第五話 「フライト」
今日から夏休みだわ。
はぁ。1か月間の夏休みの間らなりと君に簡単に会えない。LINEも持ってないから、連絡もできない。どうすればいいの…
と自室の机で一人で悩んでいるとお父様がアメリカから帰ってきた。
私はリビングに歩いていくと、私に会うなり、お父様が
「すまないあおい。今度のハワイ旅行が仕事の都合で行けそうにないだ…。誕生日なのにすまない…」
と謝ってきた。私は
「いいよ気にしないで。もうハワイは飽きてきたし」
と返すと
「よかった…。それでだな。お詫びとして、数週間フランスに行ってきたらどうだ?ホテルは貸し切りだし安心しなさい。」
と話し
「この時期貸し切りできる五つ星ホテルがフランスにしかなくてな…。もちろんプライベートジェットだ。友達でも誘っていきなさい。1か月貸し切りにしているから好きなタイミングに行きなさい」
と言ってリビングを出て
「いまから首相との会談なんだじゃあ」
と家を出ていった。
私はその話を聞いて急いで親友のももかに連絡を取った。
ももかからの返信には
「いいじゃん!私も行く!私学年のあおいと仲いい人誘っとくから」
と書かれていた。
(なりと君も誘えればな…)
あれから1週間が経った。
私がメイド3人とボディーガードと羽田空港でももかたちを待っていると
「ヤッホー。あおい!」
と言い15人ほどの男女も後ろからついてきた。
(ももかこんなに誘っていたの!)
と驚いていると、なんとその中になりと君もいた。私がなりと君の存在に驚いているとももかが
「あおいのためになりと君誘っといたよ!」
と私の耳元でささやき。
「さぁいこっか。あおい!」
と空港の検問まで走っていった。
私たちが手荷物検査を受けているとももかが
「あおい頑張ってね!」
と言われた。
手荷物検査が終わり、私たちが飛行機に向かってリムジンで走っていると
「さすが六本さん…」
と驚いていたが親友のももかは何も動じずスマホをいじっていた。さすが私の幼稚園からの親友だわ。ももかの両親とうちの家族でもう何十回もプライベートジェットで海外を旅してきたもの。ももかの家は普通の家だがうちの両親とは仲がいいの。
飛行機の目の前に止まるとももか以外の人は全員
「はぇ~すっごいおっきい…」
と驚いていたわ。それもそのはず、この飛行機はあのアメリカの大統領も御用達のプライベートジェットだからよ。なんと、数発程度ならミサイルに耐えれるカスタム付きだわ。私たちが中に入るとそこは五つ星ホテルのように豪華で広い機内なの。
「これなら疲れずにフランスに行けるぜ!」
と男子の一人であるたかし君がはしゃいでいる。
「てか、何時間でつくの?」
と聞かれると
「多分12時間ほどだと思うわ」
と答えた。
すると、機長らが現れて
「今回のフライトをさせていただく日本六本航空(JRA)の合田竜太郎と津田茂晴です。フライト時間は約12時間ほどなのでよろしくお願いいたします」
といい操縦室に戻って行った。
「今から離陸します。揺れなどにお気を付けください」
とアナウンスが聞こえ、飛行機は離陸した。ここから12時間のフライトが始まった。
機内には75インチ8Kディスプレイや最新のゲーム機などの娯楽、ジャグジーなどがそろっており、奥の厨房には六本家お抱えの五つ星シェフが料理を作ってくれたわ。
私たちは映画が見たりゲームをしたりして楽しんでいる。
けれど、みんな5時間ほど遊んでいると疲れてきた。
「てか昼ご飯とかないの?」
とたかし君に聞かれると
「もうすぐでできるはずよ」
と私が厨房を見に行くと
「もう完成いたしましたので今すぐそちらに運びます」
と言われ。
厨房から出ると、16人分の最高級料理が出された。
その料理は私の大好きな親子丼よ。すべて国産の最高級の米、最高級の鶏肉、最高級の卵を使用した、世界一高い親子丼よ。一口口に入れると卵がとろりと溶けて、鶏肉のうまみと米の甘味が口いっぱいに広がるわ。
私が食べて幸せそうな顔をしていると、ほかのみんなも私の様子を見て親子丼を口に入れると、全員が美味しさのあまり昇天したような顔になって
「おいしすぎる…」
と言った。
それから、たった5分ほどで私たちが親子丼を完食すると、私たちはそのままさっきの疲れからか寝てしまった。
何時間か経ち、私はメイドの
「あおい様、もうすぐでフランスに到着するのでご準備下さい」
と言う声で起きた。
私が起きてまわりを見ると、なんと、隣になりと君がおり、私の肩に頭をのせて寝ていた。
私はそれに気が付くと顔を真っ赤にして動けなくなった。その姿を見たメイドが
「あおい様大丈夫ですか?」
と心配してきたすると、
「まもなく着陸します。揺れなどにお気を付けください」
とアナウンスがなった。それを聞いて全員が起きてしまった。
「ふぁ~。もぉついたの?」
とたかし君が声を上げると
「そうでございます。今すぐ出るご準備をしてください」
とメイドが答え、みんなが準備をし出した。
私が残念そうに
(はぁ…)
と息を吐くと
「あおい~」
とにやにやした顔でももかがやってきた。
「あおいさっきなりと君に肩貸してたよね」
「うん…」
「その時のあおいめっちゃ可愛かったよ!また見せてよ~」
言われた。すると、
「着陸しました。早く降りる準備してください。あおい様」
とメイドに言われ、私は急いで準備を終え、飛行機を降りた。
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