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かいてきなたび 3

十万字突破!一カ月強。ギリギリ七月中に終えられました。

そして、


着々と増えています。ブクマしてくれている方と評価ポイントを下さる方が!

読者の皆様、有り難う御座います!

ガタンゴトンと馬車は行く。

馬はゆっくりゆっくり歩を進め、地面を削って草原の合間を進む。

代わる代わる御者が交替し………馬車からは談笑の声が聞こえ、何事も無い平和が、学園内では絶対に有り得ないであろう、経験出来ないであろう日常がそこには有った。

三人組ともすっかり打ち解け、今は馬車を止めて昼食中。

積み荷の中から林檎を引っ張り出して、シェリー君も御相伴に預かっていた。

「皆さんはこの先に何を売りに行くのですか?」

「あぁ、馬車に積んである荷をな、ちょこっと捌いて………で、仕事が終わったらテキトーにそこいらで羽でも伸ばそうか?それともその金を元手に大きな仕事でもするか?って言ってんのさ。」

「また仕事する気ですかい?まぁ、それはそれでいいですが……」

「それよりもよぉ、やっぱり俺は自堕落が良いぜぇ……よぉ。」

「馬鹿言ってんじゃ無いよ!働いて稼ぐ!それを元に更に大きいな仕事に繋げる。

これを続けていきゃぁ馬車だって馬だって良いのに出来んのさ!」

「まぁ、鈍い馬車よりぁ速い方が良いですが……」

「まぁ、姐さんが言うんなら俺も付いて行きますがぁよぉ。」

「何言ってんのさ?アンタらこの娘と違って頭が無いだろう!なら体動かして働きな!一生扱き使ってやるから!覚悟しな!それとも………勉強するかい?」

「いきやす。一生働きやす!」

「やりやすよぉ!」

三人のやり取りが微笑ましい。

それを見ていたシェリー君の頬が緩む。

「ふふふ……皆さん、仲がおよろしいんですね。」

「何言ってんだい?ったく……」

「いや、それほどでも」

「悪い気ぁ、しねぇよぉ。」

三者三様。しかし、その顔にはまんざらでも無いと書いてあった。

「さぁ!サッサと行くよ!」

「解りやした。」

「はぁぃ。」

「では……今度は私が御者をやります。」

シェリー君が手を挙げた。

「?できんのかい?」

「大丈夫ですかい?」

「馬なんて扱えんのかよぉ?」

「大丈夫です!任せて下さい!

 私だけ座ってる訳にもいきませんので!」

私が指示したのさ。

シェリー君には色々やって貰おうかと思ってね。

そのうちの一つが乗馬や馬車の扱いに慣れて貰う事だ。

馬を扱えれば移動時間を短縮したり、人間には出せない運動エネルギーを出すことが出来る。

そうすれば出来る事が100も1000も増えていくからね。なぁに、最初は私が憑依して運転をするさ。

徐々に私からシェリー君に任せ、最終的にはシェリー君一人で乗りこなして貰おう。

「良いじゃないか、やってごらん。」

「気を付けて下せぇ。」

「怪我しないでよぉ。」

「有り難う御座います。では、先に準備をしてきます。」

そう言って少し離れた馬に近付いていく。

「そういう訳で、もう少しだけ、宜しくお願いします。」

休んでいた馬を撫でる。

中々疲労はしているようだが、毛並みと言い、肉の付き方と言い、申し分ない馬だ。

撫でられている所を見る限り、中々大人しそうで練習にはもってこいだ。

「では、先ずは私が手本を見せる。

よく見ておきたまえ。」

「解りました。教授。」


フッ


馬車がゆっくりと走り出していった。

ガタンゴトン・ガタンゴトン、馬車は、重く、ゆっくり道を進んでいった。

穏やかで、平和な日常。






しかし、変化は訪れるものだ。

平穏には波乱、静寂には轟音。それらが必ずやって来る。

平穏や平和だけが持続する訳が無い。

平和な日常や旅はその次の波乱へと繋がっていく。

覚悟をしたまえシェリー君。

これは講義だ。

君にはあの地獄を生き抜くべく、相応の試練を受けて貰うよ。

馬車を操りながらそんな事を考えているとは、私以外の誰もが知る由も無かった。

ガタンゴトン・ガタンゴトン、馬車は、重く、ゆっくり道を進んでいった。


感想や評価やレビュー、後は気になった事などを言って頂ければ幸いです。

『こんなモリアーティー達を見てみたい。』なんて言うのもお待ちしています。

そのアイデアを採用出来るか否かは何とも断言出来ませんが、色々な方の色々な刺激が欲しいのでよろしくお願いします。

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