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20

完結です!

最後までお付き合いくださりありがとうございました!

『うわぁ!!』


殴った瞬間、メロディは一際大きな悲鳴をあげた。


「やめて!メロディを離して!なぜ、二人を引き裂こうとするの!」


アバンの母が私を止めようと腕を掴んだ。


「知らんがな!」


私がアバンの母を勢いよく振り払うとその場で尻餅をついた。

アバンはよほどメロディが恐ろしいのかカタカタと震えていた。


「高速ヘッド殴り!」


『ぎゃぁあぁあぁ!!』


私が技名を叫びながら頭をひたすら叩き続けると、髪の毛がポロポロと落ちていく。


「毛が!どんどん抜けていくみたいね!さあ、さあ、進化しろ!」


猿は体毛と引き換えに人へと進化した。

メロディもきっと、頭髪と引き換えに人としてさらに進化するはずだ。

私は確信をもってメロディの頭を殴り続けた。


その瞬間、ぐにゃりと空間が歪んだ感触がした。


「っ、なんだこれ!?」


思わず手を引っ込めると、今度はアバンの母が悲鳴をあげた。

私はその光景に思わず目を見開いた。


「ひっ、きゃぁ!」


アバンの母の腕がメロディの顔に吸い込まれているのだ。


「ぶ、ブラックホール……」


「リイスが、光速でメロディの顔を殴ったからきっとブラックホールができたんだ」


「いやぁぁ!」


アバンの母は恐ろしいのか床に水溜りを残して、そのままメロディのブラックホールに吸い込まれてしまった。


「嘘だ」


私は目の前の光景が信じられずにポカンと口を開いた。


『お、あぁヴァアお!!』


メロディがこの世のものとは思えないような雄叫びをあげると、空間の歪みは消えた。


『あ、あぁうぉぉぉぉ!!』


メロディは二日酔いのおっさんのようなうめき声をあげると、その場に座り込んだ。

ボロッと、厚塗りの化粧が剥がれ落ちるように、腕の一部が剥がれ落ちた。

そして、みるみるうちにアーマーのような筋肉が剥がれ落ちていく。


その場に残されたのは、ハゲ散らかしたメロディとアバンの母が残した水たまりだ。


「……漏らしちゃったのね」


私の呟きが虚しく倉庫内に響く。


「漏らしちゃった。漏らしちゃ……イナ……」


その瞬間、あの日の記憶が蘇る。


『結婚してやる!二言はない!』


あの時、酔った勢いでアバンに絡み私はプロポーズしたのだ。


「うわぁあ!」


次に悲鳴をあげたのは私だった。

に、逃げよう。

反射的にそう思い逃げようとするが、それはできなかった。


「逃げちゃヤダ」


アバンが信じられない腕力で私の腕を掴んだからだ。


あ、何こいつ、こんなに強いならオメーがメロディボコせよ。


「ど、ヒィぃい!」


そう思いながらアバンの頬を叩くがびくともしない。


「愛してるよ。リイス」


「だから!呼び捨てにすんなって言ってんだろ!」


反射的にアバンを殴ると奴は吹っ飛んだ。

しかし、全く痛くなさそうな素振りを見せて立ち上がる。


「さあ、行こう」


アバンは、ハゲ散らかしたメロディと水たまりを放置して、私を連れて倉庫から出た。

私は本能的に、コイツに逆らったらダメだと悟る。

塩をふられた青菜のような気分だった。


それからすぐにアバンと私は結婚した。


結婚式にはメロディが参列してくれた。

彼女には毛がちゃんと生えていて「長年の悩みだった癖毛が治って嬉しい」とほざいていた。


アバンの母は、どこにいるのかわからない。


たぶん、実家にいるんだと思う。

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― 新着の感想 ―
[良い点] リイス最高! こんな友達欲しい [気になる点] 続きが読みたいわ〜 [一言] 面白かった。主人公がココまでぶっ飛んでるのも珍しく凄く面白かった。
[良い点] 面白かったー
[一言] 突然の超展開に笑うしかない。ギャグ漫画を文章にするとこんな感じかなと思いました。
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