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人類滅亡を招く恋  作者: AuThor
13/14

真実

超巨大隕石が地球に衝突する前日の夜、総真と晴海は山の頂上の展望台にいた。


明日、人類が滅亡するかもしれないのに、その前日にこんな山にいるなんて・・・。

晴海は最期になるかもしれないのなら、総真と一緒にもっとロマンチックな場所で過ごしたかった。


晴海は小隕石がこの後、山に落下したあと、ある場所で総真と合流する約束をしていた。


その場所は今朝、総真からもらった金属製の箱の中に入っている紙に書かれているそうだ。


その金属製の箱は物凄く頑丈そうで、8桁の暗証番号がダイヤル形式でついている。


暗証番号は晴海と総真の誕生日を合わせたものだそうだ。


合流場所を直前まで伝えないというのも隕石衝突の回避のためらしい。


箱の中にGPSが入っているから、万が一どこかに箱を落としても晴海のスマホから場所がわかるように総真が設定してくれた。


小隕石が山に落下した後、その箱を開いてほしいということだった。


いろいろ理屈や理由がまったくわからないが、晴海は総真を信じるしかなかった。


展望台の中には、人類滅亡の前日というだけあって、誰もいなかった。


展望台どころか山にも人はいないだろう。


・・・明日、人類が滅亡するかもしれない。

晴海は自分の体が震えていることに気づく。


直前になって晴海は人類滅亡の危機を強く実感し始めていた。


そして、自分に課せられた重い役割の実感も強まる。


こんな状態で走れるだろうか?


・・・あともう少しで山を下る時間がくる。

晴海がそう思った瞬間、

「晴海さん、こっちきて」

総真の声が展望台の上の方から聴こえた。


晴海は何か起きたのかと、急いで展望台の屋上に上がる。


すると、総真がスーツを着ている。そして、ドレスを持っている。


総真は晴海にドレスを渡す。


総真は笑いながら言う。


「タイタニックしよう」


晴海は笑う。


晴海は震えが止まっていた。


総真と晴海はスーツとドレスを着て、展望台の屋上でタイタニックした。


船の上ではないからタイタニックと言うのかわからないけど。


満点の星空の下でタイタニックした。


晴海は総真に腕時計を渡される。


総真の腕時計を晴海が持っていなければいけないと総真は言う。


そして、2人は位置につく。


総真の合図とともに2人は走りだした。



晴海は山の斜面を走り抜ける。


ショルダーバッグの中には総真からもらった金属製の箱が入っている。


ポケットにスマホを入れ、総真から渡された腕時計をお守りのように握りしめて走る。


晴海は山を下り、街へ出た。


そして、閑散とした街の中にある一直線の道路を走る。


晴海は走る。

そろそろ小隕石が山に落ちてくる頃だ。


明日、人類が滅亡することになったとしても、総真と最期まで一緒にいたい。


総真がそばにいてくれるなら、死ぬのも怖くない。

晴海は本気でそう思えた。


走り続けることが限界という状態で、橋を渡ろうとした瞬間につまずき、晴海はこける。


ポケットに入っていたスマホが地面に落ちてスライドし、橋の下の川に落ちる。


地面に倒れ込んだ瞬間、晴海の脳内にかすかに映像が流れ込む。


顔の近くにあった腕時計を持っている手を移動させると、映像が消えた。


晴海は腕時計を顔に近づける。


すると、少しずつ映像の鮮明さが増していく。


そして、晴海は腕時計を額にくっつけた。


その瞬間、完全に鮮明な映像が脳内で再生され始める。


それは総真や総真の父親も、想像すらしていなかった現象であった。


まるで別の場所にいるかのような鮮明な映像が晴海の脳内に次々と浮かんできた。


晴海の脳内に総真と総真の父親が話している映像が流れる。



そして、晴海は真実を知る。


超巨大隕石による人類滅亡の危機は、総真が晴海の運命を変えたことによって引き起こされたということ。


総真がいた未来の世界では、超巨大隕石が地球に接近することなど起こらず、人類滅亡の危機など生じなかったこと。


総真が晴海の生死の運命を変えたことにより、晴海は本来そこにいてはならない存在となり、地球や宇宙規模で晴海の存在を消すように全てに作用し動くようになったこと。


晴海と総真が2人暮らしをし始めて起きた命の危険にさらされる悪い出来事の数々は、晴海という存在を消すために起きていたということ。


総真に指示された食事制限も、晴海が病気にかかりやすくなる可能性もあったため、安全性が完全に証明されていない食べ物や飲み物を摂取を防ぐ目的があったということ。


総真に第六感などなく、母親にもらった腕時計を改造し、父親が悪い出来事が起こるのを予測し、電波で時計の針を動かして総真に伝えていたということ。


晴海に降りかかる命の危険の悪い出来事は、晴海の運命が変えられてから徐々に宇宙規模でその流れが形成されていき、1ヵ月ほど経ってから起こり始めるということを、父親の計算で総真は知っていたこと。


今回の小隕石も晴海のもとに落下するようになっていたので、小隕石の軌道が完全に決まるぎりぎりまで被害の出にくい山に晴海をいさせたということ。


晴海の存在を消そうとする悪い出来事を止めるには、晴海がその悪い出来事により命を落とすか、運命を変えた張本人である総真がその悪い出来事により命を落とすか、その2つの方法しかないということ。


小隕石の衝突によって総真が身代わりとなって死んで、晴海の存在を消そうとする流れを完全に断ち切る計画であったということ。


総真や総真の父にとっても、晴海に降りかかる悪い出来事の規模が、大地震から、いきなり人類滅亡というレベルに跳ね上がったのは想定外であったということ。


晴海が感じていたように、晴海に命の危険の悪い出来事が起これば、次の日から1日か数日は起こらなくなる法則だと総真の父親の計算で総真はわかっていたので、大地震の次の日に父親が隕石接近の情報を知って総真に伝えようと携帯に電話したが、総真はその日悪いことが起きないと思っていたため、携帯を所持して昼休みを過ごしていなく、父親は仕方なく、総真に時計を使って緊急事態であることを知らせたので、総真は悪いことが起きると勘違いして、完全に想定外の異常なことが起きたと思い、総真は驚いたということ。


晴海に起こる命の危険の悪い出来事の規模は毎回というわけではないが、晴海の存在をこの世から消そうとする流れが強まっていき、晴海が思っていたとおり、大きくなっていく法則だったということ。


小隕石が地球に落下することは軌道から確実に変えることができなかったので、今回の作戦で、晴海を山に移動させて、走らせたということ。


晴海のスマホにGPSを設定して、晴海が隕石落下地点からどれだけ離れているか、総真は把握していること。


晴海の両親と積極的に会うようにしていたのは、晴海に悪い出来事が起こり始める前に、晴海を守りやすい2人暮らしを早く認めてもらいたかったので、そのためにも晴海の両親から信頼を早く勝ち取るためであったということ。


総真の父親の理論を使ったタイムスリップでは未来には行けなく、過去にしか行けないということ。


過去を変えても、未来の世界は変わらないということ。パラレルワールドのように並行世界として分離するだけ。


同じ人間が2回タイムスリップすることはできないこと。つまり総真はもうタイムスリップすることができない。


総真の父親はタイムスリップの理論などが悪用されないように、自分の研究の痕跡などを全て消し、すでにタイムスリップして過去に行き、この世界にはいないということ。


総真は最初から、晴海の身代わりになり死ぬつもりであったということ。


晴海と過ごすことが楽しくて、身代わりになって死ぬことを先延ばししてしまったということ。


大地震の日には、総真はこれ以上に危険な規模の悪い出来事から、自分の力で晴海を守れるかわからなかったため、次の悪い出来事が起きたときに、晴海をかばって死ぬと決めていたこと。


晴海に乗り物を使わせずに走らせて山を下りさせたのは、晴海に走ることだけ意識させ、何かに感づかれることを防ぐためであること。


隕石落下の回避方法を知っていることを不自然でないように晴海に信じさせるために、自分が未来の人間であることを説明したということ。本当はそのことを話さず、晴海を悪い出来事からかばう形で死ぬつもりだった。


総真に渡された金属の箱の中に入っている紙に書いてあるのは、合流場所ではなく、遺書のようなものであること。


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