させて叩きつける。
ドゴォンッ
おぉー、すげー。
縦横無尽、変幻自在とはまさにこのこと。
もう人間の動きじゃないね。
人間形態でダンジョンを彷徨いながら出口を探す。
そして、ついに出口を発見することができた。